生産年齢人口の推移
早速講座に入りたいと思います。まずは現在の時流解説からさせていただきたいと思います。
こちらは生産年齢人口の推移グラフとなっております。皆様はご存じの通り日本は少子高齢化社会が進んでおります。それに伴って15歳から64歳のいわゆる働き手の世代である生産年齢人口の数もこちらのグラフをご覧いただくと分かると思うのですが、劇的に減少しているところでございます。今後10年間で約500万人以上の労働人口が減少するとも言われております。その影響でいわゆるシニア層や主婦さんなどの様々な価値観に合わせて働き方というものを推奨していく必要があると考えております。生産年齢人口が減少する未来というのはもう確定した未来になるという意識を持っていただきたいと思います。
有効求人倍率の推移
こちらが有効求人倍率の推移のグラフとなっております。皆様はもうご存じだと思いますが、有効求人倍率というのは求職者1人あたりに対して何件の求人があるかを示したものでございます。今は有効求人倍率が1倍以上の場合は求職者1人に対して採用したいという企業が1社以上存在している状態でございます。
こちらのグラフから見ても分かるようにちょうど昨年2021年12月の時点で有効求人倍率が1.15倍あたりとなっておりまして、要は求職者が企業を選ぶ時代ということで私たち企業は選ばれる力というところが非常に大切になってくることを意識していただきたいと思います。
今後起こりうるコト
今後起こり得るコトです。正社員とパート・アルバイトさんに分けてご説明をさせていただきたいと思います。
まず正社員のほうからですが、営業時間というのは昨年からも度重なる緊急事態宣言や休業要請などの営業時間の短縮が発生したかと思います。それに合わせて正社員さんの出勤日数や労働時間というのはかなり減少しました。いわゆる労働時間、日数共にホワイト企業化といいますか、今までとは違った過ごしかたをされた方が多くいらっしゃったかと思います。その影響で給料やボーナスが減少したという企業も全てではないと思いますが、中にはいらっしゃったかと考えております。
ちょうど昨年の2021年10月以降頃に新型コロナウイルスの感染者数が急激に下がったこともありまして、営業が再開して正社員さんの労働時間や労働日数が元通りになったり、あるいは逆に増加してしまったというケースが多々見られました。その影響で再びブラック企業化といいますか、再び重労働を経験して本当にこの会社に一生務めていていいんだろうかという疑問を考える方が多くいらっしゃいまして、退職を検討される方が増えたことで昨年の年末に全国の企業様で大量退職が多く発生しました。退職者が多く現れたということで、世の中が退職者で溢れて逆に採用しやすいのではないかと考えられる方もいらっしゃると思いますが、外食企業から外食企業に転職される方は意外に少ないです。外食業界から他の給与水準の高い運送業者、ドライバーさんであったり、いわゆる別のサービス業に転職される方というのはかなり多く見られました。その影響で正社員の採用というのは今後2022年以降にかなり難化、難しくなるのではないかと考えております。
そのあとパート・アルバイトさんに関してですが、同様に営業時間短縮、休業というのはあったかと思います。このコロナの影響でテレワークという自宅でもできる仕事が多く増えたり、大学の授業がリアルではなくリモート化したり、あとは学生さんで特に多いのですがアルバイトに行くよりも大学二回生、三回生から企業のインターンシップに参加する、要はアルバイトでは体験できないようなことが体験できる企業インターンに行くというケースが多く見られました。
飲食店のパート・アルバイトさんでは3割程度がリファラル採用といいまして、主婦さんから主婦さんへ繋ぐママ友の紹介だったり、学校の先輩後輩関係で紹介をしてどんどんパート・アルバイト採用を繋いでいくというケースが以前のコロナ前ではあったのですが、コロナの影響によって先輩後輩の関係が薄くなってしまったり、テレワークなどの異なった働きかたを見つけた主婦さんによってリファラル採用の減少が多く見受けられました。その影響でパート・アルバイトの採用が難しくなったと考えております。
次にご存じの方もいらっしゃるかと思うのですが、2020年10月から社会保険の適応範囲が拡大します。従業員が101名以上で500人までの企業に対して週40時間以上働いた学生以外の方、主に主婦さんに対しては社会保険の適応範囲となっております。この影響で恐らく大手企業さんは主婦さんを多く雇うことになりまして、いわゆる昼の働き手の確保が今後かなり難しくなってくるのではないかと考えております。
