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企業情報
- 会社名 株式会社リバティ
- 設立 1996年
- 従業員数 375人(パート・アルバイト含む)
- 事業内容 中古、新車の軽自動車販売のほか、車検や修理、鈑金塗装、自動車保険代理業、カー用品販売などカーライフのトータルサービスを提供
支援で得られた成果
- 中古軽自動車販売のドミナント戦略で売上100億円突破
- 後継者も含む幹部、人材育成
- M&A支援による200億円突破
- 中古軽自動車販売、ドミナント戦略の次の戦略を提案、さらなる成長をサポート
1.プロジェクトの概要
プロジェクト開始前の課題
- 「どこにでもある店」からの脱却、さらなる成長
提供したソリューション
- 中古軽自動車販売へのシフト、ドミナント戦略
- 採用、人事評価制度の構築
- 後継者育成サポート
- 船井総研の研究会を通じたM&Aの仲介
- 離れたエリアの販売店出店サポート
導入後の効果
- 「京都・滋賀の車屋さん」の確固たる地位確保、売上100億円突破
- M&Aによる成長の加速
- 後継者の船井総研・事業会社での成長
2.プロジェクトの詳細
- 「中古の軽自動車販売店」への転換
- 会議、評価制度の変更。人材育成
- M&Aを仲介、新たな成長をサポート
- さらなる成長を目指して「中古軽自動車販売店・ドミナント型戦略」から脱却する新展開
3.船井総研を選んだ理由
「中古の軽自動車販売店」への転換
リバティは中古や新車の軽自動車を販売している会社で、グループ会社4店舗を含めて京都・滋賀・大阪を中心に15店舗を出店しています。船井総研が支援を開始したのは2008年で、同社の代表取締役、蓮尾耕司氏のお兄さんのご紹介でした。
当時のリバティは創業して3年ほどで、店舗は1つのみ、中古の高級車や高額な中古車を販売し、売上は10億円ほどでした。
船井総研は、「主力商品を時流の中古の軽自動車にしましょう」と提案しました。
「車は一家に1台ではなく1人1台」の地域では、嗜好品としての高級車よりも、移動手段としての車のニーズが高く、それには価格が安く運転のしやすい中古の軽自動車のほうが適しています。
中古の軽自動車販売ビジネスはヒットし、順調に成長したことで売上は40億、50億と大きくなっていきました。
中古軽自動車販売の形を確立できたことで、次に行ったのが「カーライフのトータルサービス提供」と「ドミナント戦略」です。
自動車の販売にとどまらず、車検や修理、鈑金塗装、自動車保険、カーナビなど車の付属品販売など、リバティで車を買った顧客を車の販売後もケアし続けられるようにし、それに伴いその都度で売上が立つビジネスモデルを整備しました。
また、そのモデルを広範囲に展開するべく、京都府・滋賀県・大阪府を中心に出店を進めていきました。久世郡の久御山本店に次いで、滋賀県で栗東店、大津店、彦根店と出店し、京都市南区のR171店、相良郡の京都精華店、大阪府の高槻店、八尾店と展開し、エリアを広範囲にカバー、京都・滋賀・大阪エリアでの「軽自動車を安く買うならリバティ」の地位を確立しています。
そのような形が確立したことで、その地域での販売力を強めることができました。
それぞれの店舗で在庫車数は200~400台ほどあり、グループ総在庫は約3,000台、低価格・低燃費のタイプからどのような用途にも対応しやすいミドルタイプ、ファミリーに人気の高いスライドドアタイプや軽SUVモデルなど幅広くそろえ、その店舗に在庫していない車も、近隣の他店舗から取り寄せることが可能にするなど、近い場所に店舗があることの強みを活かしています。
会議、評価制度の変更。人材育成
事業が成長するのに伴って課題となったのが、人材の育成です。店舗が少なく、会社の規模が小さいうちは社長の蓮尾氏がすべて見ることのできる状態でしたが、成長するとそれも困難になるので、代わりに店舗を経営する人材の育成が急務になりました。
船井総研はまず幹部社員の育成に力を入れました。それまで船井総研のコンサルティングは、蓮尾氏と担当コンサルタントが1対1で実施していましたが、会議を追加。
各店の店長とのミーティングと、部門長(営業、アフターサービス(整備、板金、保険))とのミーティング、ウェブマーケティングのミーティングを合計5つ行うようになりました。
