企業紹介
都築電気株式会社様は、1932年創業、1941年設立の長い歴史を持つ企業です。
電話事業を起点に歩みを重ねてきた同社は、現在ではネットワークシステムと情報システムの両領域を担い、設計・開発・施工・保守までを一気通貫で提供しています。そして、約20,000社の顧客基盤と全国約70拠点のネットワークを有し、多様な業種・業態に対して価値提供を続けています。
事業領域
SIとNIを束ねる事業基盤
平林氏:
当社の特徴はSIとNIを切り分けて考えるのではなく、お客様の業務や運用まで含めて全体最適の視点でご支援できる点、そして音声ビジネス領域にも対応している点だと考えています。
単に製品やシステムを導入するのではなく、課題の整理から構築、その後の定着・活用まで一貫して伴走する「お客様の業務全体に対して、何を実現するのか」という視点を大切にしてきました。それが今回のアセスメント活用やCX提案の進化につながっていると感じています。
コンタクトセンター業界の変化とBtoB営業課題
変化が映した営業課題
平林氏:
当社では、ここ数年のコンタクトセンター業界の変化を強く感じていました。
生成AIの進展によって要約や応対支援の精度が大きく向上し、個別ソリューションを提案するだけではなく、AIを前提に業務全体をどう変えていくかまで問われるようになってきています。
従来のように「何を導入するか」を起点にした提案ではなく、「何が課題で、どこから見直すべきか」をお客様と一緒に整理する必要性が高まっていました。
一方で営業現場には、上流工程に関するノウハウが暗黙知のまま残っているという課題もありました。
話せる人は話せるものの、体系化されたナレッジとして整備されていたわけではなく、提案の質が個人の経験に左右される部分があり、お客様側でも「ボイスボット(音声AIサービス)を入れたい」など、ソリューション起点の相談が増えていたため、本来整理すべき背景課題が後回しになりやすい構造がありました。
結果として、私たち自身も少しずつ「もう少し業務の中まで入らないと、お客様との会話が深まらない」「課題の整理から支援できる形に変えていく必要がある」と感じるようになり、属人的な提案から脱却し、より再現性のある営業の型を持つことが当社にとって大きなテーマになっていきました。
平林様
アセスメント/診断への着目
診断起点へ舵を切る
平林氏:
その課題意識の中で、当社が着目したのがアセスメントでした。
もともと最初からCOPCありきで考えていたわけではなく、まずはコンタクトセンター領域でコンサルティングメニューをつくりたい、その入口として現状把握のメニュー化が必要だという発想からスタートしています。
実際にサービス設計を進める中で感じたのは、ソリューションベンダーである当社が診断を行うと、どうしても“ソリューションありき”に見えてしまう可能性があるということでした。
そのため、一定の権威性や客観性を備えたフレームをベースに、診断サービスを構築する必要があると考え、体系化された知見を持つCOPCや、船井総研(プロシード事業部)の支援との親和性が高いと判断し、具体化を進めました。
アセスメントを起点にすることで、お客様との会話は「何を導入するか」ではなく、「いま何が起きていて、どこに改善余地があるのか」という順番に変わります。
これは単なるツール開発ではなく、提案の入口そのものを見直す取り組みだったと捉えています。
CX統括部が顧客課題に深く関わるようになった背景
CX視点で役割を再定義
平林氏:
当社では従来の音声基盤中心のビジネスから、より広い顧客接点全体を見据えた支援へと軸足を移してきました。
電話インフラそのものは今後縮小していくと見られる中で、テキストチャネルやAI活用、ナレッジデータなども含めて提案するには、インフラ提供ではなく業務理解そのものが不可欠になると考えたためです。
その流れの中で、コンタクトセンターを“システムの話”として捉えるのではなく、“CXの話”として捉え直す必要が出てきたため、応対品質やチャネル設計、人材育成、業務プロセスなどを含めて、お客様の体験価値をどう高めるかを検討しました。
それが、CX統括部としての役割の変化だったと思います。
今回の支援を通じて、「どの順番で話を聞けば課題が見えやすいのか」「何を押さえるとお客様との会話が深まるのか」が整理され、当社としてもCX視点で上流から関わる方向性がより明確になったと感じます。
アセスメントツール開発後の意識の変化
経験と共に高まる対応力
村上氏:
実際に教育を受けた直後、最初のお客様先では船井総研の皆さんに主導していただき、当社は横で見ながら必要に応じて追加質問をする形で参加しましたが、率直に感じたのは、「これを自分たちだけで進めるのは簡単ではない」ということでした。
