1.これからの日本はどうなる?
では早速本題に入りたいと思います。まずこれからの日本はどうなるのかというところを話していきたいと思っています。これからの時代とはどういう時代かと言いますと、VUCAの時代と言われていたりします。VUCAと書きまして、ブーカと読みます。どういう時代かというと非常に不確実性の高い不透明な見通しがつかないようなそんな時代と言われています。非常に難しい時代です。今までのような高度経済成長の時というのはある程度予測ができました。右肩上がりに色々なものが成長して、大体こういうふうになってくるのではないかということを予測しやすかった時代ですが、これからはなかなか予測が難しい時代と言われています。
このVUCAのVは、まず一つ目Volatilityという言葉がありますが、これは変動性や不安定なことを示した言葉になります。次にUです。Uncertaintyと言われますが、これは不確実性や不確定要素、そういったものが多いというような言葉になります。CのComplexityは、複雑性という言葉です。色々な要素が絡み合ってなかなかシンプルに物事を考えづらい、そんな言葉になります。最後のAはAmbiguityで、これは曖昧性や不明確といった言葉を示す言葉になっております。
要するに、非常に不確実性が高いために予測が難しいということです。ですから、色々な計画を立てようと思ってもなかなか立てづらいということが言われております。ですから、中長期の計画も昔よりも非常に作るのが難しくなっています。目先の予測もできないのに中長期の予測もできるかみたいなところがありまして、非常に難しい、そんな時代です。じゃあこういうVUCAの時代にはどうしたらいいのかということですが、いかに素早く変化に対応できるかどうかというのが非常に重要になってくるということです。ですから、変化に強い経営、変化に強い組織、そういったものを作っていくことが重要ということです。変化になかなかついていけないということや、変化への対応が遅いということになってしまいますとなかなか業績を上げるのは難しくなってくると感じていますので、いかに変化に対応できるか、ここがポイントになってくるかなと思います。
とは言え、少しこれからの日本を予測していきたいと思いますけれども、まずこの宿泊業界にとっては65歳以上のアクティブシニアがまず先に動き出してくるかなと思います。これは既にそういう動きも出ていますけれども、いわゆる元気なシニア、積極的に行動するアクティブシニア、65歳以上の方でもう既にワクチンを打たれている方もどんどん比率が高まっています。こういった方は重症化しにくいということで、感染対策をやりつつ旅行に今まで行けていなかったので行こうかという形で動き出している方が出てきているかなと思いますので、この辺りの客層というのは恐らく増えていくだろうということと、あと政府によりますとワクチンの希望者の摂取完了時期というのが大体10月から11月の早い時期にということですのでおそらくこの時期ぐらいになってきますと、人流増加ということで人がいよいよ本格的に動き出してくるのではないかと思います。
こういったところにどう対応していくか、これはある意味チャンスですので、変化への対応が重要になってくるかと思います。ただ、しばらくマスクはまだ取れないのではないかと思います。海外の動向を見ても、同じですけれどもワクチンはあくまでも感染の重症化を防ぐもので、感染を防ぐわけではないので感染者がやはり増えます。そういう意味では感染対策をしっかり取りながら、しばらくマスクは取れないかもしれませんけれども、だんだん落ち着いてくるということになると思います。来年後半ぐらいには、この新型コロナもインフルエンザ並みになってきて、毎年気を付けようねみたいな感じで、ただ、マスクはして寒い時期は注意しようねという形に落ち着いてくるだろうなと思っています。ただ、やはりリスクなのは変異株です。今もデルタ株が非常に猛威を振るっていますけれども、ウイルスは必ず変異していきますので、この変異株がどれぐらい影響を与えていくかというところは気を付けないといけないところかと思いますけれども、徐々に人の動きが増えてくるというところがこの業界の大きな変化になってくるかなと思います。
2.ワクチン接種後の人流増加に備える方法
このワクチン接種後に必ず人流増加してくるわけですけれども、これはある意味チャンスですので、これをいかに売り上げにつなげていくかということを考えていく必要があるわけです。まず一つは、ワークスタイルの変化が今起きています。リモートワークも増えていますし、どこにいても仕事できるねということ、あとワーケーションなんて言われてバケーションを取りながら仕事するみたいなことも出てきていますけれども、これによって平日のホテルや旅館の稼働率が上がってくるだろうということです。今までだったら土日しかなかなか休めなかったものが、仕事のやり方も自由度が高まっていまして、いつでも休めるということで平日に休むということや、ワーケーションしながら仕事するということも増えていますので、平日の稼働率が上がってきそうだなということです。
