中村土建株式会社
栃木県
建築一式工事、土木一式工事、解体工事の計画・設計・施工
栃木県で総合建設業を展開し、売上100億円を突破した中村土建株式会社様。 無借金経営から積極投資への転換期に財務体制を刷新し、月次決算の導入や銀行多行化で借入枠を30億円に拡大。 さらに金融機関出身者の採用や大規模補助金採択を通じ、次世代型ビジネスモデルへの変革を実現。
建設業を取り巻く環境は資材価格の高騰、人材の確保難など、年々厳しさを増しています。
とりわけ急成長フェーズにある建設企業を待ち受けるのが「事業拡大に伴う財務」の課題です。
受注案件の大型化に合わせて立替資金や仕入れ資金がふくらむ建設業の事業構造では、手元資金だけでやり繰りする無借金経営では対応できなくなる局面が訪れます。
今回は、船井総合研究所(以下、当社)がご支援させていただいた、創業78年、栃木県宇都宮市に本社を構え、売上高100億円を突破された「中村土建株式会社様」の成功事例をご紹介します。
同社がいかにして、急成長と大型投資が重なる転換期に、月次決算の導入、取引銀行の多行化、大規模補助金の採択、財務専任人材の採用という四つの取り組みを軸に「攻めの財務体制」を構築し、さらなる成長への足場を築いたのか。当社の視点からそのプロセスを解説いたします。
急成長が露呈させた財務管理体制の課題
中村土建株式会社様は、建築・土木を中核に設計、不動産、PFI運営、再生可能エネルギーと幅広い事業領域を手掛ける地域密着型の総合建設企業です。
建築部門では官公庁案件の減少という市場変化をいち早く捉え、ほぼ100%を非住宅の民間建築へとシフトし、どのような用途の施設にも柔軟に対応できる「非住宅のプロフェッショナル」としての確固たる地位を築かれています。
その業績は右肩上がりに推移し、ここ数年で売上高100億円の節目を突破されました。
しかし成長の裏側では、案件の大型化に比例して立替資金や仕入れ資金が増大し、無借金経営の維持が限界を迎えつつありました。
長年、会社の数字を支えてこられた財務担当者の定年退職により、財務を専任で見られる人材が不在となったうえ、「新社屋の建設」という大規模な設備投資も控えていました。
資金の動きが活発化する前に、経営陣は財務の管理体制を抜本的に見直す決断をされます。
数字の「見える化」と経営判断の変化
プロジェクトで真っ先に取り組んだのは、経営状態をリアルタイムで可視化する月次決算体制の構築です。
売上100億円を超える規模に成長しながら、当時は正確な月次決算が行われておらず、決算数字の着地は「その事業年度が終わってみないと分からない」状態が続いていました。
当社の支援のもと、社内基幹システムのデータをスプレッドシートへ自動連携させる仕組みを整備し、各月の売上・原価に加え、これまでブラックボックス化していた経費の流れを可視化しました。
数字が見えるようになったことで、借入の全体像や月々の返済額が明確になり、将来の資金繰りへの漠然とした不安が払拭されます。
販管費の項目細分化により「どの部門の、どの経費に無駄があるのか」「どこに資金を投下すべきか」が即座に判別できるようになり、確固たるデータに基づく経営判断へと大きく舵を切ることができました。
銀行多行化と補助金採択による「攻め」の財務戦略
次に進めたのが資金調達の戦略です。
それまで同社のお付き合いはメインバンク1行・サブバンク1行程度にとどまり、借入枠も約8億円でした。
当社は、成長戦略を描くうえでは多くの金融機関と関係を築き、いかなる経済環境下でも安定して資金調達できる仕組みが不可欠であると支援し、取引銀行の多行化を強力に推進しました。
その結果、地方銀行や信用金庫など約10行との新たな取引が開始され、借入枠は30億円規模へと拡大し、突発的な大型案件や不測の資金需要にも余裕をもって対応できるようになりました。
さらに銀行ネットワークを通じた建設案件やM&A情報の流入など、金融機関が「お金の貸し手」から「経営を共に伸ばすビジネスパートナー」へと変わったことも、大きな副次的効果となっています。
また新社屋建設をめぐっては、同社が顧客へご提案してきた大型補助金スキームを自社にも適用できないかというご相談が起点となりました。
新社屋の建設が地域の雇用創出や生産性向上、DX推進にどう寄与するかを綿密な事業計画に落とし込み、当社の補助金チームと調整を重ねた結果、難易度の高い20億円規模の大規模補助金の採択に至りました。
伊藤常務は「船井総研のサポートがなければ、ここまで大きなビジョンを描くことはできなかった。このプロジェクトを通じて、会社の向かうべき方向性の流れが完全に変わった」と語られます。
金融機関出身の財務専任者採用
財務体制の刷新は、人材採用の成果にもつながりました。
過去の数字をまとめる人材ではなく、未来の企業価値を創造できる「財務専門の責任者」が不可欠であるとの考えから、当社は銀行の融資の仕組みを熟知した金融機関出身者のご採用を進言しました。
当社の採用支援と連携した結果、活動開始からわずか2〜3ヶ月という短期間で、銀行出身の人材の採用に成功されました。
さらに同社では「イノベーションラボ」という新部署が創設され、財務の視点から新たな価値と事業を創造するという決意が込められた、社長直轄の組織として機能しています。
伊藤常務は「彼が入社してくれたことで会社としての戦略の精度が格段に上がり、明らかに社内の空気が変わった。本当に頼りになる強力な戦力を得ることができた」と、その変化を語られます。
盤石な財務基盤と優秀な人材を得た同社は、売上高200億円・300億円という次なる目標へと歩みを進めています。
企画段階から参画するPFI事業の運営や、最先端のICT・DX事業拠点として設計される新社屋を活かした「ショールーム型マーケティング」など、「受注して建てる」だけにとどまらない、自らの手で新しい仕事と収益基盤を創り出す創出型建設業への進化が、いま始まろうとしています。
このような経営者様におすすめです
・さらなる成長を見据えて財務管理体制の見直しを考えている経営者様
・資金調達力の強化を図りたい経営者様
・経営の数字を可視化し、数字に基づく経営判断を実現したい経営者様
・大規模な設備投資の際に、補助金の活用を検討している経営者様
・財務の専任担当の採用をお考えの経営者様
同社がいかにして無借金経営からの転換期に「攻めの財務体制」を築き上げ、借入枠30億円の確保や20億円規模補助金の採択、財務専任人材の採用を実現したのか。
伊藤常務が語る決断の背景と成長戦略の全貌は、下記のお客様の声ページにてご覧いただけます。
