自法人の人事が果たすべき機能・役割①
初めは「自法人の人事が果たすべき機能・役割」の①です。先ほどの図の人事計画を立てるフェーズにあたるものになりますが、事業計画に紐付く形で人事計画を立てていることで計画的な採用活動を行っていくことが可能になりますので、人員過多や行き当たりばったりの採用を脱却できる形になります。一部事業所では人員過多になってしまう、退職者が発生してしまったから急遽採用といった行き当たりばったりの採用をしているような法人様も比較的多いと思いますが、そこからの脱却を図ることが重要な役割になります。どのぐらいのスパンで計画を立てるかというのは法人様によって様々だと思いますが、10年といった計画的なものだけではなくて、人事計画に落とし込む際に具体性に欠けるといったことも考えられるので、三カ年の中期計画のような形で立てることが好ましいかと思います。事業計画に基づき、いつ、どんな人が、どのくらい必要なのかを把握して採用を行っていけると良いと思います。
実態を把握するべき重要指数
計画を立てる際に留意していただきたい重要指標というものがございますので、ご紹介させていただければと思います。やはり実態に基づいた具体的なものであり、現実離れしていて理想的すぎないものでなければいけないので、こちらの項目は最低限押さえていければいいのではないかと思います。一つ目が離職率です。退職者が出てから採用を考えるのではなく、あらかじめ過去のデータから離職率を見込んでおきましょうということになります。二つ目は職種別採用コストになりますが、職種によっては難易度が高くて、コストが他よりも見込んでおかないといけないものがあると思いますので、そこは職種別に把握しておくと良いのではないかというところになります。三つ目は拠点別プランに関してですが、採用するエリアによって適正な手法が変わることも往々にしてありますので、法人全体だけではなく拠点別にまでしっかりプランを落とし込んでおくと良いと思います。四つ目が新卒中途採用数になりますが、こちらに関しては単純に新卒で何人、中途で何人採るという区分もしっかりとプランニングしておきましょうという形になります。五つ目が適正配置というものですが、こちらは配置次第では、実際は採用が必要ないというケースも往々にしてありますので、常に適正な配置であるかどうかを把握しておきましょうという形になります。これらの指標に対して実態を把握して未来の目標を立てる、理想を描きすぎないことがポイントになりますので、こちらを意識していただければいいのではないかと思います。
自法人の人事が果たすべき機能・役割②
次に「自法人の人事を果たすべき機能・役割」の②について解説していきます。こちらは自社の魅力訴求ポイント分析と、「採用コンセプト・ペルソナの設定」というフェーズにあたる部分です。人事採用において重要なポイントの一つ目として、選ばれる力というものがあります。ひしめく競合の中で自社を選んでもらうために、いかに自社の魅力を最大限伝えるかということが非常に大切になってきます。そのために、しっかりと自社の分析を行って魅力を洗い出すことや自社の採用コンセプトを定めて自社がターゲットとする人物像を明確にして、狙いを定めた訴求をできるようにすることが非常に重要になります。
次が「自法人の人事が果たすべき機能・役割」の③についてですが、こちらは「情報発信・母集団形成」のフェーズにあたる部分です。人材作用において重要なポイントの二つ目として、選ばせる力というものも挙げられます。そもそも自社の魅力が凄く溢れていても情報が求職者に届かなければ意味がなくなってしまうので、いかに選ばせる導線を作るのかが非常に重要になります。そのために、自社の魅力をいかにターゲットに伝えるかという導線を戦略的に行うことが求められます。
人材採用の方程式
こちらの人材採用の方程式という図を基に、より詳細にご説明させていただければと思います。先ほど申し上げた通り、企業が採用を実現させるためには選ばれる力、選ばせる力の両輪で回していかなければいけません。選ばれる力というのは訴求力、つまりは自社の魅力、商品力という部分にあたります。こちらは採用ブランディングとも言われる部分です。もう一方が選ばせる力ですが、こちらは母集団の形成をするための集客力の部分です。こちらは採用マーケティングと呼ばれたりもするものです。
たとえ話を交えて、より具体的なイメージを持っていただければなと思いますが、例えばラーメン屋があったとして、とても美味しいものとします。それでも集客力が無ければお客様を集めることはできないので、食べてもらえないということになります。一方で、集客をうまくできるラーメン屋があったとします。それでもラーメンが美味しくないとお客様は離れていってしまうので、結果的に店は潰れてしまいます。
これは採用においても同様のことが言えまして、魅力溢れる法人があったとしても、それに集客力が伴っていなければそもそも自社の求人を見てもらえないので意味がないです。逆に凄い集客ができて、たくさんの応募があって人は集まるのですが、商品力に欠けているとなると人は離れていってしまうので、結果的に採用、定着には結びつかない形になります。そのため人を集めるにしても、商品力と集客力どちらかが欠けていてもNGなので、こちらの人材採用の方程式にもある訴求力と集客力の両輪を回していきましょうという話になります。選ばれる力を強化するために、自法人の魅力の分析から採用コンセプトを明確にして、そして自社が採用したい人はどのような人なのかというペルソナ設定をしっかりすることで、惹きつけたい人への自法人の商品力を高めます。そして同時に、求職者に伝わらなければ意味のないものになってしまうため、選ばせる力を強化するためにはいかに情報の発信をして母集団を確保するのかという導線の設計を進めることが必要になってきます。これらの二軸で考えなければいけないのですが、それらを体系的に整理していくのは非常に難しいかと思いますので、体系的に整理していくためのツールとして次のジャーニーマップをご紹介させていただければと思います。
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