工務店・住宅業界の再編動向―2021年振り返りと2022年の市況予測と対策について
冒頭3ページほど、これは昨年末に作った資料ですが、いわゆる住宅業界の時流ということでいくつか入れております。再編という言葉がありながら、あくまでご自身の会社さんで注文住宅、規格住宅も含めてですけど、それぞれの集客指数、契約指数、投資指数、市況予測、対策と入れております。これはあくまで元請けで自社で完結できる会社さんの実例ということです。コロナが激しくなってきた中でそれへの対策と、デジタル化への推進がそれぞれ入ってきております。言いたかったのは時流に適応して戦略を立てていかないといけないということがより一層強くなっています。
工務店・住宅業界の再編動向―価格帯別での事業戦略ポイント
次のページですが、今は価格帯でも特に超低価格帯などというのが出ておりますけども、お客様の幅が広がってニーズも多様化してきている中で、価格帯別でも集客の仕方、それから商品プランの提案、それと契約期間、営業手法、あと業態など必要職種も含めてですけど、考えていかないといけない、事業戦略が変わってきたということをお伝えしたいということで入れております。
工務店・住宅業界の再編動向―出店形態別の集客アップ戦略
3ページ目も集客です。集客に関しても我々の関係者の会員さんのほうで調査した結果ではあるのですけど、2020年の新規来場数で見ますと、総合展示場、それから単展、単独、それからショールーム移動式、移動式見学会、当然出店形態別での戦略構造も変わってきていますし、より総合型にお客様が流れているというのも感じておられるかなと思います。このあたりは時流予測の状態ということでお届けしています。
工務店・住宅業界の再編動向―建設業許可業者数(下請業者数含)調査の結果について
ここからは、再編の事情ということでお伝えしたいと思うのですが、国土交通省さんで建設業の許可業者数ということで年々数字が出ていまして、少し前のデータになりますが、見ての通りグラフの一番上の黒いラインでありますけど、許可業者数自体は年々減少に至っています。最近は微減というような動きもありますが、中堅、大手の業者さんはより多くの新築棟数、契約棟数を増やして、数も増やしながら効率的な運営をするという中で、中小企業、下請けさんも含む数字になっていますけども、買収や合併や廃業など様々なかたちで減少するという動きが増えているということが表わされています。新規の業者数さんも少しずつ減ってきているというのが実情です。
工務店・住宅業界の再編動向―新設住宅着工戸数の推移について
それから新設住宅着工戸数ということで、ここには貸家、給与住宅、分譲住宅、持家と入っております。業界の方々ですので聞いてらっしゃる部分もあると思いますが、1番上が少し濃くなっているのは持家ということで、2番目が分譲です。見ていただくとこの30年強で分譲住宅の戸数自体は大きくは変わっていないです。比率が増えてきていて、いわゆる注文の戸建て住宅に関しては減ってきているというのが実際あります。お客様のニーズ自体も今多様化してきて、企画住宅や中古住宅も求める方も増えてきている中で、注文の部分が落ちてきているというのが実際かと思います。分譲に関しては維持されています。業者さんの中では工法や商品もあるのですけれども、より効率的に事業運営をしていかなきゃいけないという意味で注文住宅からローコストや分譲など変わってきているというふうに思われます。
工務店・住宅業界の再編動向―大工就業者数と年齢構成について
それから、業界の再編に関わることをいくつか入れてみたのですが、施工する大工さんの就業者数、いわゆる年齢構成このあたりは今業界を超えて社会問題になっているとこもありますが、20年近くの中で半減しているということです。60代、70代というようなかたちで、これは少し前のデータですが半分近く、半分超えてきていますが、60代以上の方が多くなって引退されて辞められる方も増え、担い手不足というのが予測されるということです。いわゆる一人親方というのが減っていて下請け構造も変わってきているかとは思います。なかなか下請さんの数自体もやはり減ってきているので、元請けさんの工法や商品にも変化が生じてきているというのが実態かと思います。あるいはオペレーションのやり方を変えていかないといけないです。
工務店・住宅業界の再編動向―建築業界の下請け構造について
