この講座でみなさまにお伝えしたいこと
本日、講座でお伝えしたいことといいますのは、自動車販売店の失敗しないクラウド会計の導入方法についてお話をさせていただきます。
なぜ失敗しないということを強調しているかといいますと、多くの自動車販売店が導入に失敗しているという現実がございます。そのため、多くの成功事例と失敗事例を経験して分かった、絶対に失敗しないクラウド会計の導入方法についてお伝えさせていただきます。クラウド会計の導入を失敗をしますと、経理業務がストップしてしまい経営において非常に大きな事態になり、それを取り戻すのに多くの労力がかかってしまいます。したがって、絶対に失敗しないということが必要となりますので、そこのポイントについてお伝えさせていただきます。
本講座でお伝えしたいこと
今日の流れとしましては、モビリティ企業の経理財務の課題について、モビリティ企業のクラウド会計導入事例、クラウド会計の導入ステップ、導入に成功した企業と失敗した企業の違い、船井総研のサポート内容、そして、明日からすぐに取り組んでほしいこと、このような流れになっております。
まず、知っておいてほしいこと
導入の進め方をお伝えする前に、まず知っておいてほしいことがございます。
モビリティ企業の経理・財務は複雑
モビリティ企業の経理・財務は複雑だということです。これは他業種と比較しても非常に複雑です。
どのあたりが複雑かと言いますと、まず売上・仕入の予測が難しく、資金繰り予定が読みにくいということです。
つまり、来月いくら売れるか、何台売れるかという予測もしにくいですし、中古車、新古車、未使用車においては、仕入れ自体がどれぐらい出るかというのが読みにくいので、非常に資金繰りが読みにくいです。
そして、納車時期がよくズレる、読めないということです。新車を扱っているディーラー様や新車のリースをしている販売店様になりますが、契約を取れたとしてもなかなか納車時期というのがメーカーの都合によってズレますので、売り上げや納金の時期が読めなくなってしまうということです。
毎月棚卸をしていない場合、試算表の粗利が全く合わないことです。これは、規模が小さな自動車販売店さんにあることが多いのですが、棚卸をしていないため在庫が一定で残っています。そうすると、売り上げは合っているのですが、原価がずっとズレたかたちで試算表が出てきますので、月次ベースでの粗利というのが全く実態に合わないかたちになってしまうということです。そのため、業績の把握につながらないということになります。
繁忙期と閑散期の波が大きく、業績や資金繰りが不安定です。主に1~3月が繁忙期で、それ以外で閑散期の波があるため、年間の中で非常に忙しい時期とそうでない時期、利益が出る月と出ない月ということに大きな波があるので、どうしても業績や資金繰りが不安定になりやすいということです。
試算表が遅い、合わないということです。他の業種と比べても試算表ができるのが遅いです。さらに、バックオフィス業務が非常に煩雑で経理の残業が多くなり、あと税理士の先生に経理を丸投げしているパターンの会社様だとさらに試算表ができあがるのが遅くなってしまうということがよくあります。
システム面については、車両販売や車検・整備、レンタカーなど複数のシステムを使っているという会社様が多いというのがモビリティ企業の特徴です。そのため、経理にいろいろなシステムからデータを取り込もうと思っていても、なかなか整理しきれず、正確な会計ができないということが起きやすいです。
金融機関から不良在庫がないか、在庫を厳しくみられます。どうしても在庫を持つ商売ですので、金融機関から不良の在庫がないかよくみられるので、会社様によっては在庫表などを金融機関に出しているところもあると思いますが、どうしても実態を審査で会社評価などを厳しくみられがちという特徴があります。
このように複雑なことが多いため、実態把握をするためにも、「リアルタイム経営」の重要性が非常に高いです。しかし、一方で、実現の難易度が高いというのがモビリティ企業の特徴になります。
モビリティ企業がおさえるべき財務のポイント6つ
モビリティ企業がおさえるべき財務のポイントが六つあります。
モビリティ企業の財務の6ポイント
まず一つ目が、仕入強化のために、在庫のピーク以上の融資枠を確保することです。
これができていないと、仕入の強化がなかなかできないです。
二つ目は、1年間の資金繰りを予測して、融資枠の運用によって資金繰りの波を平準化しようということです。
波が大きいため、資金繰りを予測できていないと、なかなか思い切った仕入や投資ができなくなってしまうということです。さらに、その波を平準化するためには、融資枠を運用する、つまり、預金が多く残る月は借入を返済してしまう、預金が少ない月は融資枠を使って借入をするというかたちの運用で資金繰りを平準化するということが重要です。
