「食」業界における環境の変化
まず、食の業界における環境の変化というのを見てみたいと思います。やはり現状はコロナ禍ということでコロナ禍になって丸2年ほどではございますが、コロナの影響によって様々な物事が大きく変わっているかと思います。それとは別に以前からの傾向としてあったもの、例えば人口の減少やそれに伴うマーケットの減少、ライフサイクルの短期化です。それを牽引しているのがライフスタイルの変化や多様化という部分も大きくあるのではないかなと思っております。そして今の消費者の方というのはシンプルに何かものを購入した、手に入れたことよりもそこに至るまでの体験を非常に重視している傾向があると見ております。そういった意味でモノよりコト消費と書かせていただいている部分と、今はもう決まっているような未来としての人口減少、マーケットの減少といった部分も含めて変化への対応が必要な状況になっているかなと思います。そのため現状の取り組みの延長線上の中にはなかなか明るい未来が描きづらいという会社様も多くいらっしゃるというのが私どもの所感でございます。
そうした時にどこに向かって進んでいければ今後の経営をしっかりと持続的なものにしていけるのかを申しますと、船井総研ではツキの原理という言い方をしておりますが伸びているものの成長市場への参入をしていただくことが一点目でございます。
そして二点目の新しいマーケットサイズの付加というのはこれまで皆様の会社で取り組まれていなかった領域の商品・サービスを提供することでございます。
三点目はシンプルな売上という数字の規模ではなく、利益や付加価値というものを重視していただくことが求められる部分かと思っております。生産性の向上と言われて久しい状況でございますが、そういった形で売上規模よりも利益を重視していくという姿勢です。
そして先ほどのコト消費への対応という部分が四点目です。これらに注意していただきながら一つの可能性として思い切った、既存事業とは不連続な領域にチャレンジしていただくことが必要になっている環境ではないかと思います。そういった中でも事業ポートフォリオを様々な領域で業界・業種に組み込んでいただいて、経営も安定的なものにしていただくということでございます。
おすすめの新規事業
その一つとして、新規事業として我々がご提案させていただいているのがこのような内容になっております。私どものご提案としましては単品特化の専門店で特に成功事例が多く出ているのは観光地に出店していただくという形で、販促手法としてメディアやwebを活用した形でなるべく費用をかけないように実行しているというものでございます。
そしてこの店舗で販売している商品を店舗のみならず通販やEC、あるいは催事や卸しの出店のようにマルチチャネルで展開していくことをご提案させていただいております。
表題にもなっている単品スイーツの専門店ということで、用語の確認だけさせていただければと思っております。こちらは一言で言えばスイーツの製造直売を行う事業でございまして、商品を先ほどのように単品のカテゴリーあるいは素材に絞り込んで10坪程度の小型の店舗で実演工房付きでスイーツの販売を行う業態というものを単品スイーツ専門店と我々は呼んでおります。今日はたくさん単品スイーツ専門店という言葉が出てくると思いますので、その際にはこういった業態なのだなという認識を持っていただけたらと考えております。
船井総研サポートによるスイーツ専門店の展開
我々はこれまで単品スイーツ専門店業態を多くの都道府県で開発させていただいております。今は47都道府県中34と書かせていただいていますが、進行中のものも含みますとこの水色で塗られた日本地図ももう少し埋まってくるという状況でございます。本当に様々な業種の皆様のサポートをさせていただいておりまして、これまで50店舗以上の開発実績を持っておりますので、そういった部分の内容やこれまでサポートをさせていただいてきた知見も活かしながら本日のお話をさせていただければと思っております。
左下の表の本業の業種というところを見ていただくと菓子店さん4件というものがあるのですが、この業種・業態の特徴の一つは本業でスイーツ・お菓子作りをやられている会社様の参入が少ないと見ております。これは町のお菓子屋・洋菓子店・和菓子店さんなどを見ていただくとお分かりになるかと思いますが、商品の種類が非常に多いです。そういった方々にとって見ると、例えば今回のゲストの下呂プリンさんのように販売する商品を本当にプリンだけに絞ってしまう、そして追加のソフトクリームがあるくらいで勝負をするために商品を絞り込んでいくのが非常に怖いということもありますし、あるいはパティシエとして、職人として様々なものを提供していくのが職人の価値であると思われているところも多くございます。もちろん考え方はそれぞれでございますが、商品を単品に絞り込んでいくという点では異業種の方々のほうが圧倒的に多く参入していただいている状況でございます。
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