今、多くの中小企業は「経理の転換期」という大きな変化に直面しています。特に、「改正電子帳簿保存法」や「インボイス制度」の導入、そして「IT導入補助金」の拡充といった国のデジタル化推進策が、企業経営に大きな影響を与えています。
デジタル化の義務化と支援
● 電子帳簿保存法の改正
2022年1月1日以降、電子取引の電子保存が義務化され、紙での保存は原則禁止となりました。
現在は2年間の猶予期間が設けられていますが、近い将来、完全にデジタル対応が必要になります。
● インボイス制度の開始
2023年10月1日からはインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まり、すでに適格請求書発行事業者の登録申請も2021年10月1日から受け付けが開始されています。
これらの制度改正は、企業間の取引を強力にデジタル化へと推し進めるものです。
● IT導入補助金の拡充
デジタル化への移行を支援するため、IT導入補助金も手厚くなっています。ソフトウェア導入費の最大75%が補助され、クラウド利用料も2年分まとめて補助されるなど、中小企業がデジタルツールを導入しやすい環境が整えられています。
人材不足と経理部門の課題
こうした外部環境の変化に加え、多くの中小企業が採用難に頭を抱えており、経理部門も例外ではありません。このような背景から、中小企業のバックオフィス、特に経理部門の業務効率化や体制構築は喫緊の課題となっています。
ここに、会計事務所様が「経理コンサルティング事業」に取り組むべき大きなビジネスチャンスが到来しているのです。
船井総研が提唱する「経理コンサルビジネス」とは
船井総研が提案する「経理コンサルビジネス」は、従来の会計事務所様の業務をアップデートし、継続的な収益(ストック収入)を得ることを目的とした新しいビジネスモデルです。これは単なる経理代行に留まらず、企業の経理業務フローを効率的に改善し、システム導入によってその体制構築をサポートするもの。最終的には、アウトソーシングやアドバイザリーを通じて、継続的な運用サポートを提供します。
ビジネスモデルの3つの段階
このビジネスモデルは、以下の段階で構成されます。
1. 経理改善提案(コンサルティング)
まず現状を分析し、最適な業務フローを提案します。ここで「導入フィー」が発生します。
2. 成果物/システム導入
提案に基づき、クラウド会計システムや関連ソフトウェアの導入を支援し、効率的な経理体制を構築します。
3. アウトソーシング(アドバイザリー)
システム導入後も、経理代行や運用保守といった形で継続的にサポートを提供。
ここから「運用フィー」というストック収入を得る仕組みです。
経理コンサルビジネスの進化
弊社では、この経理コンサルビジネスをサービス提供モデルによって進化させてきました。
〈旧型モデル:経理代行(代行屋)〉
● コンセプト:経理代行のみを提供する「代行屋」
● クラウド導入支援:なし
● 標準化:なし
● 視点:顧客の既存業務体制に合わせるため、「顧客目線」
● 時間当たり平均単価:〜5,000円と低水準
〈経理コンサル1.0モデル:経理DX(SaaS)〉
● コンセプト:「経理DX(SaaS)」、つまりSaaS型クラウド会計システム導入支援が中心
● クラウド導入支援:あり
● 標準化:なし
● 視点:事務所側が特定のSaaSを推奨するため、「事務所目線」が強まる
● 時間当たり平均単価:5,000円〜15,000円と、旧型モデルから単価が向上
〈経理コンサル2.0モデル:経理DX(パッケージ型)〉
● コンセプト:「経理DX(パッケージ型)」として、単なるSaaS導入に留まらず、経理業務全体をパッケージとして標準化し、効率的な業務フローを提案・構築
● クラウド導入支援:あり
● 標準化:あり
● 視点:事務所が提供する標準化されたフローに顧客を適応させるため、より強い「事務所目線」
● 時間当たり平均単価:10,000円〜50,000円と、大幅な客単価アップを実現できるモデル
船井総研は、この経理コンサル2.0モデルこそが、今後の会計事務所様の経理コンサルティング事業の核となると考えています。
事務所経営と経理コンサル事業の相乗効果
この経理コンサルビジネスは、新しい収益源となるだけでなく、会計事務所様の既存経営にも強力な相乗効果(シナジー)をもたらします。
1. 客単価の向上
従来の経理代行業務では得られなかった「導入フィー」や高単価な「運用フィー」を継続的に得られるため、顧問先あたりの収益が大幅に向上します。
特に、経理DXをパッケージとして提供することで、時間当たりの平均単価を飛躍的に高めることが可能です。
2. 業務工数の削減
経理コンサルティングを通じて顧問先の経理業務を効率化・システム化することで、事務所側も代行業務の工数を削減できます。
これにより、限られたリソースでより多くの顧問先に対応できるようになり、事務所全体の生産性が向上します。
3. 無資格者・パートの活躍
業務がシステム化され、標準化されたフローで運用されるため、専門資格を持たないスタッフやパートタイマーでも、一定の研修を受ければ経理業務の一部を担えるようになります。
これにより、採用難の軽減にも繋がり、人材活用の幅が広がります。
4. 新規顧客の獲得
「経理DX」や「業務効率化」といったニーズは、現在の多くの中小企業が抱える喫緊の課題です。
経理コンサルという付加価値の高いサービスを提供することで、従来の税務顧問契約ではリーチできなかった新規顧客層を獲得しやすくなります。
5. 顧問先数の増加
経理コンサルティングを通じて顧問先との関係性が深まり、信頼が構築されることで、結果的に税務顧問契約への移行や、新たな顧問先の紹介にも繋がりやすくなります。
これにより、事務所全体の顧問先数を増やすことが期待できます。
これらの相乗効果は、会計事務所様の経営を盤石にし、持続的な成長を実現するための重要な要素となります。
船井総研への経営相談のすすめ
会計事務所様の新たな成長フェーズにおいて、弊社は「経理コンサルビジネス研究会」を通じて、事業の立ち上げと成功を強力にサポートいたします。この研究会は、経理コンサルやクラウド導入サポートに特化した実務・マーケティングの勉強会で、最新の市場動向や成功事例を共有し、実践的なノウハウを提供しています。
「電帳法・インボイス・IT導入補助金の追い風」を最大限に活用し、増加する中小企業の経理コンサルティング需要をビジネスチャンスに変えるための具体的な戦略と戦術を、船井総研は提供できると確信しています。
船井総研について
船井総研は、中堅・中小企業を対象とした日本最大級の経営コンサルティング会社として、長年にわたり多くの企業の成長を支援してまいりました。
業種・テーマ別に「月次支援」と「経営研究会」を両輪で実施する独自の支援スタイルをとり、「成長実行支援」「人材開発支援」「企業価値向上支援」「DX(デジタルトランスフォーメーション)支援」を通じて、社会的価値の高い「グレートカンパニー」を数多く創造することをミッションとしています。
私たちの現場に密着し、経営者に寄り添った実践的なコンサルティング活動は、様々な業種・業界の経営者様から高い評価をいただいております。
貴所が抱える「採用難易度の軽減」、「新規顧客の獲得」、「業務工数の削減」、「客単価のUP」といったお悩みに対し、経理コンサルビジネス研究会がその解決策をご提示いたします。