企業紹介
JPツーウェイコンタクト株式会社様は、日本郵政グループの一員として、コンタクトセンター運営を中核に幅広い顧客接点業務を担う企業です。電話やメール、SMS、チャットなどを活用したマルチチャネル対応に加え、受注処理や請求書発行、顧客情報管理といったBPO領域までをカバーし、新規獲得から既存顧客フォロー、バックオフィス支援に至るまでワンストップで提供しています。
長年の運営実績に裏打ちされたノウハウと、日本郵政グループならではの信頼性を強みに、成果に直結するオペレーション構築を推進しています。
各拠点と担当領域
全社戦略と現場運営の接点
【本部】
河村様:
今回のプロジェクトでは、私が全体統括の立場で関わりました。
福岡拠点をベースに、COPC認証取得の対象となったお客様サービス相談センター業務を担当しています。そのうえで、同じく認証対象である札幌拠点と連携しながら、全体を統括する役割を担いました。
また、今回のCOPC活動は札幌・福岡の両拠点が取得対象となっていますが、事務局機能については東京本社の業務統括部門が担当しています。さらに、クライアント様との窓口は営業部が担っており、拠点運営だけでなく、本社機能や営業部門も含めた組織横断の体制で進めてきたプロジェクトでした。
【札幌コンタクトセンター】
土生様:
札幌コンタクトセンターに所属し、センター運営全般を担当しています。
日々の運営に加え、クライアントとの折衝や収益管理、新規営業活動なども担っており、センター全体を見ながら業務を推進する立場です。現在、札幌の拠点は3つのビルで稼働しており、各拠点を行き来しながら対応しています。
また、札幌センターではこれまで郵便関連の業務を中心に運営しており、今回認証取得の対象となったお客様サービス相談センター業務に加え、再配達・集荷対応や大口業務なども含め、幅広い領域を担っています。
【福岡コンタクトセンター】
矢野様:
福岡では、天神と博多の2センター体制で運営しています。天神センターでは通販系の案件と、今回COPC認証の対象となったお客様サービス相談センター業務を中心に担当し、博多では同じ日本郵便様関連でも再配達・集荷受付などを主に担っています。
グループ案件をさらに広げていくことや、新しい業務領域にチャレンジしていくことも視野に入れているので、このお客様サービス相談センター業務で培うマネジメント力は今後の事業拡大にも直結していくと考えています。
野澤様:
私は福岡センターで日々の運営に関わりながら、COPCの活動では品質や定着に関するワーキンググループを担当してきました。
札幌のワーキンググループメンバーと定期的に打ち合わせをしながら、どういうフレームで管理するか、どんな改善を現場に落とし込むか、実働に近いところを回していた立場です。
現場に近い位置だからこそ、今回の活動が理論の話ではなく、「運営の仕方そのもの」を変える取り組みだと強く感じていました。
河村様
COPC認証取得を目指した背景
変革を後押しした国際基準
【本部】
河村様:
今回COPC認証取得を目指した背景には、まずお客様サービス相談センター業務が、当社の中でも特に難易度が高く、かつ入電量も非常に多い、重要性の高い業務であるという認識がありました。
日々、品質をどう担保するか、どう定着につなげるかという点で現場も苦労しており、クライアント様からもさまざまな改善要望をいただいていました。
そうした状況を踏まえ、改めてしっかりとしたフレームワークのもとで業務改善を進めていきたいと考えたことが、大きな出発点です。
また、認証を取得することでクライアント様からの品質に対する信頼をいただけるのではないかという期待もありました。加えてCOPCは社内だけでなく、グループ会社も含め理解されやすく、説明しやすい枠組みであると認識していました。
最終的には、認証取得そのものを目的とするのではなく、全体として大きな意味での業務改善を実現したいという思いが、このプロジェクトを進める背景にありました。
【札幌コンタクトセンター】
土生様:
現場から見ると、一番大きかったのは「マネジメント手法を取り入れたい」という思いです。もう一つはCOPC認証取得による信頼性の担保です。
お客様サービス相談センター業務は課題が出やすく、品質を安定的に維持するのが難しい業務です。
センターとしても改善しようと努力していたのですが、どうしても経験則や感覚に寄る部分が多く、出てきた課題をその場で潰すような動きになっていました。COPC基準であれば、何が課題で、どこが原因で、どの指標で見ていくべきかが整理できるため、その枠組みが当社に必要だと感じました。
【福岡コンタクトセンター】
矢野様:
