社長が抱える悩みあるある
本日ご参加いただいております経営者の皆様の中でこのようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんでしょうか。
利益や売上は出ているのにキャッシュが貯まらない、キャッシュが貯まらないどころかどんどん資金繰りが苦しくなっている、資金繰りが苦しくなっている原因がわからず対処ができていない、また自社のキャッシュフロー、キャッシュが貯まる仕組みを把握できていない、もしくはそもそもキャッシュフローがどのようなものなのかよく理解できていない、キャッシュフローを把握する上で重要な自社のお借入の状況、年間の返済額を社内で管理ができていない、このようなお悩みはございませんでしょうか。
キャッシュの貯まる財務体質の仕組みを知ることで、このようなお悩みの解決が可能です。成功企業の取り組みを実践していただくことでキャッシュフロー強化を実現していただきたいと思います。
本日お伝えさせていただきたい内容としましては、まずステップ1としてそもそもキャッシュフローとはどのようなものなのか、キャッシュフローの概念をしっかりと知っていただいた上で自社のキャッシュフローの計算について伝えさせていただいた上で、キャッシュが貯まらない理由の原因を探っていきたいと思います。キャッシュが貯まらない原因は自社の借入の仕方に問題がある場合と、キャッシュフローの見える化が進んでいない二つの理由が挙げられますので、そちらをお伝えさせていただきます。
そして、成長企業のキャッシュフロー強化事例を知ることで、自社で取組みを実践していただきたいと思います。
そもそもキャッシュフローとは
それでは講座に入ってまいります。まず第1ステップとして、そもそもキャッシュフローとはどのような考え方かについてお伝えさせていただきます。
今回のセミナーのゴールであるキャッシュフロー強化を実現するための第一歩として、経営者の皆様は自社のキャッシュフローを把握できておりますでしょうか。
自社のキャッシュフローが把握できていない、そもそもキャッシュフローを計算する方法やキャッシュフローとはそのような考え方がわからない方がいらっしゃいましたらステップ1の中で解決していただきたいと思います。
そもそもキャッシュフローとはどのようなものかと言いますと、キャッシュフローとは試算表や決算書から導き出す、企業が当該期間あたりに儲けた現預金、キャッシュの理論値のことを指しております。
例えば、営業利益は1千万円あった場合、この中からいくら現金が残ったのかを指しております。利益の中からいくら現金が残るのか、すなわち一会計機関の中からいくらのキャッシュを手元に残すことができたのかの理論値がキャッシュフローになっております。キャッシュフローの考え方が重要な理由としまして、損益計算書に記載されております会計の利益が黒字であったとしてもイコール資金繰りが回っているという判断は絶対ではないと思います。もう少し具体的に申しますと、会社の利益が黒字でありましても各支払いや費用の支払買掛金の支払いなどがあると思いますが、そのような時に必要となる現預金が足りていない場合、支払いが間に合わないので最悪の場合黒字倒産という結果を招いてしまうかもしれません。ここを防ぐためにキャッシュフローの考え方が非常に重要になってまいります。キャッシュフローを計算する公式である経常利益×0.6+減価償却費をご紹介させていただきます。
この公式を用いて計算する上で、営業利益ではなくて経常利益を用いる理由、また0.6を掛けている理由、そして本来費用であるはずの減価償却費をプラスしている理由をもう少し詳しくお伝えさせていただければと思います。
まず経常利益を用いる理由についてご紹介させていただきます。経営者の皆様が重要視されている数値として、本業がいくらの利益を上げているのかという営業利益を重視されている方が多いかもしれませんが、キャッシュフローを計算する上では経常利益を用います。理由としては、経常利益は企業が通常業務を行って得ることができた利益だからです。営業利益は先ほども申しましたが、企業が本業の中からいくらの利益を上げたのかという数字になります。経常利益を用いる理由をもう少し詳しく見てまいりますと、例えば、建設業を営まれている会社がビルの建設の仕事で儲けた収入の売上、これは本業の収入になりますので、営業利益と経常利益どちらにも入りますが、例えばこの会社が会社の前に自動販売機を置いて儲けた収入は副業での収入になりますので、営業利益には入りませんが経常利益には入ります。キャッシュフローを計算する上で見ていただきたいのは、企業がどのような方法で利益を上げたのかですので、儲けの元を計算する上で今回は経常利益を用いて計算してまいります。次に、0.6を掛ける理由ですが、経常利益イコールそのまま会社に入ってくる現金ではないからです。経常利益を算出したあと決算が締まって、その後納税が待っていると思います。納税額を考慮するために0.6をかけてキャッシュを計算します。
