IT導入補助金とは?
では早速内容ですが、まずIT補助金の事業概要について簡単に触れさせていただきます。IT補助金は中小企業、小規模事業者様等、自社の課題やニーズに合ったITツール、ソフトウェアですとかサービス等も含まれますが、こちらを導入する経費の一部を補助して皆さまの業務の効率化、売上のアップをサポートするものになっています。
自社の置かれた環境から強み弱みを認識、分析して把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで業務の効率化、売上アップという経営力の構造、強化を図っていただくということを目的としています。ご注意いただきたいのが補助金は申請すれば補助が必ずされるものではなくて、審査を受けてから取得ができるものですので事業外力を理解して実施する必要がありますので、我々が単純に生産性を上げたいから、ITツールを使いたいからと申請するだけでは申請、採択が受けられない可能性もあります。
ですので、申請に通るためのポイントを必ず押さえておかなければならないわけですが、そのポイントは申請するITを使って事務所がどう生産性が向上するのか、今ある課題に対してそれをどう改善していくかの事業戦略が描けているかどうかが重要になってきます。
そしてこちらが補助対象のお話ですけれども、昨年との違いで特徴的なのは低感染リスクビジネス枠が無くなりまして、通常枠の他、デジタル化基盤導入類方と複数者連携IT導入類型の3種類になった点です。この中で士業事務所様の業態に沿う枠ですと、通常枠のB型でございまして、本年度ですと2分の1の補助率、300万円を上限に150万円まで支給いただけるものになっていますのでかなり大きいと思います。
IT導入補助金に向けて
ではまず気になることとしまして、実際の採択率のお話ですが、去年の採択率をまとめたものが公開されていますのでデータとしてスライドに載せています。こちらがA型からD形の中で対象になっていたのが、B型でしたが、少し数値が小さいのでお手元の資料で確認いただきながら見ていただきたいと思います。やはり1次が高くて弊社ですと昨年は2次の申請サポートからさせていただいていましたが87%とかなり高い数字となっていましたが、見ていただくと2次、3次と段階が進むにつれて少しずつ採択率が落ちている傾向にありますので、今日のセミナーを聞いていただいてITツールを導入したいと思われた方はお早めに支給枠の大きい段階からご検討いただくことをお勧めしております。
ご参考までに2021年度の採択例のイメージはこのような感じでございまして、こちらも合わせて御確認いただければと思います。
そして、交付申請までの流れについても簡単にこちらのスライドに表でまとめさせていただいていまして、スライドで言うIT補助金事業者が弊社になります。企業様の申請の準備段階からサポートさせていただきますので、補助金の申請が初めてでご不安な事務所様もご安心いただければと思います。
それで、なぜ今日はIT補助金という切り口で弊社がお話をさせていただいているかと言いますと、先程述べたように生産性を上げていく上で事業戦略が重要ですとお伝えしていました。そういった意味で生産性を上げるコンサルティングをした上で事業に沿ったサポートをしていくのが今回の事業戦略と非常によくマッチしているので今日このようなテーマでお話をしているわけです。
司法書士業界の課題とその解決策
まずはキーワードとして高齢化が進んでいることが挙げられます。資格者さんでも大体50歳以上が7割超えの業界なので、非常に高齢化が進んでいると言えると思います。さらに日本全体を見渡しても高齢化が進んでいるのは紛れもない事実なので超超高齢化社会ということは皆様もご承知の通りだと思います。
二つ目がそういった煽りを受けて市場が徐々に徐々に縮小しているということです。これは司法書士業界に関わらず色々なサービスでもそうだと思います。先程触れさせていただいた不動産業界や自動車業界においても若者が徐々に徐々に減っていっていますから、家を建てる人も減っていっているわけですし、車に乗る人も徐々に徐々に減っていっているわけです。一言で言いますと日本全体の市場が縮小していく、燦燦たる状況でこれから伸びていくマーケットがかなり限られてしまっていることが言えると思います。
そしてこちらにまとめさせていただいている通り、日本の人口は減少局面を迎えておりまして、2060年には総人口が9,000万人を割込み高齢化比率が40パーセントに近い水準になると推測されておりますのでかつてない少子高齢化へ確実に向かっています。
なのでこういった状況を鑑みると我が国にとって少子高齢化による供給制約を克服していくことが大きな課題ですし、その為に資本投入増加に加えて一人一人が生み出す付加価値を上げていくこと、即ち労働生産性の向上が必要不可欠になっています。徐々に徐々に働き口が減って労働力が限られていく中で、生産性を上げる仕組みを整えていくことは持続的な成長を目指す上では必須の事項と言えると思います。
司法書士業界がとるべき戦略とは?
