いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。100億企業化ロードマップ推進部の鈴木圭介です。成長の踊り場を最短にし、100億企業化を実現するために、バックキャスティングの重要性についてお話をさせて頂きます。
売上数十億円規模までは、既存事業の延長線上の努力(110%成長などの積上げ、フォアキャスティング)で到達できることも少なくありません。しかし、100億円という規模に到達し、持続的な成長を実現するためには、これまでの延長線上にはない「非連続な成長」が求められます。
その壁を突破する企業に共通しているのが、未来のありたい姿から現在へと遡って計画を立てる「逆算方式(バックキャスティング)」の思考法です。では、なぜこの考え方が不可欠なのか、100億企業化を達成・志向する5社の事例を見ていきましょう。
1. 「到達点」を先に設定し、経営者の覚悟と行動を決める
バックキャスティングの最大の効能は、目標を先に決めることで経営者の覚悟が定まり、取るべき行動が明確になる点です。
ウェルビングループ株式会社の玉置社長は、大学生の時にノートに「100人100億」と書き、ご自身が90歳になるまでの年表を作成していました。経営において「到達点から(逆算して)見ることはすごく大事」と語り、焦らずにバックキャストで事業を描き続ける重要性を説いています。
また、株式会社筑水キャニコムは、売上が49億円だった2015年に、社内で「100億円企業になる」と宣言しました。100億円へ到達するためには約2倍の売上が必要となるため、そこから逆算して現状の課題を洗い出した結果、最大の障壁であった「設備の老朽化」に気づき、国からの支援も活用しながら大規模な設備投資へと踏み切りました。
同社社長が「100億までの売上は、経営者の覚悟と角度(成長の角度)さえあれば必ず行く」と断言するように、先にゴールを定めることが成長への強力な推進力となります。
2. 既存事業の枠を取り払い、未来に向けたイノベーションを生む
市場が成熟する中で、既存事業の深掘りだけで100億円に到達することは困難です。ここでバックキャスティングが、事業の多角化やイノベーションを促す起爆剤となります。
赤尾商事株式会社は、社長がシリコンバレー研修で時代が大きく変化する(EVや自動運転など)のを肌で感じたことを機に、バックキャスティングの考え方で経営改革に踏み出しました。
2018年に「2030年ビジョン」を策定し、「石油業に頼らず、世の中のお困り事を解決する会社になりましょう」という目標を決定。そこから逆算して、社員主導でスモールビジネスを多数立ち上げる土壌を作り、事業の多角化に成功しています。
3. 長期ロードマップを策定し、組織の視座を限界まで高める
「逆算」の思考は、経営陣だけでなく幹部や現場の視座を引き上げ、組織を一枚岩にするためにも有効です。
ALLAGI株式会社は、既存事業の成長と新規事業の立ち上げを推進し、9年間で売上を12倍(126億円)に拡大させました。
同社は各事業部において「2033年に実現したい姿」を明確に定め、そこから「HOP(2025〜2027年)」「STEP(2028〜2030年)」「JUMP(2031〜2033年)」という3段階のフェーズに分けて、具体的な売上・粗利・営業利益のロードマップを策定しています。
未来から精緻に逆算された計画が、幹部育成やKPI管理と連動し、組織全体を牽引しているのです。
さらに、株式会社ライズクリエイションは、現在166億円の売上から「毎年120%〜130%成長すると10年で2,600億円になる」という驚異的な試算をもとに、幹部社員とともに「10年ロードマップ」を作成しています。
「見たことのない景色を見たい」という経営の熱い想いが、逆算された数値目標を通じて組織全体に共有され、圧倒的な行動量を生み出しています。
未来からの逆算で、新しい成長シナリオを
「100億円」という数字は現状の延長線上にあることは少ないです。
バックキャスティングは単なる計画づくりの手法ではなく、既存の成功体験を捨て、新たな挑戦(多角化、新規事業、大規模投資など)に向かうための「経営者の覚悟の現れ」なのです。
「10年後に100億企業になっているとしたら、今の自社には何が足りないのか? 今、どんな種を蒔くべきなのか?」現状の延長線上の計画を一度手放し、未来のありたい姿から現在へと線を引いてみてください。
その思考の転換こそが、皆様の企業が成長の踊り場を抜け出し、次なる飛躍的な成長へと向かうための最大のブレイクスルーとなり、ムーンショット成長を実現できるはずです。
皆様の果敢な挑戦を、心より応援しております。