こういう背景から今後こういうことが起きるというところから考えますと、今後4月に入ってくる学生さんの確保、いわゆる新入生の高校1年生や大学1回生の確保がかなり重要になってくるのではないかと考えております。
現状の採用市場について
こちらのグラフが正社員とパート・アルバイト別にのの確保というところ1週間ごとの求人媒体の求人広告数を現したものになります。左側が正社員で右がパート・アルバイトなのですが、こちらから12月20日の週で、こちらが27日の週、そして多少空きまして1月3日からです。見ていただくと分かると思うのですが、1月の中旬以降から毎週求人数がどんどん伸びている状況になっております。今後2月のちょうど末から春にかけて更にこちらの求人数が増加するのではないかと考えております。
パート・アルバイトに関しても同様です。こちらの数字は昨年と比較しても約56万件以上、140.2%の変動率であると推移しておりまして、実は正社員の確保よりパート・アルバイトの確保のほうが今は競争率が高い状況となっていまして、今後もかなり競争率が厳しくなると考えております。
こういう状況からよりいっそう他社との差別化がもちろん大切になってきますし、いかにお客様や求職者の方に選ばれて発見してもらうかというところの大切さが分かってくるのではないかと思っております。
今後取り組むべき採用手法
こういった背景から今後飲食店はどのような採用手法に取り組んでいけばいいのかというお話をさせていただきたいと思います。
こちらの図をご覧いただくと分かると思いますが、STAGE1からSTAGE2、3、4と続いています。今は企業のSTAGEごとにどういう採用の取り組みをすればいいか、各段階に応じての優先順位やどういった取り組みをすればいいかというのをまとめさせていただいております。STAGE1からSTAGE4にかけて人手、人材が充分に集まっているというイメージです。ここで一度、現在ご参加いただいている皆様に自社がどのSTAGEに属しているかを考えていただきたいです。
まず一番上のSTAGE1です。こちらの場合ですと1店舗のシフトの充足率が60%以下ということで、イメージとしては店舗で常にアルバイトと社員が足りず、シフトの本数が毎日二本程度足りないため今すぐ緊急でパート・アルバイトが欲しい、補充採用をしたいという状況にある企業様を指します。こちらのSTAGE1の企業様は、まずはタウンワークさんやIndeedさんといった求人媒体の活用と自社サイトを活用したファストリクルーティングの導入が必要となっています。要は採用企業の広告をしっかりかけてまずは店舗の売上最大化を目指しましょうということでございます。
その次のSTAGE2の企業様はシフトの充足率が85%以下の企業様と書いてありますが、こちらはSTAGE1よりはまだ人はいるという状況ですが、アルバイトもしくは社員さんのどちらかが足りてないのではないかという段階の企業様でございます。
こちらの段階に入りますと脱求人媒体といいますか、まずは自社サイトだけのファストリクルーティングの手法で人をしっかり取り切りましょうという段階です。
続いてSTAGE3です。三つ目にいきますと1店舗のシフト充足率が85%から95%というところにあるといいますが、こちらの段階が店舗の人員が既に足りている状態の企業様でございます。この段階の企業様は今回セミナーにご参加されていないかと思うのですが、この段階に入れば実際に自社の採用サイトの活用と、リファラル採用を更に仕組化して進めていく段階になります。
そしてSTAGE4、最終段階です。こちらが飲食店さんの一番の理想形だとは思いますが、店舗の人は余っていると、更に紹介採用や社員登用の希望がいる状態で、要は人を選べる状態ですよということです。こちらの場合はリファラルリクルーティングを中心にしてどんどん仕組化をしていく必要があるかと思います。この段階に入れば新規出店のための事業計画作りなどを優先的に取り組むべきだと考えております。
本日ご参加いただいている方は恐らく多くがこのSTAGE1、今すぐ人が欲しい、アルバイトが欲しい、社員さんが欲しいという状況ではないかと考えております。こういった企業様は基本的にこれからの3月からの採用が難しくなってくるという背景も踏まえますと…