では具体的に司法書士業界に当てはめて考えてみる事業戦略とはどんなものなのかを見ていきますと、キーワードとしては脱登記依存、脱アナログ体制になります。日本の市場が徐々に縮小していく中で、唯一伸びていると言ってもいいのが高齢者マーケットですので相続マーケットへの本格参入、登記案件に依存し過ぎない事務所体制は考えるべきですしお客さまとの接点を点ではなく面で捉えていく上で持続的なサービス提供の一つとして相続の手続きや生前対策までリードを持っていくことは必須だと思います。
そして今日のメインテーマに通ずる脱アナログ体制についてはスライド左側の薄い青の引き出しにあるような状況は必ずどこか当てはまっているからこそ今日のセミナーにご参加いただいているのではないかと思いますが、事務所の成長を止めている根幹に管理体制、業務状況のブラックボックス化や、紙や口頭ベースでの指示出し、二重入力等々ニュアンスや勘に頼る経営をしていると必ず一定のところで頭打ちになってしまいます。
資格者依存の業務処理体制からの脱却が必要になるわけですけれども、最初の取り組みステップとしては業務フローを可視化してスタッフでも対応可能な業務を明確に定めることが大切です。こちらも単純に決めるだけでは実行ベースまで落とし込む際にムラが出てきてしまいますのでシステムと絡めることで確実に仕組みとして落とし込んでいくイメージです。この辺りは後述の事例と絡めて改めて確認していきます。
そして、生産性を上げていくという少し抽象的な表現ですので改めて定義をしますと、改善アプローチとして挙げられるのはこの2点になります。一つ目が労働時間を変えずに粗利益高(売上)を増やすアプローチと、もう一つは粗利率を変えずに労働時間を減らす取り組みです。双方もしくはどちらかを改善できれば生産性が上がるというイメージになります。
司法書士業態に沿って見ていきますと、売上を上げる取り組みと工数を削減する取り組みの形に分けられまして、それぞれの取り組みに対して実施すべきことにつきましては売上を上げる策で言いますと新規でお客様を集めなくても既に繋がっているお客様に対してアップセルを目指す、例えば遺産整理や民事信託といた高単価商品の受任を最大化させることや、連続購買をしてくださるリピーター客を取っていくクロスセルを最大化させることもそうですし、工数削減の観点で言いますと今はベテランスタッフの方や熟練の方の勘に頼ってしまっている業務フローを事務所として最適なものに明文化及び可視化してマニュアルとして整備をしていくことも必要です。少し語弊があるかもしれませんが誰にでもできる業務処理体制を作っておくことでスピードアップもそうですし属人的な体制からの脱却も目指すべき事務所のあり方として考えております。
このような事務所体制を実現していく上で少しご紹介させていただきたいのが、船井ファストシステムという商品でして、こちらの商品はサイボウズさんという会社とkintoneというツールを弊社がサイボウズさんと連携を取って司法書士事務所さん用に開発したものになっています。こちらを導入する上でIT補助金を活用していただくのが今回のセミナーの趣旨になっています。既に約50事務所様ほどにこちらのサービスをご利用いただいているわけですけれども、では船井ファストシステムにはどんな特徴があって・・・