三つ目は、出店の機会を逃さないよう、資金が調達できるB/Sをデザインするということです。
これは、弊社のクライアントでも多いことなのですが、ずっと出店ができる良い物件を探していて、いざ良い物件が出てきたときに、資金が調達できなくて出店を諦めてしまうというようなケースも出てきています。そのために、出店するためには常に資金調達ができるためのB/Sを作り続けていかないといけないということです。
四つ目が、資金調達は1年先まで先行して金融機関に相談するということです。
特に、成長企業については、M&Aや出店や仕入やいろいろな資金調達が必要なときがあると思います。それをばらばらに金融機関に伝えて調達しようとすると「この企業どこまで投資するのだ」と、融資がストップしてしまう可能性があります。そのため、1年先ぐらいまではこのようなお金が必要だということを金融機関に事前に伝えたうえで、資金調達を固めていくということが必要になってきます。
五つ目が今日のポイントなのですが、月次決算の精度とスピードにこだわることです。
まさにリアルタイム経営です。その中でも、モビリティ企業は、なぜ月次決算が大事かといいますと、在庫や売掛け買掛け、固定資産などもそうなのですが、B/Sをしっかり予実管理するということが非常に重要ですので、よって月次決算の精度とスピードが大事になってきます。
そして、六つ目が、経理に過剰な役割を負わせずに、社長がしっかりと経理財務と税理士をマネジメントする必要があるということです。
社長では難しい場合は、中途で採用するか外部専門家を活用するということです。イメージとしましては、年商10億を超えてくると、モビリティ企業というのは、B/Sとキャッシュフローをいかにしっかりマネジメントするかというのが大事になってきます。それが、社長だけでは成り立たなくなってきたり、追いつかなくなってくるため、経理財務、経理や税理士の協力が必要になってくるのですが、なかなか経営目線で経理の方や税理士が動いてくれるのかというと動いてくれないわけです。ここをしっかりマネジメントするという役割がモビリティ企業においては必要です。これらがモビリティ企業において財務の六つのポイントになります。
6つのポイントを実行していくためにリアルタイム経営が必要
では、この六つのポイントを実行していくためには、リアルタイム経営が必要ということで、リアルタイム経営の実現のために何をすればいいのかということです。
リアルタイム経営のポイント
それには、ポイントがあります。
経理業務の自動化(効率化)です。それと、クラウド化と可視化、この三つです。この三つがリアルタイム経営のポイントになります。そして、これらを実現するためには、クラウド会計の導入ということが必須になります。
クラウド会計導入の効果は?
実際、クラウド会計導入の効果はどれくらい出るのかということです。
クラウド会計導入事例/効果(数値面)
年商20億ほどの自動車販売店様がクラウド会計導入したときの事例を数字でお伝えします。
導入前は月次試算表の完成が30日後でしたが、導入して1年後には、5日後に完成するようになりました。経営人員は、社長の奥様と経理の2人でしたが、実質1人になりました。奥様が経理から離れることができるようになりました。
経理の残業が、月末月初はほぼほぼ残業していたのがなくなったということです。クラウド会計を導入したことにより、月末月初に偏っていた経理業務を分散することができるようになりました。その結果、残業がなくなりました。
あと、業績面への影響も多くありました。粗利率も25%から29%になり4%上がりました。年商20億で粗利率4%上がると、4,000万変わっているということです。非常に大きいです。営業利益率は3%から6.5%、売上は18億から20億になりました。これは、出店もありましたが、1年通期で売上が立ってない状態でも伸びたということです。
拠点が二つから四つに増やすことができて、融資枠が5億から10億になりました。ここで注目していただきたいのは、通常売上が増えたり拠点が増えたりすると、経理を増やさないといけないとか、試算表の完成が遅くなってしまうということが起きるのですが、クラウド会計導入によって効率化、自動化されたことで、完成は早くなり、経理人員を減らすことができたということが数字面の効果になります。
したがって、経営資源の効率化とPDCAサイクルの高速化によって業績が上がるということが起きたという事例でございます。
数字面以外でも長年抱えていた課題の解決やさらなる企業成長への効果も
さらに、数字面以外でも長年抱えていた課題の解決やさらなる企業成長への効果もあるということです。
クラウド会計導入事例/効果
どういうものがあるかといいますと・・・