「頑張っても利益が残らない構造は必ず変えられる」と思っていたことが...ようやく実現できそうです
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企業紹介
長野県長野市に本社を構える同社は、創業から約36年にわたり「日本の美しい食文化を未来へ伝える」という理念を掲げて、保育園や幼稚園をはじめ病院や介護福祉施設への給食提供をメインに事業を展開しております。現在では売上87億円かつパート社員を含めた全従業員数が1,700名を超える規模へと成長を遂げて地域社会を根底から支える存在となっています。
事業全体の約90%をBtoBの給食事業が占める一方で、残りの10%は外食や小売りおよび自社の飲食店舗運営といったBtoC事業を手掛けており、給食を通じて子供たちの食を支え地域に貢献することを全社一丸となって使命として取り組んでいます。
関社長は約1年前に現会長から経営のバトンを受け継ぐ形で代表取締役に就任されました。
ご自身は栄養士の資格を持ち専門学校卒業後は大手給食会社で実務経験を積んだ後、全く異なる業界である出版社にてフリーライターとして活動し、2010年に同社へ入社したという多彩な経歴をお持ちです。
現場を知る専門性と外部の客観的な視点を併せ持つ新社長のもと、次の時代を見据えた新たな挑戦に向けて力強い歩みを進めている企業様です。
当時の課題
利益率ほぼ0%の事業構造的な限界
同社が船井総研に「10年ロードマップ」の策定を依頼したのは事業承継を目前に控えた時期であり、現会長が会社の未来を描くための重要な取り組みとしてプロジェクトを立ち上げました。
しかしプロジェクトを進める中で、会社として掲げた「売上200億円」という目標から現状を分析した際、給食事業が抱える利益が出にくい構造や、グループ全体の営業利益率が実質ほぼ0%であるという厳しい状況が浮き彫りになるという、大きな課題に直面することになりました。
受託給食というビジネスは社会的に非常に重要な仕事である一方で、慢性的な人手不足や労働集約型であるという特性から構造的に利益を生み出すことが難しく、さらにBtoC領域である直営の飲食事業においても赤字が続いていたため、現場のスタッフが日々懸命に努力していても、それが数字に結びつかないというもどかしい状態が続いていました。
関社長は現状では200億という目標を目指すどころか、足元の収益体質すら覚束ないという強い危機感を覚え、「未来を描くと同時に現状を打破するための道標も必要だった」と語ります。
支援イメージ
【全体戦略】
【BtoB事業】
【BtoC事業】
【組織体制】
「10年ロードマップ」策定の成果①
「給食会社」から「食のインフラ企業」への再定義と新事業の創造
ロードマップ策定プロジェクトを通じて同社は、外部の客観的な視点から自社の強みと弱みを徹底的に分析されることで、多くの気づきとパラダイムシフトを経験されました。
関社長は特に自分たちでも薄々気づきながら多忙な日々の業務から目を背けていた部分に、本気で向き合う必要性を強く突きつけられたことは、非常に大きな学びといい機会になったと語られます。
中でも特に印象に残ったのが、長年培ってきた「園の運営ノウハウ」を最大限に活かした新たな事業モデルの提案です。単に食材を調理して提供するだけでなく、定員割れに悩む幼児施設のサポートや、給食運営のコンサルティング事業へと事業領域を昇華させていくという方向性は、現実的かつ今後の大きな成長に最も適した戦略であると深く腹落ちするものでした。
またロードマップを描く過程で自社のアイデンティティを根底から見つめ直すきっかけにもなりました。
これまでは自らを単なる「給食会社」と定義していたものの、議論を重ねる中で「我々は給食を作っているだけでなく、食を通じて地域社会を根底から支える会社なのだ」という、いわゆる『食のインフラ企業』へと自らを再定義できたことは、今後の事業展開を考えていく上で極めて大きな意識改革をもたらしました。
「10年ロードマップ」策定の成果②
200億の目標が「一本の線」で繋がる霧が晴れるような確信
ロードマップを策定した際に関社長が最も感銘を受けたのは、これまで頭を悩ませていたバラバラの課題と「売上200億円」という遥か遠くに見えていた目標が、見事に「一本の線」として明確な道筋が示されたことだと実感されています。
【BtoB事業方針】
給食事業においては直営施設へのサポートを通じて、営業利益比率を段階的に引き上げていく計画や、既存の受託給食先における物販の販売強化に加え、補助金に依存しないハイブランド給食の展開や産婦人科や学童保育向けといった、手付かずの新規マーケットへの進出など多角的な戦略を提示しました。
【BtoC事業方針】
飲食事業においては単なるレストラン運営にとどまらず、既存店舗内でのスイーツバイキングやカフェ機能の強化に加え、遊具施設や観光農園といったレジャー施設を拡張併設し、人が集まる巨大な場を創り出すという「ビレッジ構想」が描かれ、長野市の人口や観光客を増やしていくという地方創生にも繋がる内容を提示しました。
さらに経営陣の心を軽くしたのが、完全委託プランの価格適正化です。
「頑張っても利益が残らない構造は必ず変えられる」という事実が、論理的な数値シミュレーションによって明確に示されたことであり、10年後に売上186億円で営業利益12%という着地見込みや、人材面でも現在の1,700名から倍の規模へと拡大するための採用育成計画が、根拠のある数字として落とし込まれた際に、関社長は「霞んでいた200億円が実現可能な計画へと姿を変え、目の前の霧が晴れるような感覚だった」と語られます。
10年ロードマップ策定後における変化
価格交渉の決断と「ブレない意思決定軸」の確立
ロードマップの策定が完了した直後に関社長は正式に代表取締役へ就任し、自分が必ずやり遂げなければならない約束であるという重圧を覚える一方で、この精緻な地図があるからこそ今後迷わずに走っていけるという絶大な安心感を得ることができました。
就任後の1年間において関社長は果敢に改革を推し進め、その最たるものが『価格改定』です。
BtoB事業における既存の園向けの価格交渉を進めた結果、ほとんどの取引先で金額の改定に成功しております。これまで「子供たちのため」という大義名分でコスト高騰分を自社で被り、うやむやにしてきた部分を適正な価格に改定したことで、会社の収益体質は現在着実に改善の道を歩んでいます。
この行動に限ったことではなく、ロードマップの策定によって「意思決定の軸」が明確化され、「これは自社の未来に繋がる行動なのか」という基準で判断ができるようになっただけでなく、会社が今どこに向かっているのかというビジョンの共有、浸透によって組織としても格段に成長しています。
今後の展望について
地域と社会に貢献する「食のコングロマリット企業」へ
経営において目先の数字を追う短期的な計画だけでは大きな環境変化に対応できず、持続的に成長し続けるためには長期の視点で会社の姿を描き、そこから逆算して「今、何をすべきか」を考えることが不可欠であり、今回のロードマップはそのための理想の地図であったと関社長は語ります。
同社がこれから目指す未来は単なる規模の拡大ではなく、給食における子供たちのアレルギー問題をなくし、ビレッジ構想を通じて長野市の人口を増やし、食とレジャーを通じて地域社会に多大な貢献をもたらす「地域コングロマリット企業」へと進化していくことが、関社長が自らに課した最大の使命だと決意されています。
今回掲げた「売上200億円」という数字は、あくまで通過点に過ぎません。
同社が目指すのは子供の成長や地域の健康、そして食文化の継承を担うなくてはならない『食のコングロマリット企業』です。長野の地から日本の食の未来を支え、新しい社会の「当たり前」を創り出す――その壮大な挑戦は、今確かな地図を手に歩み始めております。
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