<本日の構成>
本日の構成でございます。「TOKYO PRO Market とは」ということで、まず TOKYO PRO Market の説明をさせていただくとともに、上場のメリットとデメリットをご説明させていただきます。
それから、上場のために準備すべきことということをご説明させていただきます。
昨今、TOKYO PRO Market の上場が増えているのですが、今日の講座を通じて、その理由やメリットとデメリット等をお話しすることによって、少しでも TOKYO PRO Market を考えてる方の選択肢が広がる機会になればいいかと考えております。
本日の講座のダイジェスト
本日の講座のダイジェストでございます。
TOKYO PRO Market は、東京証券取引所が運営する第 5 の株式市場ということで、2021 年 3 月末時点で 45 社が上場しております。そのうち約半数の 22 社が2019 年以降に新規上場した今一番ホットな話題のある市場といえます。
そして、TOKYO PRO Market は、いくつかの特徴があります。最大の特徴は、プロ投資家のみが株式を購入できるという少し変わった市場なのですが、そのため審査基準が柔軟であることや準備コストが抑えられるといったメリットがあります。その一方で、上場時の新株発行といったことによる資金調達が困難というデメリットがあります。
それから 3 番目として、TOKYO PRO Market は、市場自体が将来のステップアップに向けた市場とに位置付けられていますので、自社の成長ストーリーの中で TOKYO PRO Market をどのように位置付けるのかということを考えていただくということです。
一方で、上場すると決めた場合にはできるだけ早期に専門家にご相談いただくことをおすすめしております。
<本日の構成>
TOKYO PRO Marketは、東京証券取引所が運営する第5の株式市場だということをお話させていただきましたが、簡単に日本国内にある株式市場をご紹介するとこのようなかたちになります。
一番大きいのは、東京証券取引所でございまして、その中でもいわゆる東証一部といわれるところが一番会社数が多く、4月27日時点で、2,191社の上場企業がございます。PRO Marketは45社ということで、この中では一番規模が小さい市場にはなります。
右側には、東京市場以外に札幌、名古屋、福岡ということで各地の証券取引所もあるということを参考までに記載しております。
TOKYO PRO Market上場企業
TOKYO PRO Marketの上場企業数ですが、45社あるということでこれが一覧になりますが、市場自体は2012年に最初に上場した会社があるのですが、2019年から過去直近の3年間で半分ぐらいの会社が上場しているということで、ここ3年で急激に上場する会社が増えたという市場でございます。
年間の上昇企業数は、右肩上がりに伸びているということで、2020年は過去最多となる10社が新規上場をしております。2021年は、まだ第1四半期の1月から3月のみなのですが、その3カ月間で4社が上場しているという状況でございますので、これから上場企業はますます増えていくのではないかと考えております。
TOKYO PRO Marketとは
TOKYO PRO Marketの四つの特徴をご説明させていただきます。プロ投資家向けの市場であるということと、形式基準なし、それから事務負担軽減、J-Adviserによるサポートという特徴がございます。
まず、プロ投資家向け市場ということで、これが最大の特徴なのですが、TOKYO PRO Marketに上場されている株式は、金融商品取引法で特定投資家という用語で定義されているのですが、いわゆるプロ投資家のみが取引に参加できるというかたちになっています。一般投資家の方は、持ってる株を売るというかたちでの参加は可能なのですが、買うという参加はできないということになっています。プロ投資家というのは、金融機関の銀行や証券会社といった適格機関投資家といわれる方々です。それから、上場企業、資本金5億円以上の株式会社ということで、自分たちが上場している会社だとか、資本金5億円以上でリスクの許容度が高い大きな会社、あるいは株式会社や金融資産3億円以上の個人ということで、個人でも金融資産3憶円以上ある富裕層といわれる方々で特定投資家に移行した方になります。これは、個人が取り引きしている証券会社に対して、「プロ投資家になりたい」ということを申請する必要があります。そこで、証券会社で過去の取引実績だとか、資産内容などを見て、「この人は、プロの投資家になっても問題がない」と認定された者だけが特定投資家になれます。金融商品取引法では特定投資家という制度がありまして、TOKYO PRO Marketに限らず普通の株を売買する場合でも、さまざまな説明書類の提出などが省略されていたり、あるいは取引できる商品の制限がないというようなかたちで、リスクを取ることができる投資家ということを特定投資家といい法律でカテゴリーされています。そのため、金融が本業であるような会社以外でも個人でもなることできるのですが、ある程度の資産があって、損失に対する許容度が大きく、かつ一定以上の知識や経験があるということで、投資家保護というものを免除してもかまわないという投資家さんに限るとされています。TOKYO PRO Marketは、投資家保護の制度を他の市場よりも柔軟にして、成長力のある企業に幅広く上場機会を提供するということが狙いであります。すなわち普通の金融市場であれば、個人の一般投資家さんが入ってきますので投資家を保護するために、いろいろな書類を出したり、いろいろな情報を開示したりということが上場企業には義務付けられているのですが、一般投資家ではなくプロだけしか入ってこないという前提なので、上場する企業に対して情報開示義務などを免除してあげるという柔軟な対応を認めているということがTOKYO PRO Marketの特徴になります。
2番目として・・・