オンラインセミナー顧問開拓の全体像
まず、第1講座から第3講座の中でもお話をさせていただきましたが、改めてオンライン顧問開拓の全体像についてお話させていただきたいと思います。オンライン開拓の全体像としては四つありまして、一つ目が顧問開拓の戦略立案の実施、二つ目がオンラインセミナーの集客の最大化の実施、三つ目がアフターフォローの効率化、四つ目がクロージング率の向上です。こちらの四つの観点からオンライン顧問開拓を成功させるために必要なことをご説明させていただきます。
はじめに顧問開拓の戦略立案からお話させていただきますが、大きく言うと顧問開拓の戦略立案は、どういったターゲットに対して、どういったセミナーを実施しているのかという最初の作戦の部分になります。
戦略立案-最大の敵は“日常業務”
まず戦略立案の部分で非常に重要なことをお伝えします。このオンライン顧問開拓の戦略立案においての最大の敵は日常業務です。われわれも複数の法律事務所様にセミナーを実施していただいていますが、その中でオンラインセミナーの開催ができない一番の要因が日常業務に忙殺されることです。顧問対応や訴訟対応などでそれぞれクライアントとのやり取りがあると思いますが、そのような日常業務に忙殺され、いつかやろうと思っていてもなかなかセミナーを開催できないケースが非常に多い状況です。
したがって、確実にセミナーを実施するためには、まず開催日程を先に決定することが非常に重要になります。これは意外と盲点になりやすいですが、どんなセミナーをやるか、誰を対象にやるかよりも、まず先に開催日程を決めてしまうのが非常に重要になります。
戦略立案-まず初めに開催日程を決める
そして、理想的な開催日程の日取りというのは、セミナーの準備開始時から約2か月後です。今回の場合ですとセミナーを実施させていただいているのが8月になりますので例えば、8月から準備をする場合10月初旬から中旬の2か月後がベストな時期になります。
なぜ2か月後かと言いますと、誰を対象にするか、どういうリストを対象にするかのセミナーの企画の部分から集客の開始まで、例えばDMを送付するのであればDMの送付準備、それからFacebook等の広告を始めるのであれば広告の準備等があると思います。なので、企画から集客開始まで約1か月見ておくと余裕をもってセミナーを開催することができます。
そして、集客から講座準備といいますか、これはもう実際のセミナー日になりますが、大体集客の期間としては、1か月がベストと言われています。このオンラインセミナーの場合はリアルのセミナーよりも非常に参加しやすいので、集客期間は少し短くなっています。リアルのセミナーの場合、集客期間は大体1か月半ほど必要とされていましたが、オンラインセミナーの場合では約1か月あれば十分確保できているという状況です。
そして、集客をしている間に、講座の準備をしていただき、これが約1か月になりますので、セミナーの準備を始めてから約2か月後のセミナー開催がベストのタイミングになってくると思います。そして、これは開催日程ではないですが、セミナー後の2週間の期間をアフターフォローの期間として設けていただきたいと思います。
実際に2週間まるまる空ける必要は全くなくて、余裕をもったスケジュールをセミナー後に取っていただきたいです。例えば、セミナーのあとに打ち合わせや裁判期日などが入ってきてしまうと、セミナーで温度感が高まって、面談をしたいというクライアントがいてもなかなか面談の日程を取ることができないので、セミナー後の2週間は、少し余裕をもって何も予定を入れない日を設けてセミナーのフォロー期間を確保していただけるとより効果が最大化できると思います。
戦略立案-次にセミナー対象を決定する
そして、開催日程が決まったあとに決定するのはセミナーの対象になります。セミナーの対象は、ターゲットをより明確にすることが非常に重要になります。例えばゲスト講師の弁護士法人フルサポート様の場合は、社労士事務所さんと一般の企業さんがターゲットになっていますが、それぞれターゲットを分けてセミナーも実施している状況です。なので、様々な企業さんや社労士事務所さんを全てまとめたターゲットの設定をしてしまうと、セミナーの訴求ポイントや講座の内容がぶれてしまうのでセミナーターゲットを明確にしていただくことが非常に重要です。
そして、その目的によってセミナーの対象が変わってきます。例えばセミナー後すぐに顧問を取っていきたい、一般企業に紹介ルートを作るなどではない場合は、一般企業を対象にする必要があります。そして、長期的に例えば紹介ルートの確保や外部講師の招致や例えば支部での講演、研修等を狙っていきたい、そして社労士に知名度を高めて紹介案件を発生させたいと考えている場合は、社労士事務所を対象にします。このようにそれぞれセミナーの対象は目的によって異なってきますので事務所としてどういう方向に進みたいかを念頭において対象を決定していただく必要があります。
戦略立案-リストの収集方法