船井総研のコンサルタントは、各店の店長や部門長の行う発表に対してアドバイスをし、新たな課題を課して次の会議までに考えてもらう、を繰り返しました。
複数店舗を経営する規模に会社が成長すると、社長の指示を待つのではなく、各店の店長が自分で考えて判断していくことが求められます。コンサルタントは、店長が自分で考え、行動できるような会議形態を構築しました。
また、そのような行動ができるようになった社員を正しく評価できるよう、船井総研で評価制度の作成を請け負いました。会社の理念や社長の蓮尾氏が重要と考えることに従っているか、といったいくつもの評価ポイントを作り、それを満たしている社員を評価する形を構築しています。
そのように、コンサルティングの形も会社の成長に伴い変化していきました。
そのほかの人材育成に関して、蓮尾氏より子息の就職先について相談を受け、船井総研に入社してもらいました。
ご子息の蓮尾優人氏は船井総研に入社し、経営コンサルタントとして活躍しました。
その後船井総研を退職してリバティに入社、元コンサルタントの経験を活かして、後述する買収した企業の経営立て直しを行うなど、現在は取締役、経営企画室室長として力を発揮しています。
M&Aを仲介、新たな成長をサポート
リバティはこれまで4社をM&Aしており、すべての企業で買収時・買収後に船井総研が関与しています。
船井総研では支援先企業を集めて様々な成功事例を共有し合う「研究会」を172立ち上げており(2021年12月末時点)、そのうちの1つに自動車販売店が中心の「モビリティビジネス経営研究会」があります。M&Aはその縁で生まれました。
買収をした会社にリバティの成功パターンを取り入れてもらうことで、収益が大幅に改善、現在はリバティグループの1つとして収益部門になっています。
同じく研究会の縁で実現した別のM&Aは「距離が近すぎたためにうまくいかなかった」のを船井総研が仲介し成功に導いたものです。
買収される側の社長とリバティの蓮尾氏は元々非常に親密な仲で、だからこそ改まって売買金額について話し合うのには抵抗があり、M&Aがうまく進みませんでした。
そこで船井総研が両社の間に入り、売買金額の算定や、当事者が直接では言いにくいことも間接的に、フラットな立場から伝えることで、買収をサポートしています。
M&Aの交渉が大詰めの頃は、船井総研の担当者が毎日電話で話すのを、2週間以上にわたり行いました。
リバティは買収されるオーナー経営者も希望者は残留し、引退希望者には買取金額増額を提示し、「リバティだけでなく、買収先のオーナー、従業員も幸せなグループ」として集客、仕入、福利厚生、採用・育成等で買収先とシナジー効果を生み、さらなる成長の加速を実現しています。
さらなる成長を目指して「ドミナント戦略の中古軽自動車販売」からの新展開
中古軽自動車販売店として成長を続けてきたリバティに、船井総研は新たな提案を行いました。
それが神戸店の出店です。
同社の展開してきた中古の軽自動車専門店は、限られた地域で自動車の関係取引先と濃密な関係を築きながら行っていくことが前提で成り立つビジネスです。
同社は京都・滋賀・大阪以外にも三重県にも出店していて、店舗の場所は広範囲になっていました。そのような状態から今後はドミナント戦略以外の形も必要になり、特に今後さらなる成長のために別の都道府県にも出店していくことを考えると、これまでのやり方を変えるべきときが訪れると考えられました。
そこで船井総研は、土地の所有者より借り手の相談を受けていた神戸の土地に、中古の軽自動車だけでなく普通乗用車の中古車も販売する店舗の出店を提案しました。
その土地は、これまでの店舗に比べると多くの経費がかかるところでした。リバティは賃料が高額になるエリア・土地には出店してきませんでしたが、その場所はこれまでの店舗の約2倍の賃料が必要だったのです。
蓮尾氏も当初は「コストが高すぎる」「採算が合うのか?」と心配していましたが、「今後のさらなる展開という“次”を考えると必要な出店です」と推薦・提案しました。
そのような経緯を経て出店となった神戸店は、オープンしてからすぐに集客数も販売台数も確保でき、収益化しました。これまで培ったリバティの勝ちパターンと言えるビジネスモデルが奏功しているほか、神戸という立地のよさを活かしてこれまで行ってこなかった様々な新しい試みを行っており、同社の新たな可能性を広げる場所になっています。
