DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
第1講座でお話させていただいたDXにおいてデジタル化にのみフォーカスされることが多いです。しかし、本来の目的は業務効率化は一つの観点ではありますが、二つ目の観点として新しい価値をどのように提供し、結果として業績を向上させることができるかがDXの考え方になります。こちらはパネルディスカッション時にお話しさせていただきましたが、webマーケティングが広がる以前の15年前と似た内容になっています。当時も様々な賛否が寄せられていましたが、現在は必要不可欠になりましたし、当時は選択肢は一つしかありませんでした。しかし、現在は様々なテクノロジーが爆発的に広がっている中で新しいものに挑戦し、変化しています。そのため、今回1番本当お伝えしたいことは挑戦しましょうということです。
DXとは単にデジタル化するのではない
その中でもデジタル化のステップは大きく四つのステップがあるとご説明いたしましたが、特にCXやその先のSXに広げていくことを見据えたうえで逆算的に設計することが大事になります。
パネルディスカッションから特に学びたいこと
今回のパネルディスカッションで特に皆様に持ち帰っていただきたいことの一つ目は、より付加価値の高い仕事をするためにテクノロジー及びデータを武器にしていくことです。今までのデータは一人か、もしくは共有される部分もありましたが、経験の中に暗黙として入っていたものからの逆算がありました。しかし、データを集約することが可能になります。そのため、組織としての相乗効果が出しやすくなる点が新たな付加価値になりますし、現在まで見えてなかったものが見えることによって提供できるものがございます。
二つ目は、成功させるためにはテクノロジー側に考え方を寄せることが重要になります。既存の業務にどのように存在している事業を当てはめるかではなく、新しいテクノロジーに対して業務をどう変革していくかを考えると結果としてうまくいきやすいので参考になればと思います。
次に、士業と企業の関係を近づけることができるか否かです。企業との接触機会を増やすこと特に企業訪問をされている法律事務所様や社労士事務所様が中心になりますが、多忙なので提供できるはずのサービスが提供できていない例も多数あります。そのようなことが起こらないように効率化できる部分は効率化や自動化を取り入れ、新しい領域を開拓する時間を作っていくということです。そこに通じる部分はありますが、テクノロジーを如何に使いこなしていくかが重要な観点になりますし、テクノロジーのお話なった際の現場からの反発はかなりあります。紙媒体の効率が良いという話やテクノロジーは本当に安全なのかの話など様々あります。
この中では、この後にも話をさせていただきますが、トップの判断で決意を持って進めていくことが大事です。よい未来を切り開く上で必要なものがテクノロジーにはあるため、挑戦していただきたいと思います。また、パネルディスカッションからも伝わってきたと思うため持ち帰っていただけましたら幸いです。
DXを実現する上で必要なこと
DXを実現する上で大きく三つの観点がございます。一つ目はマネジメントビジョンを変革させること、二つ目はサービスビジョン変革させること、最後の三つ目がDXの設計図自体を作っていくという大きな三つの観点がございます。
DXを実現する上で必要なこと:マネジメントビジョン変革
一つひとつご説明させていただきます。一つ目のマネジメントビジョンの変革の中で難しい部分としてテクノロジーを導入するだけでは変化はなく使う側の体制を変更しなければなかなか進まないということが挙げられます。逆に、マネジメントの課題解決の観点で考えてみると人材の流動性の観点が挙げられます。人材の流動性自体は今後も高い状況が続くと思いますし、さらに高まる可能性が高い現在においては流動することを前提にマネジメントや成長戦略を設計する必要があります。今までノウハウは人に貯まる仕組みになっていましたが、ノウハウをデジタルデータやテクノロジーに貯めていくことになるため真逆の戦略になります。今までは所属している人たちが如何にテクノロジーを使っていくかの話でしたが、テクノロジーで事務所の根幹的なデータを集めていくことになります。そうすることで分野ごとに流動的に人材を動かしていき、データも蓄積させていくことで人材の流動性が逆に事務所の強みになっていきます。
三つ目に本日ご紹介させていただきました「AI-CONPro」や「KiteRa」などのシステムは今ではどのようにデータとして効率を上げるか、何か入力作業がある程度減るということがベースになっていました。しかし、これらの本日紹介させていただいたものを含めて、新しい技術はテクノロジーに学習をさせノウハウを貯めこめる点が大きな違いです。今までのテクノロジーとの大きな違いはそこにあります。人に蓄積するものを機械に蓄積する時代になっています。あとは短期間にシステム自体にかなり大きな変化があります。本当に日進月歩で新しい機能が追加されていくわけです。その際に重要になるのはマネジメントビジョン自体を変えていく必要があるということです。
そして、最後のマネジメントビジョンのポイントについては現場の声から逆算して実行するケースはうまくいかないケースが多いです。理由は現場サイドの意見として既存業務だけでも精一杯なのに今までと異なる手法に切り替えて業務効率をいちいち落とさなければいけないのかという短期的な話になりやすいですからです。そのため、手法を変更する際にはトップダウン型でマネジメント戦略自体も変えていく必要があります。その中のステップの一つとして社長直下のチームを設立が挙げられます。特に大事になってくるのが行動して試してみて、デジタルの失敗も含めて経験をしていくことです。この手法はアジャイル型と呼ばれていますが、新しくリリースされた技術が現場に合うのかどうかを見定めテクノロジーに合わせて業務を進めていくことです。この辺りを現場に丸投げするのは失敗するケースが多く、現場サイドからすると何かしらの問題点を指摘してくるため、活用しないほうが効率的だという結論になるケースが圧倒的に多いと感じています。やはり、現場サイドとしては一週間から1カ月先を見据えながら業務をします。しかし、経営者としては3年から10年後を見据えてどのように事務所を変えてくかが大事になります。つまり、テクノロジーの波は以前のウェブサイトのように外すことにはリスクを伴うため、リスクを恐れずに挑戦しましょうということです。
そして、確実に一歩一歩進めていく中で・・・