今の時代に行うべき人事戦略
まず採用のポイントは、『入り口を管理して優秀な人材をとる』ということです。しかしながら皆様もご存知の通り、年々優秀な人材を採用することが難しい状況になってきています。だからこそ改めて、優秀な人材を採用するために三つ押さえていただきたいポイントがございますのでこちらからお話を進めて参りたいと思います。
採用のポイント
まず、一つ目のポイントは「誰に」ということで、ターゲット層(年齢・性別・経験など)をしっかりと絞ることが大切です。
そして二つ目が「何を」ということで、自社独自の強みが何なのかというところをしっかりと押さえておく必要性があります。加えて、自社の強みだけではなくて今の令和時代に合った労働条件の見直しもしていかなければいけません。このように求職者に向けて何を訴求しているのか、できるのかといったところを整理することが二つ目のポイントでございます。
そして三つ目は、「どうやって」ということで、先ほどお伝えしたターゲットに自社の強みをどう伝えていくのかというところも重要になります。採用は片手間ではできないため、採用を強化していくには、実現するための体制を整えることも必要です。
その上で、ターゲットが見る媒体は何なのか、どういった媒体に出稿することが自社にとって一番よい手法なのか、というところもしっかり押さえておく必要性があります。
ですので、改めて「誰に」「何を」「どうやって」が非常に重要になります。そしてこの三つのポイントは、実は新卒採用だけではなくて中途採用にも活かせます。
ですので改めて「まだ新卒採用に取り組めていないよ」という企業様もこの三つを押さえていただきながら採用を強化していただければと思います。
ここからは、先ほどご紹介した三つのポイントを活かしたことによって、新卒採用で成功されている企業様の事例をご紹介させていただきながらお話を進めて参りたいと思います。
まずは先ほどの三つを押さえただけで『新卒採用がたった5年で応募者数が15名から60名に!さらに採用数が5名から10名』になったサロンさんの事例です。
では、このサロンさんが具体的にどういったことをしていったのかというお話を今日は簡単にではございますがご紹介させていただきたいと思っております。
まず先ほど「誰に」「何を」「どうやって」というお話をさせていただきましたが、具体的に行なっている内容はスライドの通りです。冒頭でもお伝えしましたが、「誰に」というお話でいきますと、ターゲット層が絞られていないサロン様がよくいらっしゃいます。
実はこのターゲット層を絞っていない、つまり“誰でもいい”という求人は、求職者へは響かず、採用ができない典型的な例です。だからこそしっかりターゲット層を絞ってその方にしっかりと訴求できるような内容を伝えるのが一つ目の大事なことです。
そして二つ目がそのターゲット層に響くようなポイント・メリットが何かというところです。例えば、ただ媒体に出しているだけでは採用はできません。年々皆様もご存知の通り媒体も増えてきていることから、目的や欲しいターゲットに合わせて媒体を変えていく必要があります。
ではここからは、どのようにターゲットや自社の強みを設計しているのかということをお伝えして参りたいと思います。
まず、ターゲットを決める上で必要なことは自社・競合・市場の状況把握が大切です。
例えば自社の状況把握でいきますと、全従業員の方々にアンケートを取り、「スタッフが思う自社の強みは何か」「自社のどういったところが良いと感じているか」「どういった特徴のある方が稼いでいるか」「どういった方が長く勤めているか」などのような項目から、自社に合う人物像の選定をされています。加えて、市場分析・競合分析もしっかり行い、「自社でいくと、年齢は〇歳くらいで、〇〇が出来て、〇〇が好きな方・・・」といったようにターゲットを詳細に決めていただいております。
是非、ターゲット層が絞れていない、決まっていない企業様がいらっしゃれば、まずこちらから始めてみてください。
続いて自社の強みの明確化=「何を」というところでございます。こちらでいきますと、自社の強みが何なのかというところを整理する必要性があります。よくあるサロンさんでいきますと、「アットホームです」「デビューまでの期間が2年きっています」「教育体制に力を入れています」といった打ち出しをされています。しかし、実はそれは差別化にはなりません。
