日々、多くの経営者様とお話しする中で、「数年以内に、100億企業を目指したい!」という、熱い想いを伺う機会が増えています。
しかし、そこへ向かう道のりで、多くの方が「お金と管理の壁」にぶつかります。
売上が20億円、30億円の頃は、社長の圧倒的な営業力とトップダウンの勢いだけで突破できたかもしれません。
しかし、50億円、70億円、そして100億企業へと企業規模が成長するにつれて、これまでと同じやり方では必ず限界が来ます。
たとえば、こんなお悩みはありませんか?
● 新規事業に投資したいが、銀行から希望通りの資金をスムーズに調達できない。
● 部門ごとの本当の利益が、月次決算が締まるまで(ひどい時は翌々月まで)分からない。
● そもそも、決算数字が出るのが遅すぎて、経営判断のタイミングを逃している。
こういった「どんぶり勘定」のままでは、事業の成長スピードに会社の管理体制が追いつきません。
100億企業になるためには、この状態から一日も早く抜け出す必要があります。
過去の数字を集計するだけの体制から、未来を見据えた「財務体制」へと刷新することが、100億企業への第一歩なのです。
経理と財務、そして「CFO」は全く違う役割
「うちには長く勤めている優秀な経理担当がいるから、財務面は大丈夫だよ」
そうおっしゃる経営者様も少なくありません。 しかし、経営における「経理」と「財務」、そして「CFO(最高財務責任者)」の役割は全く違います。
・経理(実務家としての役割)
取引を正しく処理し、税務申告などのために決算などの「過去の数字」をまとめる役割です。
・財務(事業リテラシーを活かした役割)
会社の現状を分析し、業績予測を作り、数字の根拠を持って銀行など「外部へ説明する」役割です。
・CFO(戦略家としての役割)
企業価値向上のため、経営トップの右腕となり、経営視点から事業部門へ助言を行う役割です。
100億企業を目指すなら、過去の数字を正確にまとめる「経理」だけでは足りません。 攻め(成長投資)と守り(財務健全性)のバランスを取り、未来の戦略を描く「CFO」の存在が必要不可欠なのです。
ここで、100億企業化へ向けたスケジュールの参考として、こちらの画像をご覧ください。
100億企業に向けた財務体制づくりの3ステップ
では、具体的にどうやって財務体制を刷新し、CFOを育成していけばいいのでしょうか? 私たちが現場でお手伝いし、実際に成果が出ている「3つのステップ」をご紹介します。
ステップ①:まずは「会計の効率化・自動化」から
最初のステップは、月次決算を圧倒的に早くすることです。 100億企業を目指すのであれば、「翌月10日」には試算表が出ている状態にしなければ、スピーディーな経営判断はできません。
そのためには、クラウド会計システムを導入したり、紙のデータをなくしたりして、手作業によるミスやムダを減らします。 「正しい数字が、誰よりも早く出る」という土台を作るのが第一歩です。
ちなみに、クラウド会計の導入には「IT導入補助金」などを活用できる場合があります。 最大350万円の補助が出るケースもあるため、こうした制度を賢く使って効率化を進めることも、財務の重要な役割です。
ステップ②:見たい数字がすぐ分かる「財務体制の構築」
数字が早く出るようになったら、次は「見える化」です。 経営判断に必要な数字が、いつでもパッと確認できる状態を作ります。
会社全体の利益を見るだけでなく、 「どの部門が儲かっているのか?」 「事業ごとの採算はどうなっているか?」 といった、細かい粒度での管理が必要です。
さらに、数ヶ月先の資金繰りまで正確に予測できる表を作ります。 これによって、社長は「いつ、いくらのお金が足りなくなるか」を事前に把握でき、安心してアクセルを踏めるようになります。
ステップ③:数字を経営に活かす「財務PDCAの実践」と銀行対応
最後は、整った仕組みを実際の経営に活かすフェーズです。
毎月、経営陣と財務責任者で集まって「月次会議」を行います。 「計画と実際の結果にどんな差が出たか?」 「なぜその差が出たのか?」 を深掘りし、来月の具体的なアクションを決めていきます。
また、この段階で非常に重要になるのが「金融機関(銀行)との付き合い方」です。 ただ試算表を銀行の窓口に持っていくのでは不十分です。
上場企業が投資家向けに作るような「決算説明資料」を自社で作成します。 そこには、決算書だけでは伝わらない「自社の強み」や「部門別の状況」、「今後の事業計画」をしっかりと盛り込みます。
銀行に自社のビジネスモデルを深く理解してもらい、「この会社なら数億円を貸しても大丈夫だ」という強い信頼関係を築くこと。 これこそが、100億企業化を支えるCFOの大きな役割なのです。
社内でCFOを育てるという一番の近道
ここまで読んでいただき、「そんなにすごいCFO、どうやって採用すればいいの?」と思われたかもしれません。
実際、外部から優秀なCFO人材をいきなり採用するのは、給与の折り合いがつかなかったり、社風に合わなかったりと、非常にハードルが高いのが現実です。
だからこそ、今社内にいる経理担当者や経営幹部候補を、先ほどの「3つのステップ(財務PDCA)」に巻き込んでいくことをおすすめします。 実務を通して、少しずつ「社内でCFOに育てていく」ことが、実は一番確実で効果的なのです。
100億企業への扉を開こう
100億企業になるための道のりは、決して一朝一夕で成し遂げられるものではありません。
「社長が一人で、銀行との交渉や日々の資金繰りに頭を悩ませている」
もしそんな状態であれば、今すぐその環境を変える必要があります。
事業の成長を根底から支える盤石な「財務体制」を作り上げること。
そして、社長の右腕となって共に未来を描く「CFO」を育成すること。
これこそが、100億企業という新たなステージの扉を開く最大のカギとなります。
本気でさらなる飛躍を目指す経営者の皆様。
まずは、自社の財務体制の「現在地」を客観的に見つめ直し、次への一歩を踏み出してみませんか?
皆様の果敢な挑戦を、私たち船井総合研究所が全力でサポートさせていただきます。
お気軽にご相談ください。
| 執筆者: 補助金・ファイナンス支援部 マネージング・ディレクター 石田 武裕 いしだ たけひろ |
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