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企業情報
- 会社名 株式会社 ありがとうサービス
- 設立 2000年10月
- 従業員数 183名(平均臨時雇用者数762名)※2021/2/28 現在
- 事業内容 リユース店の経営飲食店(レストラン・ファーストフード)の経営、その他 温浴施設等の経営不動産の賃貸
支援で得られた成果
①販売不振に陥っていた店舗のV字回復、これまでを上回る売上になり、利益率も向上
②指定管理者を務める道の駅の商品開発、ブランド化で収益を確保。今後の足掛かりを構築
1.プロジェクトの概要
プロジェクト開始前の課題
- 販売店の不振
- 指定管理者を務める道の駅の活性化
提供したソリューション
- チョコレート専門店への業態転換
- 道の駅で製造する商品の開発、ブランド化
導入後の効果
- 販売店の売上・利益アップ。メディア紹介多数
- ブランド商品の収益化で業績向上、今後の事業展開の礎構築
2.プロジェクトの詳細
〇高価格帯チョコレート専門店プロジェクト
ありがとうサービスは愛媛県を中心に、リユース店や飲食関連のフランチャイズ事業のほか、地方創生事業を手掛けている会社です。
同社が経営するベーカリー、スイーツの併売店舗の売上が低下していて、売上拡大が課題となっていたときに、船井総研の「単品スイーツ専門店」の広告をご覧になり、セミナーに参加されました。
セミナー後に相談を受け、船井総研が提案したのは「商品点数を絞った高価格帯のチョコレート専門店への業態転換」です。
同社の代表取締役最終経営責任者、井本雅之氏は商品数を絞り込むこと、価格を上げることに対して当初は懐疑的でしたが、「商品は絞れば少人数運営ができる」など、単品だからこそのメリットや、「その場で作るシズル感」などで高価格帯商品への転換が可能なことを伝えました。
このほかにも、チョコレートの市場が拡大していることや、近隣の商圏調査を行い、高価格のチョコレート専門店があることから、専門店に勝算がある、高価格帯への転換が問題ないことを説明しました。また、繁華街にある店舗の立地的にも、新規参入で十分勝算があることを伝え、納得いただいています。
コンセプトが固まった後、船井総研が店舗設計のほか、商品開発や製造ライン構築など、店舗のコンセプトが実際に形になるための段取りを支援しました。
そうしてオープンしたのが「ショコラトリー ツムギ」です。おしゃれな内装にこだわり、またガラス張りの扉で、外からも商品のショーケースが見えるつくりにしています。
高品質のチョコレートと、卵や塩、小麦粉といったチョコレート以外の食材も、パティシエが選び抜いた愛媛県の食材を多く使用した商品を店内で製造、販売。カフェスペースも設置しました。
ショコラトリー ツムギがオープンしてからの反響はすさまじく、12時のオープン時点で行列ができ、15時には売り切れる状態が連日続きました。
メディアでも多々取り上げられ「愛媛松山の新しいお店」として人気になっています。
業態転換前は月の売上が300万円前後だったのが、500万~550万円に伸びました。
現在はオープン直後に比べ客足は落ち着いていますが、それでも売上を400万円は毎月確保できています。
売上が伸びただけでなく、高価格の専門店に切り替えたことで、利益率が向上し、効率化して生産性も高められました。
同店はフランチャイズとしてほかの地域からも引き合いが来ており、新たな事業として同社は力を入れる予定です。
〇道の駅のリブランディング、短期収益化プロジェクト
ありがとうサービスは、愛媛県内にある道の駅の指定管理者を多々務めています。
そのなかの1つ、愛媛県西予市にあるのが「ほわいとファーム」です。
10年以上前に市が造った施設ですが、運営が厳しくなって企業に委託することになり、同社が指定管理者となりました。
アクセスに難がある場所に位置していることから、まず人を集めるだけでも難しい、収益化には5年はかかるのではないか、と考えられていました。
相談を受けた船井総研が提案したのは①人が来たときに売るものを作ること ②まずは収益源を確保し、そのうえで長い目でのリニューアル等を行っていくことです。
船井総研は、ほわいとファームの収益化には、ほわいとファームで製造するものをブランド化し、愛媛県内で売り出していくことが重要と提案しました。
商品開発をするにあたり、価格帯調査や実際に販売するものの提案を、日本全国の同じようなケースで販売しているものなどを例に行っていきました。
そうして誕生したブランドが「のむラテパン」です。酪農が盛んな地域の特性を活かして、牛乳を使用したパンを作成、ありがとうサービスが経営する今治デパートの展開しているショッパーズ大洲店を一部改装し、食パン専門店としてのむラテパンを販売しました。
のむラテパンの開発までに要した期間は5カ月ほどで、2021年10月からショッパーズ大洲にて販売開始しています。
売れ行きは好調で、それまで総菜パンなどを売っていた同店の売上は120万~150万円/月でしたが、200万円にアップしました。品数を絞った高級食パンに業態転換したことで、売上だけでなく利益率も向上しています。
