プレー単価が前年比で16%アップ―仮に単純計算してみると…
本講座でお伝えする内容ですが「プレー単価が前年対比で16%も向上した理由」「ロボットを活用した自社の最適価格の見つけ方」「テクノロジーを取り入れたゴルフ場のお客様の声とは?」という三つをご紹介していきたいと思います。
まず、プレー単価が前年対比で16%アップということで、実際にイメージをしやすいように概算をしてみたいと思います。平日が1万円、土日祝が1万5,000円のコースがあったとします。これが16%アップすると、それぞれ平日は1万円から1万1,600円に、土日祝は1万5,000円から1万7,400円に値上げをすることとなります。また次に、この単価アップ分、平日1,600円、休日2,400円としたときに、1日50枠のコース、平均の稼働率が60%として試算しますと、1日あたり30枠、そしてバック数3.0で月間の売上に直してみますと、平日が30枠に3.0、22日を掛け算して約316万円の売り上げアップ、土日祝が30枠にバック数3.0、8日を掛け算したときに約172万円ということで、月間488万円の経営インパクトが16%アップしたことによって起こることとなります。これは結構な金額だと思いますが、これだけ上がるのであれば誰でも値上げしたいと思うのですが、実際はそうなっていない理由を考えていきたいと思います。
「そんなに値上げして大丈夫?」という想いがやはり生まれるからかと思います。
プレー単価が前年対比で16%アップ―“値上げ”で懸念されること
では、値上げをすることによって懸念されることを改めて整理してみたいと思います。まず一つ目はビジターで利用していただいているリピーターのお客様がいらっしゃるかと思いますが、16%アップした値段を見たときに「なんか値段が上がったな」と感じて離れていってしまったり、新規のお客様がエリアや日付で検索をしたときに値段を理由にしてほかのコースに流れてしまうのではないかというようなことであったり、お客様の満足度は価格分の価値で決まってきますので、値段が上がることによって当然期待値も上がってしまいますのでそのギャップによって口コミが荒れたり、評価が悪くなってしまうのではないかといったようなことが考えられます。
そうするとどうなるかと言うと、稼働率が悪化してそれに伴って売り上げも下がってきてしまいます。そして、お客様は近隣の競合コースに流れていってしまうというような状態を招きかねないわけです。
では、先ほどの16%アップとありましたが、どう値上げするのがいいのかということを考えていきたいと思います。
プレー単価が前年対比で16%アップ―ゴルフ場の業績を判断するための重要な指標
ゴルフ場の業績を判断するための重要な指標で、RevPATTという指標があるのでこのRevPATTを紹介していきたいと思います。ゴルフ場のビジネス、ホテル業界、航空業界同様、枠の中でいかに売り上げを最大化していくかということが鍵になってきます。ですので、販売可能な枠に対してどれほど埋まったかという稼働率と客単価を考えていきます。この稼働率と客単価を掛け合わせた数字がRevPATTになります。
具体的には例えばですが、稼働率50%で客単価が1万円のコースの場合、RevPATT指数は5,000円になります。
では続いて、稼働率が先ほどの50%から30%に下がったとして、単価が16%アップの1万1,600円の場合、RevPATT指数がいくらかと言うと、3,480円になります。
では続いて、稼働率が80%に上がって単価が16%ダウンの8,400円とした場合にRevPATT指数はいくらになるかというと、6,720円になります。
稼働率、客単価、それぞれ同じ幅で上げ下げしていますが、単価を優先した場合と稼働率を優先した場合の2パターン並べていますが、RevPATT指数を比較してわかるように単価を下げてでも稼働率を取りにいくのが正解な場合もあります。ただ単に値上げをすればいいというわけではないということが、RevPATT指数を見ていただくとわかるかと思います。
では、どうすればその枠の中での売り上げが最大化できるのかと言いますと、稼働率も客単価もそれぞれどちらもバランスよく上げていく必要があります。
では、バランスよく上げるにはどう上げればいいのかというところで出てくるのが、今回の講座のテーマにもなっていますが、ダイナミックプライシング、変動価格になります。
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