ゲスト講座解説
先ほどのゲスト講座にて、杜若経営法律事務所の友永先生、岸田先生からのお話をお聞きいただきましたが、私の方からもゲスト講座のポイントをお伝えできればと思います。
まずはポイントを3点挙げさせていただくと、1点目がセミナー参加者の心をつかむという点です。こちら、友永先生と岸田先生は何度も言及されておりましたが、特に友永先生であれば「教科書にある話はしない」という話をされておりました。一般的な法律論や判例を話しても、他の先生のセミナーと同じで代わり映えしないですが、友永先生の場合はご自身の生々しい経験や体験を直接お伝えいただくことで参加者の方に興味を持っていただけるところがあるかなと思います。実際に「裁判官の反応もお話ししたことがある」という話を友永先生はされておりました。次に岸田先生です。岸田先生がお話しされた点としては、「セミナーは、分かりやすいだけではなく面白くといったところを重視している」というお話でした。これも繰り返しになりますが、法律論や難しい法律用語ばかりを使ったセミナーですと、経営者の方は聞きなれない言葉で疲れてしまうとか、やはり集中力も落ちやすくなってしまいますので、あえて難しい言葉を分かりやすく面白く伝えるということをすごく重要視されているというお話でした。面白いという点で、杜若経営法律事務所様は特徴的な取り組みをされています。私がお話を聞いたのが、労務のセミナーで大体20分ぐらい演劇をするフェーズを作り、演劇をお見せすると。弁護士の先生が役者となって劇をされるということで、それが好評ですごく分かりやすくありがたいですというお言葉をよくいただく、という話を伺っております。また、岸田先生が仰っていたのはご自身のキャラクターを弁護士ごとに作っていく、というお話でした。杜若経営法律事務所の弁護士の先生の皆さんはそれぞれのTwitterのアカウントを持たれておりまして、それぞれで発信をされていますけれども、やはりご自身、一人一人がブランド作りやキャラクター作りをされている、というお話でした。経営者にとっても合う弁護士・合わない弁護士、弁護士に限らず合う人合わない人はいらっしゃるかと思いますが、やはりそういった相性みたいなものも大事だと考えられているということでして、相性の合う弁護士とですね、セミナーを聞いた時に、この先生とお付き合いしたいなと思っていただければいいといったところで、事務所としてもちろん全体のブランドがありますけれども、個人個人としてキャラクターを出していくということはお伝えしているというお話があったかと思います。
2点目が経営者のニーズの理解と対応というところでして、杜若経営法律事務所様であれば労務に専門特化されているということで専門性はもちろんですし、その専門性が尖っているからこそスピードも早く対応できるということで、そのあたりが経営者のニーズに刺さってきているのかと思います。また、これは岸田先生が仰っていたかと思いますが、結論だけでなくどんな選択肢が他にあるのかを提示してあげるというところです。やはり、一つの話だけですと不安な思いをされる経営者の方も、「複数の案があって、私の考えはその中でもこれですよ」と伝えてあげると選びやすいですし納得感を持ちやすいということで、そのようなことを意識されているというお話でした。また対経営者ということで、お金に換算して伝えることも大事にされているというお話もありました。
3点目のポイントですけれども、3点目は圧倒的なアウトプットというところです。情報発信媒体と書かせていただきましたが(講演録にて実際のスライドをご覧いただけます)、杜若さんはセミナーも何十回とやられているという話もありましたし、あとは先ほどお話ししたTwitterなど、その他SNSも含め、あとポッドキャストやメルマガ、ニュースレターといったところまで、様々な活動をされていらっしゃると思います。例えばセミナーで言えば、頻度にしても週に落とすと大体1、2回講演していただいていますし、それに加えて書籍やニュースレターの執筆ということで、かなり積極的にアウトプットされているというところがあります。そこが事務所の知名度、または弁護士個人の能力の向上に繋がっていると考えております。
そのような取り組みを含めて、顧問獲得において重要なスキルということですけれども、こちらは第一講座でお話をさせていただいた内容ですが、②と⑤で差が出るよという話でしたが、そこをしっかり実現されているのが杜若さんかなと思います。
実際に②の経営ニーズの理解力といった部分に関して、実務経験が何よりも重要だというお話をされていました。弁護士は1年目から顧問先を大体20~30社はつけるという話がありましたが、若手のうちから経営者と直接触れ合う経験をさせていることで実務経験も早く溜まっていく、すなわち経営ニーズの理解力も高まっていくというような取り組みになります。また、セミナー時の反応やアンケート結果やパートナーからのフィードバック、または顧客からのフィードバックといったところからも経営ニーズへの理解力を高めていらっしゃるというお話でした。特に友永先生が仰っていたのがセミナー時の反応です。最初のセミナーの時にすごい大失敗をしてしまったという話があったかと思いますが、そこで得た反応や気づきのようなものをその後のセミナーに活かしていただいて、そこが経営ニーズへの理解力を高めるタイミングだったかと思いますので、そういったポイントをしっかり押さえていくことが大事かなと思います。本日お聞きいただいている先生方の中には、まだ企業法務であるとか顧問対応の実務経験をあまりされてないよという方もいらっしゃるかと思いますが、そういう方はこの後、今日私の講座でお話をさせていただきますマーケティングのところで経営者との接点を増やす取り組みをしていただければと思いますし、実務経験がある程度あるよという先生方は2番目以降のセミナー時の反応ですとか、他の方々からのフィードバックを大事にしていただければなと思います。