その後も、新たに開発のできた商品は次々販売していき、これまでにクリスマス商品、父の日限定の商品などを販売してきました。
船井総研では、ありがとうサービスの業態転換、新商品開発をサポートしただけでなく、社長の思いを受けて現場が動く、実現するための形の構築に力を入れました。
その事業を行うことの意味、目的を社長の井本氏と共有し、井本氏に大きな構想をイメージとして現場の従業員に伝えてもらったあとで、具体的にすることをTo doに落とし込んでいきました。
その際は数字を用いて「ほわいとファームの維持管理だけでこれだけの費用が発生しています。来場者収入はこのくらいで、それだけでは赤字ですから、来場者収入以外の収益源をこのくらい確保する必要があります」というように説明しました。
それにより、従業員にとってそのTo doを行う意味が明確化し、動きやすくなっています。
新店舗のオープンはスケジュール管理が特に重要なので、遅れがちなところに関して担当コンサルタントが訪問やZOOMで月に3~4回打ち合わせて、細かく進捗を確認することで徹底サポートしました。
ほわいとファームの活性化はまだ始まったばかりで、ありがとうサービスは将来的に、「アクセスには難があるものの、わざわざそこに行くだけの価値があるもの」になることを目指しています。
コロナもあり、現状はほわいとファームを「車で行く、開放的な場所」となることを目指しています。ガーデニングのプロを呼んだりして、動物と触れ合える場所を設けたりと、施設リニューアルを進めているところです。
3.船井総研を選んだ理由
ありがとうサービスの代表取締役最終経営責任者、井本雅之氏に話を伺いました。
「それまでのパンとスイーツのお店の売上が低迷して、このままやっていてもうまくいきそうにないと感じていたとき、船井総研のチョコレート専門店のセミナーの広告を見て、話を聞き、店舗の改善策を相談しました。
それに対する『チョコレート専門店にしましょう』という提案に、最初は『これはダメだ』と思いましたね。店舗は品数を多くして、たくさんの商品を置いてこそ人が来てくれるもの、という考えがありましたから。商品開発の責任者からも反対されました。
ただし商品数を絞って専門店にすることで単価も利益率も上げられる、商圏的に十分その形が作れると、船井総研のコンサルタントから商圏調査の数字などをもとに説明を受けているうちに、勝算はあるのではないかと思うようになりました。担当者の熱意からも、自分の提案に自信を持っているのだろうと感じ、私からも商品開発の責任者を説得しました。
実際にチョコレート専門店がオープンしたあとは、すぐに売り切れレベルの大繁盛店になったことから、今の時代の店舗のあり方も変わっているのだと、私自身考えを改めたところです。
ショコラトリー ツムギは現在フランチャイズのお話を様々な地域からいただいています。今回オープンしたお店は、愛媛県の優れた食材を用いた商品を製造・販売していますが、県外で展開する店舗は、その地域のよい食材を活かす形を考えています。
道の駅の活性化は、私が地元愛媛県の活性化のために、長い時間をかけて行おうと考えていることで、船井総研の『まずそこで物を作って売り、収益を上げましょう』という提案には、驚かされたとともに、そのようなやり方もあるのだと教えられました。
船井総研には、商品開発では『ほかの地域ではこのような商品がよく売れている』といった情報を多々教えてもらいました。それが実際の商品づくりに大きく役立っています。
店舗のオープンは時間との勝負、いかに予定通りに進行できるかが重要でしたので、私の構想を現場の従業員が具体的に行う内容に落とし込む、スケジュール通りに進めていくうえで船井総研に果たしてもらった役割は大きかったです。担当のコンサルタントからは、現場とやりとりをしているうえで気になる点などを適宜私にフィードバックしてもらい、進行のボトルネックとなる部分を解消していくことができました。
担当のコンサルタントは顧客思考で一生懸命に考えて、自分よりも年が上の現場の人間とやりとりをしてくれていると感じています。
業態転換、ブランド化による収益化のコンセプト作りだけでなく、どう実行、実現していくかまでを、粘り強くサポートいただきました」
4.担当者コメント
「高価格帯チョコレート専門店プロジェクトでは、ありがとうサービスの立地的に非常に強みのある物件の、その強みを最大限に活かすための方法として、実現までを支援させていただきました。
ありがとうサービスは、地元の有力企業として愛媛県に貢献したい、愛媛県をよくしていきたいという思いを強くお持ちの会社です。苦戦していた道の駅の指定管理者を引き受けられたのも、誰からも『よく引き受けましたね』と言われるそうですが、そこには目先の儲けを超えた想いがあります。
その想いを実現するための、まずできる収益化、ブランド化をお手伝いさせていただきました。
収益を上げながら、今後も同社の目指す『そこに行くことが目的となる場所づくり』をサポートさせていただきたいと考えています」
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