電話対応の疲弊から現場を救う
営業店やコールセンターに絶え間なく鳴り響く電話の対応に追われ、本来注力すべきコア業務に十分な時間を割けない。
こうした現場の疲弊と生産性の低下に頭を抱える地方銀行の経営層や実務担当者の皆様は少なくないのではないでしょうか。
現在、多くの地方銀行において、スマートフォンアプリやWebサービスを通じた「非対面チャネルの利便性向上」を急ぐ動きが加速しています。
営業店やコールセンターにおける電話対応を削減しつつ、同時に顧客体験(CX)を向上させるというこの取り組みは、単なるコスト削減策ではなく、次世代に向けたビジネスモデル変革の重要な試金石となります。
本コラムでは、金融機関における非対面チャネル強化の現在地と、現場が直面する課題、そしてその解決策について考察します。
事象の整理と背景
今回着目する事象は、地方銀行が非対面チャネルの利便性向上を急務と捉え、電話対応の削減と顧客体験(CX)の向上を両立させる取り組みに本格的に着手しているという動向です。
この背景には、深刻化する労働力不足と、それに伴う抜本的な生産性向上の必要性があります。従来型の「対面・電話中心」のサポート体制を維持することは、人的リソースの観点から限界を迎えつつあります。
加えて、顧客側の行動様式の変化も見逃せません。
幅広い世代でスマートフォンの普及とデジタルシフトが進み、「いつでも、どこでも、自分のタイミングで」金融サービスを完結させたいというニーズが急速に高まっています。
残高照会や振込、住所変更といった定型的な手続きのために、営業時間内に電話をかけたり来店したりすることは、現代の顧客にとって摩擦(フリクション)となり得ます。
つまり、非対面チャネルの整備は、金融機関側の業務効率化だけでなく、顧客の利便性を飛躍的に高めるための不可欠なインフラ構築と言えます。
船井総研の視点と課題提起
しかしながら、数多くの金融機関の現場を見てきたコンサルタントの視点から申し上げると、単に「電話窓口を縮小し、Webへ誘導する」だけでは、想定した成果を得ることは困難と考えられます。
最も陥りがちな罠は、デジタルツールの「導入自体」が目的化してしまうことです。
例えば、AIチャットボットや高度なFAQシステムを導入したとしても、顧客が自身の疑問を自己完結できる設計(UI/UX)になっていなければ、結局は「使い勝手が悪い」と判断され、最終的にコールセンターや営業店へ電話が殺到する事態に逆戻りしてしまいます。
ここで提起したい真の課題は、「顧客の自己解決率をいかに高めるか」という導線設計の巧拙と、「デジタルで処理すべき定型業務」と「人が介在すべき非定型業務(相続、事業承継、高度な資産運用相談など)」の明確な切り分けです。
非対面チャネルへの移行を推進することは、単に電話を減らすことではなく、捻出された人的リソースを、高い付加価値を生む「提案型ソリューション営業」へとシフトさせるための全社的な戦略再構築でなければなりません。
解決策としての「協業」と導線
このような、システム導入にとどまらない「顧客接点の再設計」と「業務プロセスの抜本的見直し」を、行内の限られたリソースとノウハウだけでスピーディーに推進することは、極めてハードルが高いと言わざるを得ません。
そこで有効な一手となるのが、外部の専門知見とリソースを活用する「船井総研との協業(アライアンス)」です。
船井総合研究所では、全国の地域金融機関様におけるDX推進や非対面チャネル強化の成功事例、さらには失敗から学んだベストプラクティスを豊富に蓄積しております。
私たちが伴走することで、顧客視点に立った最適なUI/UXの設計から、現場行員の意識改革、そしてコア業務へのシフトに向けた組織体制の構築まで、一気通貫での実行支援が可能となります。
自社の変革スピードを加速させ、顧客に選ばれ続ける金融機関へと進化を遂げるために、確かな実績を持つ当社との協業を新たな一手としてご検討されてみてはいかがでしょうか。