私がプロジェクトに深く関わるようになったのは途中からですが、グローバル基準の認証を取得することは大きな意味を持つと思っていました。日本郵便様の業務だけでなく、通販会社様など他のクライアント様に対しても、一定の信頼性を示せる材料になり、今後COPC認証を取得した部署の対応領域を広げていくうえでも営業上の強みになるはずです。
認証そのものというより、その裏側にあるマネジメントの考え方を取り込めることが大きかったと思います。
野澤様:
最初からCOPCを詳しく把握していたわけではありませんが、実際に取り組みに入ってみると、「何を見て改善するのか」「なぜその数字を見るのか」が体系立てられているところに価値を感じました。
今の業務をより良くするだけでなく、将来的に他の業務や別の部署に移った時にも使える考え方だと思えましたので、そういう意味では、認証取得はゴールではなく、会社の中に再利用できる型を作る活動だったと実感しています。
土生様
認証取得前に見えていた運営課題
属人運営からの脱却
【本部】
河村様:
様々な課題がありました。
その一つとして、大規模な受電業務を運営するうえで、必要なスキルの数も多く、見るべき論点も本来はかなり細かいのですが、当時は、「これくらい人がいれば回るだろう」「これくらい取れるだろう」という、どちらかといえば概算や経験則に依存した見方になっていた面がありました。
課題を細分化し、その課題に対してどういう手を打つか、までは整理ができていなかったため、地に足のついた改善活動やロードマップを描くのが難しかったと思います。
【札幌コンタクトセンター】
土生様:
一番の課題は、共通の指標と統一した方法が具体化されていなかったことだと思います。
札幌と福岡で同じ業務を行っていても、判断基準や改善の考え方が揃っておらず、継承の面でも人が変わるたびに暗黙知で引き継がれていくことが多く、可視化された運営基準が十分ではありませんでした。
マネジメントという意味では個人の経験値に依存していたと思います。
【福岡コンタクトセンター】
矢野様:
複数拠点で同じ業務を運用すると、それぞれの拠点が持っている文化や運用の癖がどうしても出てきます。私も過去に多拠点運営の業務を見てきましたが、表面的には同じ方向を向いているように見えても、実際は中の運用が不揃いなことは少なくありませんでした。
今回のお客様サービス相談センター業務も、まさにそうした難しさを持っていたと思います。
だからこそ、どこかの拠点のやり方に寄せるのではなく、共通の基準で整える必要があったと考えています。
また、定着率の課題も大きいです。
これはコンタクトセンター運営における恒常的なテーマでもありますが、特にお客様サービス相談センター業務は、マニュアルやFAQの整備が十分とは言えない部分もあり、オペレーターにかかる負荷が大きい業務でした。そのため、定着率の改善に向けてどこにアプローチすべきかを明確にしきれておらず、十分な対策を打てていなかったという認識があります。
そうした中で、初期研修の見直しをはじめとした改善に取り組めたことは、大きな前進だったと感じています。実際に、定着率についても前年度実績と比較して改善が見られました。一方で、まだ改善の余地はあると捉えており、今後も継続して取り組んでいきたいと考えています。
野澤様:
属人化というと、知識や応対だけをイメージされるかもしれませんが、実際はそれだけではありませんでした。定着支援のやり方、品質フィードバックの仕方、面談の進め方、研修の見方など、対人スキルに関わる部分ほど「この人がいるから回っている」という状態が残っていたと思います。
業務知識のナレッジ化はある程度進められていても、マネジメントの再現性という意味では、個人差が大きかったと感じています。
現場が受け止めたプロジェクトの初期変化
拠点協働の始まり
【本部】
河村様:
立ち上がりの時期は、私自身も含めて「制度の中身が分からない」というのが本音でしたので、曖昧なまま進めないことを最優先にしました。
現場にも、分からないことは分からないまま流さず、必ず意味を確認してほしいと伝えていました。
特に数字を取り始める前の段階で定義がぶれてしまうと、あとから大きな手戻りになりますので、軌道に乗るまでの一番大事な役割は、スピードよりも「曖昧さを排除すること」だったと思います。
【札幌コンタクトセンター】
土生様:
個人的には、当初COPCの認証取得に取り組むと聞いた時は期待感を持っていました。
ただ、センター全体で見ると受け止め方はさまざまで、前向きに捉える人もいれば、不安に感じる人がいたのも事実です。
実際、最初は何を優先して着手すべきか判断しづらい状態でしたが、札幌と福岡でワーキンググループを組み、担当者同士が直接話し合うようになってから、現場の意識に変化が表れ始めたと感じました。
【福岡コンタクトセンター】
矢野様:
管理側から見ると、二拠点で一つの認証を目指すのは正直簡単ではありませんでした。
