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企業情報
- 会社名 医療法人社団マザー・キー ファミール産院グループ
- 設立 2005年9月
- 従業員数 291人(2022年6月1日現在)
- 事業内容 産科・婦人科、産後ケア事業
7年で業績は約3倍。約22億の法人グループに成長
独自ノウハウにより医療とのバランスを取りながら産婦人科経営
千葉県の産院グループ「医療法人社団マザー・キー」。
5つの産科医院を分院展開し、それぞれで業績を上げ、2021年の売上は約22億円となっています。
人材難の業界で人材を充足
同グループが業績を上げている要因の1つが、人材採用・育成のノウハウ。
そもそも後継者不足に悩む産婦人科業界。日本の全医師数のうち産婦人科で働く医師は3.5%に過ぎないなど、医師や助産師などの専門職のなり手は決して多くありません。
さらに、同グループが展開を広げる千葉県は、10万人あたりの医療施設従事医師数が全国ワースト5位(それぞれ2020年)と厳しい環境にあります。その中にあって、同グループは人材を充足させ医療と経営を両立し業績を向上。結果として7年で約3倍という業績拡大につながっています。
世の中の社会インフラの一助として
しかし業績もさることながら、同グループの特筆すべき点は、その理念にあると言えます。同グループは「お産ができない地域をなくす」という想いをもって、世の中の社会インフラの一助になることをミッションとしています。そのために患者1人1人に寄り添い、地域コミュニティの中心となる産院にすべく様々に活動してきました。
患者に寄り添う姿勢の一例が「創痕が残らないお産」です。出産時には約70%の方が会陰切開すると言われます。切開なしのお産は、経験豊富な助産師や医師なしには難しく、また産院にとって効率がよいとも言えません。ですが、同グループは患者にとっての幸せを考え、あえて「創痕が残らないお産」を進めています。
「地域のお産を守る」
現在、ファミール産院の分娩数はグループ合計2,000超。県内1位の産院は1,500件で、グループ合計でこれを大幅に超える点でも、同グループの取り組みの確かさと地域からの評価の高さがうかがえるでしょう。
同グループはさらに2022年に県内の津田沼において開院を予定しています。患者にとって「ここで産んでよかった」「またここで産みたい」と思える、『しあわせなお産をしよう』というグループ理念のもと、医療と経営のバランスをとりながら地域のお産を守るためにも成長を続けています。
分院展開で地域と共に成長
2005年に千葉県館山市で杉本雅樹氏が開院したファミール産院(現・ファミール産院たてやま)からスタートした同グループ。
当時から地域のコミュニティの中核となるべく、母親同士の交流や助け合いを促すイベントや、成人の半分の年齢である10歳のときに、親への感謝などを発表する「2分の1成人式」活動や、子供が妊婦と触れ合う活動なども行っていました。
分院展開を2014年にスタート
そして2014年、誘致を受けたことからグループ2院目となるファミール産院きみつを開院。さらにグループ診療の重要性を鑑み、産院の運営支援を行う法人として、株式会社ソフィレを設立しました。
2015年には、千葉市になのはなクリニックと、産後ケアセンターなのはなフィフティーンを開設。2017年には医療継承の依頼を受け、グループ4院目を運営委託方式にてスタートさせます。さらに2021年にM&Aにて5院目がグループに。
地域コミュニティの中核として
地域コミュニティの中核になるための活動は分院展開後も変わりません。院内駐車場で、親子で参加できる餅つき大会では、同グループで以前にお産をした母親たちが集まり「お久しぶりです、子どもがこんなに大きくなりました」という言葉が聞かれるそうです。また、プロレス団体を呼んでプロレスを地域の人に見てもらうユニークなイベントには、地域の老若男女が集っています。
「産院は地域コミュニティの中核になれる」と強く語る杉本氏。
1院目で築き上げたノウハウや考え方を展開しながら、1万分娩を目指し地域で圧倒的な産婦人科グループとなるべく邁進しています。
自費美容メニュー等の業態付加提案及び 分院展開に欠かせない組織マネジメントのベース作り
船井総研では、トップである杉本氏の想いや、同グループの実状を把握し、寄り添いながらも、忖度無しのコミュニケーションと支援を行ってきました。
特に急速に分院展開を進めていった同グループにとって、大きな課題となったのが人材の採用・育成・定着でした。
組織採用提案・リーダー育成・マネジメント支援
先述のとおり、そもそも人材が乏しい産婦人科業界。2院目となるファミール産院きみつは、1院目の館山市から離れた土地のため、縁も知名度もなく、採用に苦労して、疲弊した現場からは退職者が出てしまう状況に陥りました。また、専門職ならではの業務へのこだわりもあり、組織マネジメントが難しいという課題もありました。
そこで船井総研は、現場運営会議にも参加し、採用提案、同時に、助産師・看護師とのミーティング、1on1面談、さらに組織体系の構築を支援していきました。
理念を伝え現場ごとに考えてもらう
また、人材育成では、診療面の知識技術はもちろんですが、理念の浸透も重要です。特にM&Aでは人材も引き継いでいるため伝える努力が欠かせず、さらに「しあわせなお産」という同グループの理念は患者1人1人の幸せが異なるため、画一的なサービスでは実現できません。
そこで、この点も踏まえ、院内委員会活動を立ち上げて院長とともにスタッフリーダー職が運営会議を通じて“患者様満足”について考える教育システムを導入しています。
結果的に、運営委託方式でスタートした4院目では委託前の年間分娩数400件から710件へ増加、5院目では12カ月目には600件を達成して、一定の評価を受けるに至っています。
また、専門職が不得意になりがちなマネジメントについても、管理職研修を行うことで、施設長、管理者などの、分院展開で核となる人材を育成し、組織力強化を図っています。管理職を増やすことは今後の分院展開にも欠かせません。現在、同グループの成長に必要な人材が育ち始め、各拠点で活躍をする体制が整っています。
Comment (医療法人社団マザー・キー ファミール産院グループ、理事長 杉本 雅樹 氏)
「船井総合研究所とは、16年来のお付き合いになります。まだ1院で“個人商店”という頃から船井流を勉強させてもらいました。
当時を思えば、それまで経験してきたセミナーやコンサルティングに比べ『結構な費用感だな』と思ったことも事実です。ですが、それ以上の結果が返ってきたという実感があります。
特に大変だった2院目の展開の際は『トップとして理念を変えないことの大切さ』を船井総研から学びましたね。船井総研は、会社を、社員も含めて幸せにしていこうという視点で支えてくれている気がしています。そこは自信をもってお勧めできる点です。
おかげさまで経営者同士の付き合いも広がり、私自身の考え方の成長にもつながりました。現在は300人規模の産院グループになり、“個人商店”ではなくなっています。そのため、現場やマネジメントでの目標共有のためにも、一生懸命、理念を浸透させています。
当グループはまだ“個人商店”に毛が生えた程度だと私は捉えています。今後も成長を続けて、本当の意味での、社会インフラになっていきたいですね。
コメント
安定的な経営をもって地域インフラの一助となる
ファミール産院グループ様の産院の展開には、お産に対する考え方や、その理念がグループ内で浸透し、人材が活躍していることもさることながら、経営の安定性もポイントです。
船井総研の財務チームからのファイナンス分析では「キャッシュフローレベルも高く、運転資金も問題ない」という結果が出ています。これにより今後も着実な展開ができるだろうことが考えられます。
圧倒的な産婦人科のグループとしての今後ますますの成長を引き続き支援して参ります。
編集協力:三坂輝
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