一方で、人流増加になりますと当然土日祝日の前日の稼働率は急増してくるということで、人が一気に増えてくると思いますので、ここにいかに対応していくかということがポイントになってくると思います。これにインバウンドがまた、もう少し先かもしれませんけれども復活してくると、空前の稼働率になってくるのではないかと思っていますので、この人流の増加というのをしっかりと売り上げアップにつなげていきたいなというところが考えておきたいところだと思います。
この稼働率は必ず上がってきますので、稼働率の上昇をいかに売り上げアップにつなげるかということが売上回復策の最大のポイントになってくると思っています。
3.ダイナミックプライシングで売上最大化
そこで我々が提案する仕組みが今回ありますけれども、このダイナミックプライシングという考え方です。これは業界ではもちろんレベニューマネジメントと言われていたりもしますが、仕組みとしてはこのダイナミックプライシングと考えればいいかなと思います。これはよく航空業界や飛行機の座席予約、ホテル業界からでも考え方は浸透してきていますけれども、要するに需要に応じて価格を変えていくという考え方です。需要が多い時には価格を上げていいし需要が低い時には価格を抑えた設定にして売り上げの最大化を図っていくという考え方がダイナミックプライシングだと思いますけれども、これを積極的に取り入れていきましょうということです。
既にもう宿泊業界でも取り入れられている会社さんもありますけれども、ちゃんと本格的にどの施設でも取り入れてしっかりと売り上げアップを目指していこうということです。稼働率は絶対に上がってきますので、この仕組みを是非取り入れたいなということでございます。ダイナミックプライシングの仕組みを少しご説明しますと、ここに図がありますけど縦軸に価格、上にいけばいくほど価格が上がっていくという形になっていまして、横軸が稼働率となっていますけれども、稼働率が上がるに従って、要するに稼働率は需要や人気と考えれば良いかと思いますので、需要が伸びてくると価格も上げていくという図になっております。この階段状に価格が上がっていっていますけれども、ピンクの色のところがまさに売り上げアップ分です。稼働率が上がるに従って徐々に価格を上げてきますので、この分が売り上げアップに繋がってくるということです。
一方、水色の部分、稼働が低い時というのは比較的低価格で提供しますので、ここはある意味早割的な役割になります。早く予約すれば安く泊まれるということです。この水色の部分は競争力のある価格設定をして、早割的な要素があると考えていただければ結構かなと思います。そして真ん中に固定料金と書いていますけれども、この灰色の部分というのは固定料金の場合に売り上げの最大値がここまでだと思います。価格変動させません。ただ、需要に応じてしっかり価格を上げていきますと、ピンク色の分に青色の分を引いたところが正味の売上アップ、そして利益分になってくると思います。
通常、ダイナミックプライシングをやった場合はこの上積み分は売り上げ、そして利益につながりますので、まさに機会損失をしてしまっているということです。非常にもったいないということです。これはしっかりダイナミックプライシングで売り上げの最大化を目指そうということがポイントになります。右下にポイントを整理していますけれども、一つ目はこの稼働率に応じて値上げをしていくということです。稼働率は要するに需要と考えれば結構ですので需要が多かったら、もちろん人気が高いということですから価格を上げて当然いいと思いますので、ここでしっかりと値上げをしていきましょうということです。
二つ目のポイントは急な需要増に強いと書いていますが、後ほどまた第二講座で詳しい話をしますが、自動で稼働率を計算して価格を上げていく仕組みが我々のツールです。これができると需要がどんどん、予約がどんどん入って、価格も同じようにどんどん上げていきます。そうすると売り上げ機会の損失がなくなりますし、例えばこれを人間がやっていますと、どんどん予約が入った時に気付かずに、予約が入ったままで価格を上げられずにもったいない形になることもありますけれども、これは自動でやることで急に需要が上がった時にも価格をどんどん上げますし、もし大きなキャンセルが入った時は一旦価格を下げるということがありますので、まさに需要に応じて価格をダイナミックに変化させます。そして急な変化にも非常に対応しやすいということになっています。
三つ目は・・・