もともと成り立ちも場所も異なるので、最初は噛み合わない状況が当然ありました。
ただ、それを避けるのではなく、あえて同じ場に乗せて議論することで、逆に各拠点の課題が明確になっていったと思います。
最初の摩擦について、今は必要なプロセスだったと思います。
野澤様:
私は異動してきたタイミングが、まさに本格化する時期と重なっています。正直、最初の印象は一拠点ですら難しいことを、離れた拠点同士で同じ基準に揃えていくので、「実現の難易度は高いのではないか」という印象でした。
ですが担当者同士で継続的に話し合ううちに、相手拠点の事情が分かり、こちらの課題も伝わるようになりました。その過程で他拠点の課題ではなく「自分たち全体の課題」として捉えられるようになったのが大きな成果です。
矢野様
取り組みの転換点
数字で語る運営へ
【本部】
河村様:
転換点は、数字が見え始めた後だと思います。
様々な数値結果が出てくると「ではこの数字をどう改善するのか」「その数字で何をゴールにするのか」が明確になり、そこから各プロジェクトのリーダー層が主体的に動き始めたのを感じました。
最初は事務局主導で進めていた取り組みでしたが、札幌と福岡でそれぞれが能動的に動き、必要な情報交換をしながら同じゴールに向かえるようになったことが、一番大きな変化でした。
【札幌コンタクトセンター】
土生様:
私が強く感じたのは、ワーキンググループのメンバーが受け身で取り組む状態から、「自分たちで決めていく」状態に変わったことです。
これまでは上位レイヤーだけが話して、現場レイヤーは決まったことを実行するだけ、という場面も少なくありませんでした。
今回は、実際に運用を担う担当者がディスカッションに参加し、札幌と福岡の違いを踏まえたうえで一つの答えをつくっていくというプロセスを経験したことで、お互いの状況理解も深まり、チームとしての結束も強くなりました。
【福岡コンタクトセンター】
矢野様:
転換点になったのは、拠点間のコミュニケーションの質が変わったことだと思います。
先ほどの話と重複しますが、どうしても拠点間での意思疎通のズレや運用の違いが生まれやすくなりますので、この取り組みを通じて、そのような違いを前提にしながら、しっかり対話を重ねて進めることができるようになりました。
単純に情報共有の回数が増えたということではなく、同じ基準で課題を捉え、同じ方向を向いて改善を進める意識が生まれたことが大きかったと思います。こうした変化は大きなプラスであり、組織としての一体感や運営力の向上につながっていると認識しています。
野澤様:
大きく変わったのは、感覚で始めないという意識です。
以前は採用も役割分担も、「適性がありそうだと判断して」「過去の担当経験があるため」という定性的な見立てで進むことがありましたが、COPC基準では一つひとつを数字に落とし、どのように変化したのかを追うため、何かを始める時点でどのように計測するかを先に考えるようになり、数字にできないものは「どのように評価するか」を議論する習慣が定着しました。
これはCOPCの認証取得の対応ではなく、組織の思考そのものが変わった瞬間だったと思います。
共通言語化が生んだ成果
拠点横断で進む品質向上
【本部】
河村様:
数字を集計できるようになると、ただ結果だけを見るのではなく、その数字が何で構成されているのかを見るようになります。
分子分母の定義は何か、どこにイレギュラーがあるのか、なぜその数値になるのか。そこまで見ていくことで、初めて「このケースにはこういう改善が必要だ」という具体策に落とし込めるようになります。
拠点間の会話も感覚や経験談ではなく、同じ指標を前提に判断ができるようになり、改善の速度と精度が上がったと思います。
【札幌コンタクトセンター】
土生様:
札幌・福岡の両拠点で共通の指標・数値をもとに運営できるようになったことは、大きな成果の一つです。
今までは、同一業務でありながら拠点ごとに課題認識や対応方針が分かれ、それぞれ個別最適で改善を進める場面も少なくありませんでした。今回の取り組みを通じて、一つのセンターとして同一の目標を共有し、同じ基準で状況を捉えながら改善を進める体制へと転換することができました。
また、認証活動に関わったメンバーが社内表彰を受けたことは、会社としても高く評価されていることを象徴する出来事だったと思います。
【福岡コンタクトセンター】
矢野様:
クライアント様とのやり取りの中でも、「COPC基準ではどう考えるのか」という話ができるようになったのは大きい成果です。
品質評価や数値目標についても、単に当社のローカルルールとして説明するのではなく、グローバルなフレームワークに照らして会話するため、齟齬が少なくなります。