セミナーの対象が決まりましたら、リストの収集をしていきます。リストの収集というのはセミナーの開催において非常に重要な要素になっていて、リストの対象が正しければ8割方成功するだろうと言われていますし、リストを活用した戦略立案は後々の反響率に大きく影響してきますので、ぜひここは怠らずに実施していただきたいと思います。
例えば、社労士事務所さんを対象にするセミナーを実施する場合は、該当する地域の社労士会名簿をリスト化することができますので、この名簿を参照して郵送先のリストとしてリストアップしていただくことができます。
社労士会のホームページの名簿では、例えばその地域に何名社労士がいるかということも出てきますので、例えば「ちょっとこれじゃ対象が少ないな」という場合は、対象の地域を広げていただいて、逆に多すぎる場合は狭めることもできますので、社労士事務所を対象にする場合は社労士会の名簿を参照していただいて、対象地域の社労士人数を把握していただくことが重要になります。
そして、一般企業を対象にする場合は、信用調査会社からリストを購入することが一般的になります。信用調査会社は例えば東京商工リサーチさんや帝国データバンクさんなどがありますが、いろいろと条件を設定することができます。例えば「3期連続黒字の企業」というような条件を設定することができますし、例えば業種、従業員規模や代表取締役の年齢といったところでも条件を設定することが可能です。
例えば自分としてはこういうターゲットの会社と付き合っていきたいという明確な像がある場合は、それに合致するリストを信用調査会社から購入していくのがベストの手段になると思います。価格としては大体、1社10円から30円ぐらいの費用で購入することができます。セミナーは複数回実施することが見込まれますので、最初に名簿を購入することが非常に重要だと思います。
そして、その他、知人の経営者や業界団体の協力を得て、セミナーDMの配布地域の対象を広げることも可能ですので、セミナーの開催が決まって対象が決まったときに、業界の知人の経営者さんや業界団体の知人がいないかを改めて整理していただいて、ご協力いただける方がいらっしゃれば、積極的にご協力をしていただければと思います。これで対象が決まりましたら、次にセミナーのテーマを選定していきます。
戦略立案-セミナーテーマの選定
セミナーのテーマ選定につきましては、第2講座、第3講座の中で、お二方がおっしゃっていましたが、やはり法改正のテーマというのは、社労士事務所さんに対しては非常に有効なテーマになります。これは一般企業さんも非常に重要ですが、やはり最前線に立っている士業の皆様は法改正を非常に気にされておりますので、より反響率等も高くなっていきます。
そして、社労士事務所を対象とした場合は、法改正や最新の判例に準拠したテーマが非常にお勧めです。例えば高齢者雇用や障害者雇用、同一労働、同一賃金、残業代請求対応です。残業代請求対応は特段法改正に絡んでいるわけではありませんが、今後の民法改正による残業代延長もありますので、そのような部分から残業代請求対応は社労士事務所さんに対しても非常に有効なテーマであると言えます。
そして、社労士事務所さんを対象にする場合は、より専門的な知識が手に入るような訴求をしていただくことが非常に重要ですので、「しっかりと最新の判例に準拠して解説します」というような打ち出しを実施していただくと非常に良いかと思います。
そして、一般企業を対象とした場合は、われわれとしては労務に絞り込んで経営者の悩みを解決するテーマが良いのではないかと思っています。労務に絞った理由としましては、やはりどの企業も共通して労務の問題が発生しますので、業種によらないということが非常に大きいです。どのような地域でもやはり企業数は一定程度ありますから、その中で対象をいかに広げるかというお話をすると、労務という普遍的なテーマを扱うことで対象を広げることができるわけです。
そして、そのテーマの中で、一般企業を対象とした場合、先ほどの社労士事務所様に対するテーマとは少し異なってきます。社労士事務所さんの場合はもともと、労務の知識が前提としてあるテーマ選定になっています。ただ、経営者の場合はもちろん労務に関する知識が一定程度ある方も多いとは思いますが、やはりそこまで精通していないというのが一般的な部分かと思いますので、よりテーマとしては簡単で分かりやすい内容が重要になってきます。
そして、一般企業を対象とした場合は、例えば問題社員対応が挙げられます。これは非常に多くの事務所様で取り組んでいただいていまして、反響率としてもほかのセミナーより圧倒的に高くなっている状況です。問題社員と言わずとも、やはり社員の問題で悩まれている経営者さんが非常に多いですので、そこの悩みを解決できるテーマ選定、それから解雇退職勧奨です。これは問題社員の対応に少し関係してきますが、このようなテーマも非常に反響率としては高くなっています。
残業代請求対応、それからハラスメント対応などのテーマも・・・