総合中古車販売店としてどういう商品構成でいこうかといった切り替えをしていただいている、普通車を売るならばこういう風に、といった話を詰めているところです。
リバティとのお付き合いを開始してから15年ほど経過し、当時10億円程度だった売上は、グループ会社も含めて現在230億を超えています。
時代の変化や会社の成長に伴い、提案する内容はその都度変化しています。
4.船井総研を選んだ理由
リバティの代表取締役、蓮尾氏は語ります。
「当社が創業して3年ほど経って、まだ『どこにでもある普通の中古車屋』だったとき、そのような状態から脱皮して、会社を成長させていきたい、どこにでもある中古車屋から差別化し、お客様に選んでいただける会社になるために、一度専門家の知恵を借りたいと考えました。
船井総研のコンサルタントの方にお会いしたとき、信用できる人だと感じ、会ったその日に『契約させてください』と頼みました。以後コンサルティング以外にも、船井総研の研究会にも入会し、それから20年間ずっとお世話になっています。
それまでも会社の成長のためにやらなければならないこと、やったほうがいいことは自分の中で考えていましたが、船井総研のコンサルタントには当時の資金力、規模などに応じて『まずこれからやりましょう。それができたら次はこれをやりましょう』というように、優先順位の整理をしてもらえました。成功への最短距離を引いてもらったと思っています。
船井総研のコンサルタントを信じて、その順番通りにこなしていきました。
また、コンサルタントには『当時の規模を考えると無茶な提案』もしてもらっています。
当社の当時の資金力、人材力からして『それはなかなか厳しい』と思うような提案を、『こうしてください』と言われることもあったのです。
ただ、そのときの自分の思考では想像できなかっただけで、確かにその提案内容を実現できるのならばそれがベストだ、と気づいたときに『できる方法を考えよう』に思考が変わりました。そう切り変われば、なんとかできる方法を考えていくことで、できないと思っていたことができた、というようなことは多々ありました。
そのようなことの繰り返しが大きな改革につながっていき、普通にやっていれば2年、3年と時間がかかることが半年でできた、といったこともたくさんあったのです。
船井総研には『今まで通り』ビジネスパートナーとして、顧客視点に立って、10年先まで見据えた支援、コンサルティングを引き続きお願いしたいと思っています」
5.担当者コメント
「リバティの蓮尾社長は、『コンサルタントの使い方が非常に上手な経営者』と感じています。船井総研を『業績を上げるための会社』と位置づけ、私たちコンサルタントに対しては『君たちの仕事は提案することだよ。僕らが考えもしない案を持ってきて』と言い、そのきっかけとなるものを持ってくることを望まれています。
そして私たちが行う様々な提案に対する『これは採用します。これは採用しません。なぜならこのような理由から』が非常に明確です。そのようなフィードバックを受けて、また新たな提案を行っています。
『自身の知見がない部分に関しては、専門家を利用する』という方針も明確です。
このほかにも、蓮尾社長には、新規出店や投資などの際に不安になることはご相談いただいています。コンサルタントを、判断軸の参考材料として活用しているのです。
私たちも、相談を受けることのうち、だいたい6~7割に対してNOと言っています。業績を上げることに寄与すると考えるものに対してだけYESと答え、実際に進んでいく形です。
最近ではデジタルマーケティングへの注力を増やすなど、新たな取り組みも行っています。
リバティはこれまで、自身が先駆者になって進めていくよりも、誰かが成功した方法を、資金力を活かしてより大きな形で行っていくのを得意としていましたが、昨今では自身が一番手となって取り組んでいこうというケースも増えてきており、会社のステージが上がるのに伴って様々な変化をしていると、支援をしていて感じます。
これからも時流や会社の状態に合わせて、そのときにもっとも最適と考えられる提案をしていきたいと考えています」
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