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企業紹介
株式会社アイーナホーム様は2012年の設立以来、北海道において不動産ビジネスを展開されてきた地域密着型の企業です。
当初は従来型の不動産売買を事業のメインに据えてスタートを切られましたが、時代の変化とともに地方都市特有の課題、いわゆる年々深刻化する人口減少と、それに伴う「空き家問題」に直面することになりました。
取り扱う物件の老朽化が進む中で、古い建物をそのままの状態でお客様に引き渡す、いわゆる「右から左へ流通させるだけ」の従来のビジネスモデルでは、市場のニーズに応えきれず、事業としての持続性も困難になりつつあると山下社長は感じておられました。
そこで同社は、買い取った古い物件に新たな付加価値をつけてお客様に提供する「リノベーション事業」への本格的な参入を決意されます。
この大きな事業転換の根底にあったのは、山下社長の地元に対する思いでした。
かつて他の不動産会社での勤務を経て、40歳を過ぎてから故郷である北海道へUターンされた山下社長は、年々人口が減り空き家が増加していく街の現状に強い危機感を抱かれたといいます。
「自分が生まれ育った地元を良くしたい。古くなった物件に再び命を吹き込み、次世代へと引き継ぐことで、この街を維持し、継続させていきたい」。その強い使命感が、同社を不動産仲介業から、地域の未来を創る総合不動産業へと飛躍させる原動力となりました。
現在では創業の地である函館から札幌へと拠点を広げ、売上高は20億円を超える規模へと見事な成長を遂げられており、地域社会の課題解決とビジネスの成長を高い次元で両立させている同社の取り組みは、地方創生の一つの理想的なモデルと言えます。
当時の課題と船井総研の選定理由
明確なKPI提示と成功事例の視察
同社が船井総研を選定したのは、このリノベーション事業へ本格的に舵を切ろうとしていた時期でした。
不動産売買の経験は豊富であったものの、自社で物件を買い取り、企画・設計から施工までを手がけて再販するリノベーション領域は、同社にとって未知のビジネスモデルでした。
そこで船井総研は、「月にどれだけの集客が必要で、そこからどの程度の契約率を見込み、リフォーム単価をいくらに設定すればビジネスとして成立するのか」、といった事業を軌道に乗せるための明確なKPIを提示しました。
自社だけでは推し量ることのできない収益モデルとロードマップが示されたことで、山下社長は新たな事業領域へと一歩を踏み出すことができたと振り返られます。
取り組みの中で特に影響が大きかったのは、全国の成功企業を視察する機会を得られたことでした。
山下社長ご自身はもちろんのこと、幹部や現場の社員も同行して成功事例を生で体感したことで、社内全体のモチベーションと事業に対する理解度が高まり、「机上の空論ではなく、実際の現場を見て学べる機会を提供してくれたことが、自社の成長にとって非常に有益だった」と山下社長は語られています。
100億円企業化への取り組み
事業多角化と組織拡大に向けた課題
リノベーション事業を軌道に乗せた同社の取り組みは、次なる大きな経営目標として「2033 年に売上100 億円、その先の 300 億円」を見据え、全社一丸となって歩みを進められています。この大きな目標を達成するためには、既存の主力事業をさらに伸ばしつつ、新たな収益の柱となる事業を複数構築し、多角的な経営基盤を確立していくことが不可欠となります。
しかし事業の急速な拡大は、同時に組織運営における新たな障壁を生み出すことにもつながりました。
売上規模の拡大に比例して社員数が急増する中で、人材の採用、そして入社した社員の育成と定着が、課題として浮上してきたのです。
山下社長は当時の課題について、「事業の柱を1つではなく、2つ3つと持っていくことも大事ですが、それに伴って人も増えていくので、採用や育成、定着といったことが重要になります」と語られました。
創業期から数十名規模までは、山下社長ご自身のリーダーシップによって組織全体を直接マネジメントすることが可能でしたが、60名規模へと達し、拠点も複数にまたがるようになると、これまでのような属人的な管理手法は物理的に限界を迎えます。
これに対し山下社長は、「人が増えていくにつれて、会社の状況をしっかりと可視化できるようなDXやAIなどのシステム系が重要になってきます」と語り、勘や経験に頼るマネジメントからの脱却を決意されました。そして100億円企業という目標から逆算し、船井総研の支援のもとで全社的なDXやAIの推進へと本格的に舵を切ることとなります。
支援内容の変化とテクノロジーへの対応
リフォームからDX・AIテーマの支援へ
同社は当初、空き家リノベーションという「事業モデルの構築と立ち上げ」に主眼が置かれていましたが、事業が軌道に乗り組織が拡大していくにつれて、テーマは「組織マネジメントのシステム化」や「最新テクノロジーの事業実装」へと高度化しています。