ですので、例えば「デビューまでの期間が短い」という話でいくと、「デビューまでの期間が短くて、かつデビュー後も売り上げはこれぐらいの方々が多いです」というように、なぜデビュー期間が短いのか、そしてデビュー期間後もどのように活躍できるのかといったところまでしっかりイメージがつきやすいような訴求をしていかないと、年々採用というのは難しくなってきております。こちらは、新卒採用はもちろんのこと、中途採用であればより重要なポイントです。自社の独自の強みが決まっていなければ、説明会をしていただいても求人を出していただいても採用はうまくいきません。
とはいっても「自社の強みがなかなか見つからない…」「何を強みにしたらいいかわからない…」という企業さんもいらっしゃるかと思いますので、そんな時には船井総研などのような外部を活用いただき、明確にしていただければと思います。
とはいえ、自社の独自の強みを明確化するというところももちろん大事ですが、加えて労働条件も時代に合わせてしっかり改正する必要性がございます。労働条件というところに関しましては、年々変えられている企業様もあるのではないかなとは思いますが、改めて皆様に押さえていただきたい項目についてもお伝えしておきたいと思います。
押さえていただきたい七つというのはこちらの項目です。皆様もご存知の通り、新卒採用の場合ですと今後採用する世代はZ世代になっていきます。その中でZ世代と呼ばれる世代が求める条件というのがこの七つです。
この七つですが、具体的にどういった形で変わってきているのかというところも簡単にご紹介させていただきますが、本日第1講座で人事戦略も1.0から3.0に変わってきていますよということをお伝えさせていただきました。ですので、改めてそちらの1.0から3.0の時代の流れに合わせてこちらの条件についてもご紹介させていただきます。
具体的にどのように変わってきているかというと、このように変わってきております。
特に皆様に見ていただきたい項目としては右側の3.0です。例えば、休日を例に出すと都内であれば週休3日という条件があります。つまり、より働きやすく、生産性をしっかり重視していきながらプライベートも充実できるような新しい働き方というのが大幅に増えてきている時代になってきております。
とはいえ、すぐにこの3.0に移行するのは難しいかと思います。ですが、徐々に3.0のような体制に移管していく取り組みをしていかないといけないというところは押さえていただければと思います。
本日は時間が限られておりますが、中でもお給料と福利厚生の二つを参考までにご紹介させていただければと思います。
まずお給料に関してですが、皆様のサロンではアシスタント・スタイリストの最低給与をいくらで設定をされていらっしゃいますでしょうか。
実は、アシスタント・スタイリストの全国の給与の平均を出すと、年々上がっています。
こちらの表で押さえていただきたい点としては、赤枠のところになります。
皆様もこちらの表を見ていただいて、「アシスタントは20万円切っているからちょっとまずいんじゃないか」と思われているサロンさんや「スタイリストであってもなかなか25万円以上は出せていない」というサロン様もあるのではないかなと思います。
ですが、今後人事戦略3.0では、アシスタントの21万円以上、スタイリストの25万円以上はマストになってくる時代になってきます。ですので、改めて給料の引き上げをしていかないと、選ばれなくなってくる時代になるというところは押さえていただきたいところです。
とは言え、給料を上げていこうと思うと、売上が伴っていなければ、上げたくても上げられないですよね。ですので、給与を上げるためにも売上を上げる必要がありますので、育成の強化も必要となります。
続いて福利厚生のお話になります。こちらに関しましては実は今ご提示させていただいているのが、福利厚生の中でも絶対入れないといけない人気項目です。
人事戦略3.0の時代は、スライド左側の10項目のうち、8個以上が当てはまらないと学生さん及び中途の方を含む求職者から選ばれない時代になっていきます。
なぜ10項目のうち8項目かといいますと、地方では寮完備ができるかと思いますが、都心部では寮完備は難しいかと思います。とはいっても、寮完備または住宅手当に関しては、どちらかを提示することは差別化にもなりますので検討いただければと思います。
とはいえ、それ以外の項目に関しては今後マストになってきますので…