多くのカスタマーサクセス(CS)組織において、メンバーが10名、20名と増える「拡大期」を迎えると、共通の課題が浮上します。それは、「メンバーのスキルや熱量に依存し、顧客フォローの品質がバラバラになってしまう」という壁です。
カスタマーサクセス本来の特性は、「どの担当者が顧客の担当になっても、属人化せず、常に一定の高い品質でフォローを提供し、顧客を成功へ導くこと」にあるはずです。
しかし現実には、優秀なメンバーの個人技に頼った対応になりがちで 、組織としてスケールしていくことの困難さに直面することが見られます。
高度な組織運営における体系的なマネジメントシステムを活用し、個人に頼らない「一貫したマネジメント」を組織的に構築するためのポイントを解説します。
結論からお伝えすると、CS組織において「誰もが一定の品質で顧客をフォローできる強い体制」を築くための最大の盲点は、管理者の役割・管理行動そのものが共通化されていない点にあります。
プレイヤーとして優秀だったメンバーをリーダーに引き上げたものの、以下のような「マネジメントの問題」が発生していないでしょうか。
・組織の事業計画や目指すべき方針を、現場の担当者の日々の行動プロセスにまで正しく落とし込めていない。
・管理者から部下への声かけやフォローが、手のかかる特定の部下などに偏っている。
・データに基づく月次の進捗レビューと軌道修正が行われておらず、未達の際に「今月はもっと頑張ろう」という精神論で終わっている。
これらは、管理者個人のスキルの問題ではなく、「組織としてマネジメントを行うための共通の型(アプローチ)」がないために起こる現象です。
カスタマーサクセスは、顧客の状況を察知して先回りして動く「能動的(プロアクティブ)」な組織です。しかし、ここに属人化を招く2つの罠があります。
原因①:「手厚いフォロー」の定義が個人に委ねられている
現場のメンバーは「顧客の状況に合わせるため」という環境の下、自身のセンスや判断で動きを変えてしまい、対応プロセスがブラックボックス化しがちです。
組織の方針を全員がブレイクダウンし、「何を、どこまで実施すれば正しい行動なのか」を共通言語化する必要があります。
原因②:管理者が「特定の部下」だけにアプローチを偏らせている
マネジメント層の行動を俯瞰した際、フォローが特定の個人に偏っていないかを厳格にチェックできている組織は極めて稀です。
高いパフォーマンスをあげているメンバーやパフォーマンスが停滞しているメンバーも含め、「チームの全メンバーに対して規律を持って満遍なくアプローチ(面談やコーチング)できているか」という仕組みがなければ、組織全体の底上げは難しくなります。
COPC® CX規格のフレームワークをもとに...
