経営者の視座が上がったことで、私たちも足元支援から未来支援へと変わりました
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企業紹介
地域をまるごと支援
株式会社福井銀行様は1899年の設立以来、福井の地域産業と人々の暮らしを支えてきた銀行で、県内における有力な金融インフラとして大きな役割を果たしています。
同行が掲げる企業理念は、「地域産業の育成・発展と地域に暮らす人々の豊かな生活の実現」です。
その思想は創立当初から受け継がれており、現在は「感動の瞬間を、ともに。」というスローガンのもと、金融サービスの提供にとどまらない価値創出に力を注いでいます。
また、福井銀行グループでは「まるごと支援」を重要なキーワードに据えています。
地域全体を支える「地域まるごと支援」と、企業ごとの個別課題に深く向き合う「課題まるごと支援」の二つを両輪として、お客さまの成長や地域価値の循環を後押ししていくことが、同行の目指す姿です。
そうした福井銀行様が今回取り組まれたのが、地域企業の成長をより本質的に支えるための「次世代経営塾」です。単に資金ニーズに応えるだけでなく、企業の未来像をともに描き、成長に必要な意思決定や行動を後押しする。その実践に向けて、船井総研との取り組みが始まりました。
当時の課題
意識変容の壁
地方銀行を取り巻く環境は、人口減少や少子高齢化、産業構造の変化など、年々厳しさを増しています。
そうしたなかで福井銀行様は、地域経済を持続的に発展させていくためには、地域に「魅力ある企業」を増やしていくことが不可欠だと考えられ、その一つの象徴として掲げたのが、「100億円企業を福井から創出する」というテーマでした。
しかし実際に現場でお客さまと向き合うと、「100億円を目指しましょう」と提案しても、すぐに前向きな反応が返ってくるわけではなく、「『うちの身の丈は分かっている。100億なんてとてもじゃない』という声が多く、銀行側との間に意識のずれやギャップがあった」と語られています。
地域企業の成長可能性を信じる銀行の思いと、経営者自身が描いている将来像との間には、想像以上に大きな隔たりがありました。
また、従来の次世代経営塾はどうしても座学中心になりやすく、学びの質は高くても、それが自社の将来像や具体的な行動にまでつながりにくいという課題を抱えていました。知識を得ることと、経営者が「では自社はどうするのか」を腹落ちして考え、動き出すことの間には大きな差がありました。
さらに福井銀行様自身も、当時は福邦銀行との統合を控えた時期にありました。
異なる営業文化や価値観を持つ組織が一つになっていく中で、若手行員をどう育てるか、営業の共通言語をどうつくるかという組織課題も顕在化しており、地域企業を支える立場である銀行自身が、次のステージへ進むための基盤整備を必要としていたのです。
支援の内容
実践型への転換
こうした課題に対して福井銀行様が船井総研に期待されたのは、単なる研修運営ではなく、企業の成長を実務に落とし込むための具体的なノウハウでした。
堀様は、「中小企業の多種多様な業種に関する知見があり、中堅企業の育成・支援において全国でも抜きん出ていると見ていた」と評価をいただいており、過去の個別支援を通じて、トップライン向上に向けたコンサルティングの質も実感されていたことが、依頼の大きな後押しになりました。
そこで始まったのが、10年後のあるべき姿から逆算して、自社の成長戦略を整理する実践型の「次世代経営塾」です。
船井総研は参加企業が100億円企業の実現に向けてロードマップを描けるよう支援し、10年後・5年後・1年後、そして「明日から何をするか」までを具体的に言語化していく伴走を行いました。
単なる知識提供ではなく、経営者が自社の未来を解像度高く描き、行動へとつなげる設計が重視されました。
加えて福井銀行様内部に向けた支援として、営業力強化のための「法人営業読本」の作成にも取り組みました。
これは営業の心構えやアプローチ手法を体系化し、若手行員の育成や統合後の営業文化の融合に役立てるためのもので、両行の文化や経営陣の思いを丁寧にすくい上げながら、一冊の教科書としてまとめていくプロジェクトは、組織横断で進められました。