営業面でも、今後この認証実績や考え方を他業務に広げていければ、会社としての付加価値はさらに高まると考えています。
野澤様:
実務の場面では品質評価一つ取っても、「COPC基準ではこのように合格率を見る」といった具体的な話ができるようになりました。
したがって、「自拠点ではこのように運用していました」という属人的な運用ではなく、クライアント様にも説明がしやすいです。共通言語があることで判断基準がそろい、拠点間でも対外的にも話が進めやすくなった成果は想像以上に大きかったと感じています。
野澤様
今後の活用と展望
次の拡大に向けた基盤へ
【本部】
河村様:
今後さらに強化したいのは、満足度の視点です。
これまでもクライアント様との対話の中で満足度は意識していましたが、数字でしっかり捉えるところまでは十分ではありませんでした。
売上や費用だけでなく、我々が提供するサービス品質が本当にクライアント様にとって意味のあるものになっているのか、その先でお客様にとって価値ある体験になっているのか、を見ながらより広い問い合わせ対応やDX、事務領域まで含めた業務拡張につなげていければと考えています。
【札幌コンタクトセンター】
土生様:
現場の目線では、やはり定着率と顧客満足度をもっと強化していきたいです。
応答率や案内品質はもちろん大切ですが、それを実際に担うコミュニケーターが定着しなければ、品質は安定しませんので、退職要因を分析し、面談の頻度を見直し、学習機会を入れ、先輩との関わり方を整えるなど、プロセス側から改善していく必要があります。
数字が変わったから終わりではなく、その背景にある育成や定着の仕組みを継続して磨いていきたいです。
【福岡コンタクトセンター】
矢野様:
私としては、定着の強化に加えてDXをもっと前に進めたいと考えています。業務負荷の高い部分を見直して、オペレーターさんが長く働きやすい環境をつくることができれば、採用や教育のコストも下がり、結果として品質や顧客満足にもつながっていきます。
また、今回得たCOPCの認証やマネジメントの考え方を、お客様サービス相談センター業務だけのものにせず、部署全体、さらに会社全体へどう広げるかも重要なテーマです。認証を実績で終わらせず、次の成長の材料にしていきたいです。
野澤様:
今後の活用と展望を考えるうえで、根底にある課題はやはり「人の定着」だと捉えています。
この認識は札幌・福岡の両拠点でも共通しており、継続的に議論しているテーマです。採用についても、定着率が高まればコストの抑制につながり、従業員へ還元できる余地が生まれるかと思います。
また、クライアント様から求められるKPIや顧客満足度の向上という観点でも、人が定着しなければスキルが蓄積されず、安定した品質にはつながりません。COPCの取り組みの中でも、定着と品質は密接に結びついているという話が繰り返しありましたので、今後も定着の部分はより一層強化していく必要があると考えています。
これからCOPC認証取得を目指される企業様へ
【本部】
河村様:
これから認証取得や組織改革に取り組む企業様にお伝えしたいのは、最初は大変でも、その先にあるのは認証を持っている組織ではなく、「成果を安定して返せる組織」だということです。
我々のような受託事業は、最終的に結果で評価されますので、その結果を継続的に出し続けるための体制をつくれることが、一番の価値だと思っています。
認証は目的ではなく、品質を高め、信頼を積み重ねるための手段。その捉え方が大事だと考えています。
【札幌コンタクトセンター】
土生様:
取得にあたって通常運営とは別に相応の工数を要するのは事実ですが、そのステップを踏むからこそ、現場の納得感やマインドの変化が生まれます。
最初は負担に見えても、振り返ると人の厚みや組織の強さにつながっていますので、これから取り入れる企業様も、きっとその変化を感じられるかと思います。
【福岡コンタクトセンター】
矢野様:
認証取得自体にも意味がありますが、本当に大きいのは、その取り組みによってクライアント様に安定した成果を返せるようになることだと思います。
品質が安定し、運用が強くなり、結果として業務継続や新規提案にもつながりますので、大変さを超えた先にあるのは、そのような事業の強さだと実感しています。
野澤様:
私自身のことになりますが、終わった時に一番残ったのは、「今まで知らなかった数字の見方を得られた」という感覚でした。
どの数字を見ればよいのか、なぜその指標が必要なのか、何をもって改善と言えるのか。そうした土台を理解したメンバーが社内にいることは、今後どんな業務を担当するにしても強みになります。
だからこそ限定された成果として閉じるのではなく、次に渡していくことが非常に大事だと認識しています。
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