それから下請けの構造ということで、業者数が減っている、新築棟数も減っている、注文の棟数が特に減っているという中で、元請けさんに関しても1社当たりの棟数は増えてきていて、ただ増えていったとしてもなかなか利益を上げられないと意味がないということで、効率的な運営をしなきゃいけないとなると、下請けさん、孫請けさん、下請けのこの皆さんに対するやり方も考えていかないといけないということです。当然下請けさん、孫請けさんの状態も右のほうに色付けをして書きましたが、元請けさん自体は社数が減っている中で棟数は増えてきていますので、生産性を上げて利益を上げるためにはどのようなオペレーションするのだということにかなり力を費やされています。下請けさんあたりは部材が高騰している、人材もなかなか集められない中で、ご自身が下請けの脱却をするケースもあるし、オペレーションを変えていこうという動きもあるということです。孫請け、ひ孫請けと書いていますけど、このあたりは安定的な経営がなかなかできなくなってきていて合併や買収の対象になっていたり、いわゆるそこまでいかず廃業というか引退廃業というようなケースも非常に増えてきたかと思います。そのような中で元請けさん、下請けさんはどう効率的に運営しなきゃいけないかという方向に余儀なくされているという構造になってきているかと思われます。
工務店・住宅業界の再編動向―新型コロナウィルスが及ぼす影響(ウッドショック)について
新型コロナの影響でご存知の通りウッドショックもありまして、ここも利益を圧迫するようなところにあると思います。今日は特にマイナスのことを強く言いたいというわけではないのですが、事実として現実的にあるというところです。
工務店・住宅業界の再編動向―既存住宅流通・リフォーム市場の拡大について
あるいは国の動きとしてということもありますし、顧客のニーズとしてもというところですが、新築もいいのですけども、既存住宅をリノベーションやリフォームして、それを買ってリフォームしてというようなそういう会社さんも増えてきましたが、いわゆる既存住宅をどう活かすか、新築だけに限らず、ストックが増えてきているということでそういう方向への需要もどんどん拡大しているという動きです。
工務店・住宅業界の再編動向―業界再編の動向について
整理をしてみます。これは別に工務店・住宅業界に限らずですが、私は不動産も絡んでいましたので同じくリフォームもそうですが、今回コロナで未来が早まったのではないかと言われている業界の方もいらっしゃいますけど、より時流適応した戦略、これは商品価格帯別の商品でも、それから集客においても時流を考えていかないと勝ち残れない、それからお客様のニーズが大きく変わっていると、それと運営も変えていかないと利益を出せないといった棟数が増えるからいいというものではないということです。
二つ目、先程も言いましたような業者さんの新築の着工数が減っている中で、ストックへの需要移行もあるし、コロナの影響もあって言葉としてはあまりいい言葉にとらわれないかもしれませんが、成熟期からいわゆるいよいよ衰退期という言葉が出されるようになってきました。
一方、大手のハウスメーカーさんやローコストのメーカーさん、あとは分譲のメーカーさんなども台頭してきましたが、あるいは地域で総合一番店と言われているような不動産やリフォームや関連事業も含めた総合会社さんが出てきましたが、ゼネコンさんがやられているケースもありますけど、地域で限られた企業さんで契約棟数のシェアを占有していくというような動きが、地域で3社4社あたりに集中していくというような流れが出てきていると感じます。
三つ目、日本は人口世帯数が増え続けて、新築着工数も増え続けているときは、いわゆる量を確保しようということで質より量というところが多かったのですが、やはり中身ということで質への追及が中心になります。当然工法や商品の質というのもありますし、営業から施工に至るオペレーションでの生産性をどう上げるか、昨今でいうとやはりデジタルシフトが急務になりました。非常に遅れていると言われていた業界ですけども、急速に今動き出しています。そのような中で先程も言いましたけど、下請けの構造も少しずつ職人さんが減っていることや特に部材の高騰などもありますけど、下請けさんの構造も変わっていかないといけないということで、脱却して元請けになろうという会社さんも出てきたり、合併したりというような動きもあります。
あとは、本格的にDX(デジタルトランスフォーメーション)で大きく業態を変えていこうという動きもありますが一定の棟数の実績がないとなかなか難しいと言われております。
そして、一番下ですが…