近年では業務効率化のためのツール導入にとどまらず、チャットボットの活用から始まり、現在ではより高度な「AIエージェントシステム」の導入といった最先端領域の活用へと発展しています。
日々目まぐるしいスピードで進化を続けるテクノロジーに対し、山下社長は非常に前向きかつ柔軟な姿勢で向き合っておられ、「AIやDXの領域は世の中的にもまだまだ発展途上ですが、近い将来、ユーザーがAIを使って物件を検索し、最適な提案を受ける時代が必ずやってきます」と語られます。
同社は、先進的なソリューションを積極的に受け入れ、自社の現場で検証を繰り返しながらいち早くノウハウを蓄積しようと挑戦を続けており、現在は、AIを活用した集客の最大化やマーケティング領域への応用において一定の成果が見え始めています。
AI・DX導入の成果と文化の定着
リアルタイムな数値把握と営業体制強化
同社がDX推進に取り組んだことによる最も大きな変革は、経営数値の「リアルタイムな可視化」が実現したことです。
以前は事業別や拠点別の売上、集客数といった重要なデータが、個別のスプレッドシートにバラバラに点在している状態だったため、前年同月比の比較や月次決算の数値をまとめるだけでも膨大な労力と時間がかかり、経営判断に必要な情報がタイムリーに上がってこないという課題がありました。
現在では情報が一元化され、山下社長が「経営判断するには、今の会社の状態がリアルタイムでどうなっているのかを把握することが1番大事です。この取り組みによって、月が締まった初日に全社の売上や店舗ごと、事業別の数字が全て可視化され、アクションが非常に早くなりました」と語るように、データに基づく迅速かつ的確な経営判断が可能となっています。
また、現場の営業体制の成果として、各個人のKPIや行動履歴が可視化されるようになりました。
山下社長は「相談件数は多いがクロージングが弱い、あるいはクロージングはできているがリフォーム単価が低いなど、営業社員さんによって課題は千差万別です。そこを可視化し、ウィークポイントをしっかり改善につなげていくことが重要です」とその成果を強調されました。
本取り組みによって勘に頼らないアドバイスが可能となり、営業組織全体の底上げに直結しています。
導入当初は様々な障壁はあったものの、データの有用性が理解されるにつれて意識は変わり、今では日々のミーティングにおいてデータを用いた議論が当たり前に行われるなど、本取り組みは同社にとって不可欠な「文化」として定着しています。
システム導入を成功に導いたサポート
業界理解に基づく三位一体のシステム構築
新たにシステム導入やDXを試みる際、開発されたシステムが現場の業務実態と合わなくなるケースが少なくありません。山下社長も導入にあたり、「ただシステムだけを組むと、業態が分からないためちぐはぐなものができてしまうのではないか」という懸念を抱かれていました。
今回のシステム構築においては、不動産・建築分野の事業コンサルタントと、システム開発を担うエンジニアが連携してプロジェクトに参画する体制を取っています。
山下社長は当時の取り組みについて、「不動産分野のコンサルタントに入ってもらい、システムのエンジニアも協力して、三位一体となって進められた点が非常に良かったです」と振り返られています。
業務内容を理解したコンサルタントとエンジニアが連携してシステムを構築したことで、現場の業務フローに即した形となり、山下社長も「システム担当者も事業内容をかなり理解されている状態なので、これからシステム導入を検討する会社にとっても非常にスムーズではないか」と語られており、事業の実態に合わせたサポートがスムーズな運用開始と定着につながりました。
今後の展望とAI活用への期待
データ予測による経営判断と人材育成
社内データ基盤が整備された今、同社は次なる成長フェーズとして「AIの本格的な事業実装」を見据えています。
これまでに蓄積された膨大な過去のデータをAIによって分析し、将来の業績推移や市場動向を高い精度で予測することで、より確実性の高い経営計画の策定や事業投資の判断に役立てていきたいという構想を描かれています。
特に山下社長がAI活用において強く期待を寄せているのが「人材領域への応用」です。
不動産業や建築業は本質的に労働集約型の産業であり、「最終的に企業の成長を決定づけるのは『人』である」という強い信念をお持ちです。
社員の適性、これまでの業務成績、そして本人のキャリアに対する希望といった多様なデータをAIに学習させることで、画一的な集合研修ではなく、その社員に適した個別の育成プランやキャリアのロードマップを導き出す仕組みの構築を目指されています。
「人はそれぞれ違う。だからこそ個々の能力を最大限に引き出し、一人ひとりの成長をデザインしていくためにAIを活用したい」と語る山下社長。
地域社会への貢献という使命を胸に、最新テクノロジーを駆使しながら100億円企業へと邁進する株式会社アイーナホーム様の挑戦は、これからも続いていきます。
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