ただ回数を重ねる中で、コンタクトセンターには共通して現れやすい課題と、その企業固有の特徴が少しずつ見えるようになり、経験の蓄積によって対応力が高まっていく実感がありました。
村上様
ライト版・フル版という構成
設計段階からの二人三脚
松木氏:
当初、「COPCとは何か」「アセスメントとは何か」という状態の当社メンバーも少なくありませんでしたので、定例会は進捗確認ではなく、私たちにとって学びの場でもありました。
専門知見を一方的に渡されるのではなく、何も分からない状態の私たちに寄り添いながら、一緒に形にしていただけたことが非常に大きかったと感じています。
平林氏:
ライト版そのものが寄り添いの形だと思っています。
COPCベースで詳細に組み立てていくと、どうしても項目が細かくなり、現場で本当に使いこなせるのかという不安がありましたが、その中で「まず使えること」を重視し、ライト版という形に整理していけたのは、当社の実態に合わせて伴走していただいた結果だと思います。
結果として入口のハードルを下げながら、必要に応じてフル版へつなぐ段階設計が実現できたと感じます。
左:福田様 右:松木様
営業意識と顧客接点の変化
アセスメントが変える顧客との関係性
上野氏:
アセスメントを通じて印象的だったのは、これまでの会話では拾いきれなかった現場の声が、体系立てて聞けるようになったことです。
準備をしたうえで臨むことで、「こんな話まで聞けるのか」「これまで見えていなかった論点があったのか」という発見が増えました。お客様ごとの違いも見えやすくなり、他社事例を踏まえながら違った角度の質問ができるようになったのは大きな変化です。
またアセスメントという場があることで、お客様側も現場の悩みや本音を話しやすくなったと感じています。普段の商談では出てこないような、SVの負荷や職場環境への不満、運営上の細かな悩みが自然に共有される場面もありましたので、情報を集めるというだけでなく、現場理解を深めるコミュニケーションの質そのものが変わったという手応えがあります。
村上氏:
実務面でもこの仕組みは効果的で、アセスメントを通じてお客様の業務に深く入り込めるようになり、案件化する前の段階から相談を受けたり、提案の自由度が高いところから関与できる場面が増えました。
たとえば、お客様の声の収集を強化すべきという示唆から、ショートメッセージを活用したアンケート施策の提案につながったケースもありました。
こうした変化はアセスメントそのものの価値だけでなく、それをきっかけにお客様とのコミュニケーションが深まった副次的効果でもあると感じています。
上野様
今後のアセスメントツール活用と事業展開
AI時代を見据えた次展開
福田氏:
今後を考えるうえで、コンタクトセンターという切り口だけでなく、より広いCX領域でお客様の体験価値向上に貢献していく必要があると考えています。
2026年4月より「CX統括部」に部署名を変更したのも、その方向性を示すもので、今後はコンタクトセンターの知見に加えて、マーケティングを含む幅広い領域でパートナーとして活用いただける存在になることが理想だと思います。
また中期的な方向性としても、「プロフェッショナルサービスカンパニー」を目指す流れがあり、その中核領域の一つとしてCXコミュニケーションを拡大していく位置づけがあります。
その実現に向けてはアセスメントを含むコンサルティングサービスの強化と、外部パートナーとの連携強化の両方が重要ですので、自社だけでは持ち得ない知見を補完していただきながら、ビジネスを広げていきたいと考えています。
そしてAI活用が進む時代だからこそ、その前段階として「お客様がどのような業務を行い、どのような価値を届けたいのか」を見極める力がますます重要になると感じています。
デスクトップリサーチ(机上調査)で得られる情報の価値が相対的に下がる一方、現場知見や業界理解といった一次的な洞察の価値は、むしろ高まっていきますので、そこに当社のIT知見と、船井総研の業界知見を掛け合わせることで、より大きな価値を生み出せるという期待があり、今後のロードマップになると考えています。
平林氏:
最終的には今回のアセスメントを一つの起点として、業務別CXコンサルティングメニューの拡大を考えています。
アウトバウンド向けのサービスパックづくりもその第一歩であり、今後はビジネストランスフォーメーション推進統括部とも連携しながら、より網羅的なCXコンサルティングの全体像を形にしていきたいと思います。
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