次の提案力に関しましては、先ほどお伝えした実務経験の体系化ができていれば自信を持って提案できるということで、そこが非常に大事なポイントかなと思います。体系化をするためには、まずセミナーやニュースレターも含めアウトプットを繰り返していって、そのアウトプットからの反応を見てフィードバックから改善を図っていくというサイクルを繰り返すことによって体系化できるのかなというところになりますので、このあたりは本当に繰り返していくことが大事になってくると思います。
持続的に顧問獲得ができている先生方の取り組み
ここまでゲスト講座の杜若様のお話をさせていただきましたが、ここからは他にも持続的に顧問獲得ができている先生のインタビューをさせていただいておりますので、ご紹介させていただきます。
弁護士法人よつば総合法律事務所の村岡先生にお話をお聞きしました。よつば総合法律事務所様に関しては顧問先が大体350社ぐらいいらっしゃいまして、村岡先生に関しましては毎年15社前後の顧問を獲得されていらっしゃいます。6年目の時点で53社の担当顧問先を持たれているということで、素晴らしい実績だと思います。村岡先生が意識されていたところとしましては、弁護士1年目、弁護士の司法試験に受かった初日から、とにかく仕事を取るためには自身のブランディングをしなければいけないと思っていたと村岡先生はおっしゃっていまして、実際によつば総合法律事務様の村岡先生の弁護士紹介のページをご覧いただければ分かるのですが、本当に講演実績、執筆実績、自身の解決実績が網羅的に記録されておりまして、すごく自身のブランドを意識されていることが伝わってくるかなと思います。それを実現するために村岡先生が意識されていたところは、やはり経営者と話す機会というのはすごく大事にされていたというお話でした。特に経営者さんとの気軽な雑談みたいなものを大事にされていたという話を伺っていまして、そのため経営者との接点を構築するためのセミナーであるとか、それと原稿の作成を含めたアウトプットの機会というのはすごく増やされていたということになります。
ゲスト講座解説
ここまでは杜若さんとよつば総合さんの話をさせていただきましたが、両事務所に共通するのはやはり領域を限定することで効率的な知見やノウハウを取得しているということや、十分な実務経験を持たれているというところだったかと思います。その上でしっかりアウトプットをしていくことが大事だというお話でした。実際③から⑤のアウトプットの部分に関しては、マーケティングの施策や組織体制を充実させるといったことが大事になってきますので、まずは正しい方法でのマーケティングから接点創出の最大化といったところを目指していただければなと思います。
ここからはマーケティングのお話に入っていければと思いますが、今回のマーケティングで接点を創出するためにはWEBとセミナーとチャネルといったところが大事だというところが挙げられます。その中でも今回はWEBとセミナーという2点に注目してお話をさせていただきます。
顧問獲得力を身につけて顧問を獲得するためのアクション
何故、WEBとセミナーのマーケティングにこの二軸が重要なのかということですが、まず、ニーズが顕在化している緊急性が高い案件というのはホームページから来ます。一方で、ニーズが潜在化しているようなもの、緊急性もあまりないようなものは、実際にセミナーなどでご参加いただくといったところが可能性は高いです。そういった面で考えますと、経営者との接点を持つためには、ホームページとセミナーはどちらも重要です。片方だけであれば残りのほうがチャレンジできなくなってしまいますので、そこは非常にもったいないなというところでどちらも取り組んでいただくことが大事になってくるかなと思います。
アクション①WEB
こちらはWEBマーケティングの全体像ということで書かせていただいておりますが、ここでは特に押さえておくべき要素を二つに絞ってお話をさせていただきます。
まず1点目が業種特化・分野特化の訴求というところ、2点目が弁護士個人の実績の訴求という点になります。
まず、業種特化・分野特化の訴求ですが、分野特化とそれぞれの業種×分野特化といったところの比較を載せさせていただいておりますが、まず企業法務に取り組むとなった場合は、何かに特化していく必要があるという話になります。先ほど第一講座にもありました通り、企業法務の業界というのも昔と比べるとなかなか顧問を取りにくくなってきていますので、分野特化ないしは業種×分野特化というところで絞り込んでいくことが他事務所と差別化を図って問い合わせを繋げるポイントになってきています。その中でまず取り組んでいただきたいところが分野特化、特に労務問題に特化したところになるかなと思います。労務問題というのは全業種共通の課題になりますし、どのような企業さんも悩まれているポイントかと思うので、そこをまずクリアするというのが大事かなと思います。その他にも、最近は会社法特化や景表法特化といったような分野特化を進められている先生方も出てきております。ここで労務特化も取り組む先生が増えていきますので、特に都心部や東京都内といったところになってきますと、それだけでは顧問を獲得できなくなってきています。そのようなエリアの事務所に関しては、業種×分野特化など、より絞り込んでいくことが大事になってきます。ここで挙げさせていただいているのは医療業や不動産業の労務問題といったような形で、縦軸横軸それぞれで重なった部分に対してアプローチをしていくということになります。
分野・業種特化を進めていく場合、企業法務サイトをもたれている事務所さんであれば、まずは企業法務サイトの中に分野や業種の特化ページを作っていく、ないしはランディングページ、LPを作っていくことが有効です。そして、分野・業種特化のコラムや事例が集積してきた後、分野特化・業種特化のサイトを作っていくといった流れで成長ステップを踏むことにより、効率の良いマーケティングができていきます。
一方で、まだまだ企業のサイトを持たれていないという先生方もいらっしゃると思います。事務所サイトしか持ってないという先生方に関しては、事務所サイト内で分野・業種特化のコラムや事例が集積してきた後、企業法務サイトを経ずに、分野・業種特化のサイトというものをしっかり作っていくという方向性が良いです。やはり今の時代…
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