消化器内科で始める人間ドックの始め方|内視鏡・内科クリニック経営

人間ドック(内視鏡ドック)を始めたい院長先生へ
私たちは、胃がん・大腸がんで亡くなられる方をゼロにしたいと考えており、そのために、内視鏡クリニックが保険診療の枠を超えて予防医療に取り組むことが欠かせないと考えています。その中心となるのが、人間ドックへの展開です。
「内視鏡クリニックで人間ドックを始めたいが、何から手をつければよいか分からない」という院長先生は、ぜひ最後までご一読ください。
なぜ今、消化器内科・内視鏡クリニックが人間ドックに取り組むべきなのか
○改定に左右されにくい経営基盤をつくる
保険診療は、診療報酬改定の影響を大きく受けます。保険診療を大切にしながらも、改定に左右されにくい経営基盤をつくることが、地域医療を長く支えることにつながります。
○人間ドックに取り組むことで、次のようなメリットが生まれます。
・経営面:診療報酬改定に左右されない収益の柱ができ、医業収入の増加につながる
・技術面:鎮静剤を使った苦痛の少ない内視鏡など、自院の技術や強みを予防医療の場で活かせる
・使命面:早期がんの発見に、より積極的に貢献できる
○いま、人間ドック市場は大きく変わっている(2026年9月時点)
1.協会けんぽの人間ドック補助が拡充
2026年度から、協会けんぽ(全国健康保険協会)の健診制度が見直され、35歳以上の被保険者が人間ドックを受診する際の補助額が、これまでの約14,000円程度から最大25,000円に引き上げられました。2027年度からは被扶養者(ご家族)にも対象が広がる予定で、人間ドックを受ける人はさらに増えることが見込まれます。
2.企業の「健康経営」への関心の高まり
人手不足が深刻になる中、社員の病気による休職や離職は、企業にとって大きなリスクです。従業員の健康管理を、コストではなく「投資」ととらえる健康経営の考え方が広がり、採用活動や社外評価の面でも重視されるようになっています。
3.専門クリニックの役割が広がる人間ドック市場
これまでの人間ドック市場は、多くの受診者を受け入れる健診センターや、充実した検査を揃えた高価格帯のコースが中心でした。しかし、補助の拡充で一般の受診者が増え、受診者自身が「医療の質」で医療機関を選ぶ時代になりつつあります。
これからの人間ドックは、3~6万円程度の「健診+専門検査」を組み合わせたコンパクトなドックが主流になると考えられます。専門性や医療の質が選ばれる市場に変わりつつある今こそ、内視鏡クリニックが人間ドックに参入するチャンスです。
内視鏡クリニックの人間ドック参入 4つのポイント
① 補助の活用を前提にメニューを設計する
人間ドックは、メニュー設計が成功のカギです。全額自己負担を前提としたメニューではなく、健康保険組合などの補助を活用することで、受診者の自己負担を抑えられるメニューに設計することが重要です。健診項目をベースに、内視鏡などの専門検査をどう組み合わせるかがポイントになります。
② 健康保険組合と提携する
健康保険組合は、加入者に十分な健診枠を提供すること、そして加入者にとって魅力的な検査を揃えることを求めています。内視鏡のような人気の専門検査を提供できるクリニックは、健康保険組合にとっても価値のある提携先です。
③ 健診代行機関と契約する
多くの企業や健康保険組合は、社員の健康診断の管理を健診代行機関に任せています。つまり、実際に受診者と医療機関をつないでいるのは健診代行機関です。健康保険組合と提携したうえで、健診代行機関と契約することで、受診者を安定して集めることができます。
④ 院内の体制と受診体験を整える
人間ドックを始めるには、予約枠の管理やWeb予約の準備、健診代行機関とのやり取りなど、院内のオペレーション整備が必要です。また、受診者に「また来年もここで受けたい」「家族にも勧めたい」と思ってもらえるよう、接遇や院内環境、受診後の流れまで含めた受診体験の向上も大切です。
人間ドック参入を成功させるカギ ~営業体制の構築~
人間ドックの集患は、ホームページで個人の受診者を集めるだけでは限界があります。健康保険組合、健診代行機関、企業へ働きかける「営業」が、成功を大きく左右します。
医療法人の中で営業を担う人材を育てることで、人間ドックの開拓だけでなく、近隣医療機関との連携や採用など、クリニックの成長に幅広く貢献できます。現場を知る看護師や医療事務スタッフにとっても、新しいキャリアの選択肢になります。船井総合研究所では、営業ツールの作成や目標設定、商談への同席など、クリニックの営業担当者を育てる伴走支援も行っております。
成功のポイント
✓市場の変化をとらえる:補助の拡充と健康経営の広がりで、内視鏡クリニックが人間ドックで力を発揮できる時代になった
✓補助の活用を前提にメニューを作る:健診+内視鏡を軸に、自己負担を抑えたメニューとペアコースを用意する
✓健康保険組合・健診代行機関とつながる:個人集患だけでなく、受診者を安定して集める仕組みをつくる
✓院内体制と営業体制を整える:オペレーション、受診体験、営業の3つを揃えて、継続的に選ばれるクリニックになる
よくあるご質問
Q.一般的な内科・内視鏡クリニックでも人間ドックは始められますか?
A.始められます。補助の拡充などで人間ドック市場が変わり、専門性の高いクリニックが選ばれる時代になりつつあります。
Q.MRIやマンモグラフィなどの設備がないと難しいですか?
A.すべての検査を自院で揃える必要はありません。自院で内視鏡検査を行い、近隣の医療機関と連携する方法があります。
Q.人間ドックの価格はどのように決めればよいですか?
A.全額自己負担を前提にするのではなく、健康保険組合などの補助を活用することで、受診者の自己負担を抑えられるメニューに設計することが重要です。
Q.受診者はどのように集めればよいですか?
A.ホームページでの個人向けの集患に加え、健康保険組合との提携や健診代行機関との契約、企業への健康経営の提案など、法人ルートを整えることが安定した集患につながります。
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