そして、本来費用であるはずの減価償却費をプラスしている理由についてお伝えさせていただきます。企業は、利益を残すために各費用の原価や販管費などを使用していると思います。詳細に申しますと、販管費に含まれるものには旅費交通費や水道光熱費、地代家賃、支払手数料、人件費といったものが入っていると思います。これを合計したものを売上から引いて、残るものが利益になると思います。しかし、この原価や販管費の中には減価償却費が含まれています。減価償却費は他の費用と違って現金の支出を伴わない資質になりますので、キャッシュの理論値を判定する上ではこちらをプラスして計算することになります。
この公式によって、キャッシュの理論値を計算することができたと思います。
では、この理論値イコール社内に蓄えられる現預金でしょうか。答えはノーです。この数字は今損益計算書を使用して求めた数字ですが、損益計算書には記載されていない現預金の支出をお忘れではございませんか。それは借入金の返済です。
キャッシュフローを計算した上で、ここから借入金の年間返済額を引いた額が社内に残る現預金になります。
例えば、経常利益が100万円、減価償却費が40万円の場合、経常利益掛ける0.6で60、それに減価償却費の40をプラスしてキャッシュフローは100万円となりますが、ここから借入金を返済して、借入金の返済額が150万円だった場合、キャッシュフローはマイナスになってしまいます。キャッシュフローよりも年間の返済額が大きい場合、キャッシュは増えるどころかどんどん減ってしまっているのです。
さらに申し上げますと、先ほどの返済額を考慮しました返済後キャッシュフローがプラスだとしましても、現預金の出ていくお金のほうが大きい場合、もちろんキャッシュは減ってしまっています。キャッシュフローは、一会計機関あたりに儲けた利益の中からいくらのキャッシュが残るのかですので、入ってくるお金よりも出ていくお金のほうが多い場合キャッシュは減っていってしまいます。しかし、B/S貸借対象表とP/L損益計算書からだけではキャッシュが増減する理由まではわからないことが大きな課題です。そのためにキャッシュフローを強化するための第一歩としまして、返済後キャッシュフローをプラスにしていただくこと、キャッシュの増減理由を把握していただくことが重要になります。
キャッシュが貯まらない理由とは
それでは、キャッシュが貯まらない理由についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。キャッシュが貯まらない理由には大きく2つの原因が考えられます。
1つが借入方法に問題がある場合、そしてもう1つが社内管理の方法に問題がある場合です。①の借入方法、お金の借り方に問題がある場合は、先ほどの内容を踏襲しますと、返済後キャッシュフローがマイナスになっているため、お金の借り方に問題があることがキャッシュが貯まらない理由になっております。
そして2つ目の社内管理に問題がある場合は、キャッシュの流れを管理できていないことによってお金が貯まる体制を構築できていない場合、先ほどの内容ですと自社でキャッシュがどのように減ってしまっているのか把握ができていないことによって、対策を打つことができておらずキャッシュが貯まらない体制になってしまっているということです。
それでは、まず借入の仕方、お金の借り方に問題がある場合を見ていきたいと思います。まず皆様に知っていただきたいのは、借入をする場合のお金の色分けをしっかりしていただくことになります。経営者の方がお金を借りられる理由として、大きく2つの理由があると思います。
1つ目が設備資金、そしてもう1つが運転資金です。設備資金は投資が行われる際、土地や建物・機械などの設備の取得に必要な資金を銀行から融資していただく際の資金になります。こちらは土地や建物を購入する一時的な資金負担で、長期的に考えますと設備を取得する一時的な負担でしかありません。
しかし運転資金は商売をする続ける上で発生する立替の資金負担のことになります。左下に図を示しておりますが、売上債権と在庫を足したものから小さいものを引いていただいた金額、これは商売を続ける上では必ず必要になってくる立て替えの資金負担です。この資金負担は売上が増えることによって、売上債権、在庫、仕入債務の量も増えますので経常運転資金の金額も増えていきます。設備資金と大きく違うところは、商売を続ける上で常に資金負担が発生することになります。右に図を示しておりますが売掛金在庫に合わせて運転資金も膨らんでまいります。
それでは、運転資金を長期の借入で借りていた場合の説明をさせていただきます。売上の増加に合わせて必要な運転資金は増えていきますので、そこにあてている借入が長期の借り入れの場合ですと、毎月返済が発生しておりますので、この借り方をしていますとキャッシュがどんどんと減ってしまいます。もう少し詳しく申しますと、必要な運転資金を全額長期の借入で借りていた場合、最初の1年目は借入で全てが賄えていますが、2年目はそこから返済をしてしまいますので、その返済分の足りなくなった分は自己資金を用いて運転資金を賄うことになります。自己資金を用いるということは、もちろんキャッシュが減ってしまうということになりますので、運転資金を長期の借入で借りていた場合は、どんどんキャッシュが貯まらない体制になってしまっていることになります。
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