すなわち、経営者の未来を引き出す「塾運営」と、行内の「営業力強化」を並行して進めることで地域企業支援の実効性を高めていったのです。
プロジェクトの成果①
行動への転換
本プロジェクトの大きな成果は、参加企業の経営者に具体的な行動変化をもたらしたことです。
堀様は「10年後のロードマップを作ったことで、頭の中がすっきりして、明日から動けるという声が多かった」と語られています。
100億円という大きな目標は、ただ掲げるだけでは遠い存在に見えますが、そこに至るまでの道筋が整理されることで、目標は現実的な経営課題へと変わっていきました。
福井銀行様にとっても、これは単なる研修満足度の向上ではなく、経営者が自らの未来像を描き、そのために必要な投資や組織づくりを考え始めることで、銀行として提供できる支援の質も変わっていきました。
「足元の資金需要に応える」支援から、「将来の成長に必要な打ち手を先回りして考える」支援へ。
その転換点となったことに、今回の取り組みの大きな意義があります。
プロジェクトの成果②
支援の高度化
二つ目の成果は、銀行側の提案力が大きく高まったことです。
100億円を目指すと決めた企業には、足元の資金繰りだけでは見えてこない課題が現れます。
具体的には設備投資、M&A、事業承継、人材採用、拠点展開など、時間軸の長いテーマが経営判断の中心になっていきます。
今回のロードマップを通じて、そうした潜在ニーズが可視化されたことで、福井銀行様もより先を見据えた提案ができるようになりました。
「社長がどこを狙っていて、そのために何が必要かが見えることで、銀行としても対応の仕方が変わる」と語られており、ロードマップは企業のためだけのものではなく、支援する銀行側にとっても、お客さま理解を深めるための重要な土台となったのです。
結果として、福井銀行様は経営者様に対して、より的確なソリューション提案ができるようになりました。
プロジェクトの成果③
共通言語の構築
三つ目の成果は、福井銀行様自身の組織変革にもつながったことです。
当時、福邦銀行との統合を控えるなかで進められた営業読本の作成は、営業文化の融合や若手育成において大きな役割を果たしました。
異なる銀行で培われた営業スタイルや言葉の違いを整理し、共通の教科書としてまとめることで、組織内に共通言語が生まれたのです。
堀様は、「同じことを言っていても言葉が違うと、受け手との間にずれが生まれる。読本ができたことで、それが取り除かれた」と振り返ります。また、「営業というものが活字として、誰が読んでも分かる教科書の形になったことが非常に大きかった」とも語られています。
属人的だった知見を形式知化できたことは、統合後の組織にとっても、今後の人材育成にとっても大きな財産となりました。
今後の展望
伴走支援の深化
今後、福井銀行様が目指しているのは、金融機関としての「機能的価値」に加え、お客さまから「ありがとう」と言っていただけるような「体験価値」を提供できる組織になることです。
商品や資金だけでなく、地域企業の未来づくりそのものに深く関わる存在になるためには、行員一人ひとりが、より高い視座と伴走力を持つことが欠かせません。
堀様から今後の期待として、「船井総研さんが現場で生きたコンサルティングをやっている、その熱量やお客さまを成長させる思いを、行員も吸収していきたい」というお話がありました。
地域企業の支援と銀行内の人材育成の両面で、船井総研との連携をさらに深めていきたいという期待が感じられます。
「地域まるごと支援」「課題まるごと支援」を掲げる福井銀行様にとって、地域企業の成長はそのまま地域の未来につながります。
だからこそ、次世代経営塾のように経営者の視座を引き上げる支援も、営業読本のように行員の支援力を高める取り組みも、いずれも単発で終わるものではありません。
福井銀行様は地域企業の挑戦に寄り添いながら、地域の未来をともに切り拓く存在として、次の成長ステージへと歩みを進めています。
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