“感動”の改善実績が全国で急増中
ではまずはこのリハビリセンター事業の第一講座に入らせていただきますが、皆様こういったニュースを目にしたことはございますか。「利用者実績3,500名と急増!」ということで、テレビや新聞、各マスメディアなどでも取り上げられているような事業がこのリハビリセンター事業でございます。どういった取り上げ方かというと、保険内、つまり医療や介護のこれまでの事業だと改善しなかった脳梗塞で片麻痺になった方がこのリハビリセンターというところに行くと改善しましたよといったかたちです。その実態はというと、一番イメージしていただきやすいのはパーソナルトレーニングジムになります。パーソナルトレーニングジムですが、理学療法士や作業療法士が提供していて麻痺の改善に強いという業態で、いったいどういう業態なのかということで取り上げられています。このニュースは皆様、まだフレッシュなニュースだというところではないでしょうか。
全国で成功事例が生まれ続けている
その後、ある法人様が3,500人を達成したあと、この事業がどうなったかというと、全国都道府県津々浦々で成功事例が生まれ続けているというのが、ここ5年間の流れでございます。最初、それこそ2017年から2020年ぐらいまでは大阪、東京、福岡などの大都市圏で主にこの事業の立ち上げ、参入というのは行われている傾向がありましたが、2020年以降、21年や今年22年も含めて中都市、小都市と呼ばれるようなところ、いわゆる地方での立ち上げの成功事例も徐々に徐々に増えてきているといったトレンドの事業でございます。2017年では本当に数えるほど、20店舗程度しかなかったと記憶しておりますが、直近では全国200店舗まで5年で10倍に店舗数が増えています。「そういう今どんどん増えている事業なんだな」といったところでございます。
なぜこのような現象が起こっているのか?
なぜ、自費でリハビリを提供する脳梗塞の片麻痺の方を改善させる事業がこんなにはやっているのかと申しますと、それにはこのような日本の社会制度の現状がございます。こちら、向こう側から順に時系列になっているのですが、まず脳梗塞に代表される脳血管疾患があります。これにかかる方が毎年約30万人いらっしゃいます。そのあと脳梗塞になったら、もちろん病院でまずは一命を取り留める急性期と呼ばれるところになります。そのあと、回復期、病院に転院して、いわゆるリハビリをするわけです。ただ、病院には脳梗塞の人は何日以内に退院してくださいという制度的な決まりがあるので、病院から退院します。病院から退院したあと、社会の受け皿はどうなっているかというと、デイサービスやデイケアの高齢者向けの介護施設でリハビリをすることになっています。これが「今、脳梗塞などで麻痺になったら、もう年齢に関係なくみんなこのようにリハビリしてくださいね」という流れになっております。ただ、ここには2点、問題点がございます。なんとなくイメージがつくと思うのですが、まずは病院の退院期日が制度で決まっているということです。これはもちろん多くの方はここら辺までで改善するだろうという国の線引きではあるのですが、まだ改善できるのに退院してしまう人ももちろんいますし、「時間に区切りがある、私は頑張れるだけ頑張りたいんだ」という人は多いです。健常者の方が突然身体が動かなくなってしまって、改善のために制度にとらわれず頑張りたいという人は多く、ここにまずギャップがある、これが医療保険のほうの問題です。
そして2点目が介護保険側の問題です。病院では1日1~3時間、理学療法士や作業療法士というリハビリ職の人とマンツーマンでずっとリハビリを行います。これが病院のリハビリです。ただ、介護保険のリハビリというのは20分単位です。なので、人によっては急に6分の1や9分の1にリハビリの量が下がってしまったりします。こういった介護でのリハビリは医療でのリハビリと全然違うということに問題があります。なので、脳卒中になった方が経る病院、医療保険、そして介護保険、どちらの保険制度にも、やはりそこから「ちょっと違うな、あぶれちゃうな」という、制度から抜け出して抜け漏れてしまった人がどうしても一定数います。
なので、こんなにも利用者がこの事業に来ているのです。そういった、リハビリの行く場所がないよという人の受け皿として起こった事業なのです。
リハビリセンター事業の役割
なので、図にすると医療保険から介護保険という流れはあるのですが、そこにもう一つ、今回のリハビリセンター事業、言い方によってはここにあるように高収益型リハビリ事業と呼んだりもしますが、この民間が主導するリハビリ事業というのが立ち位置として明らかに存在しているといった次第でございます。
満たされないニーズ「リハビリ難民」とは
先ほど申し上げた説明をこちらのスライドに表しております。縦軸が身体機能で、横軸が経過年数です。脳梗塞になるとまず身体機能が著しく下がります。この白い線が身体機能の度合いです。図のように大幅に落ちて、まずは急性期と呼ばれるところで一命を取り留めるわけです。一命を取り留めたらその後、回復病院でリハビリをします。ですから、白い線の身体機能が徐々に上がってきます。ある程度まで回復をしたら、そのあとは介護保険で維持しましょうという流れになっているわけです。これが日本の社会保障制度が前提としているリハビリの在り方です。ただ、先ほど申し上げた2つの落とし穴、ここに「実は…」とそれぞれ書かせていただいております。
入院日数の減少
病院のほうは、期日が決まっているということです。さらに期日は決まっているのですが、できるだけ早く退院させたほうが病院さんのベッドの回転もできるということで、制度の日数まで満々行っていないのに退院させられてしまうという場合も増えています。平成8年では平均で4ヶ月いたのですが、平成28年の時点で3ヶ月しか平均で病院にいません。実態は制度よりもさらに短く退院させられてしまう方もいるといった内容となっており、現実としてあります。
病院と介護サービスのリハビリの違い
そして病院と介護保険サービスのリハビリの違いが介護保険の問題でした。介護保険では1回20分単位、しかも病院で見てくれていた理学療法士、作業療法士が必ずしもいるわけではないです。なので、専門家にマンツーマンで見てほしい人は病院を退院したら行き場所が実質ない、そういった状態が現状です。
脳梗塞の患者人口
そういったお悩みを抱えている方、こちら、復習です。脳梗塞に代表される脳血管疾患のある方は、年間30万人以上いるということです。そして、毎年30万人以上出て、もちろん麻痺が残って、一部の方はずっと患者としてカウントされ続けるので、累計100万人いるということになります。つまり日本では100人に1人がこういった麻痺を抱えて困っている状態です。困っている状態で、病院を退院したあと長時間、理学療法士、作業療法士からリハビリできる場所がなくて困っている人がこれだけいるということです。これが今の日本の社会問題となっていて、その名前がリハビリ難民問題などと呼ばれているといった次第です。
▼続きは下記からダウンロードいただけます