SMB(中小・中堅企業)市場の現状と課題
SMB(Small and Medium Business)市場とは、一般的に中小・中堅企業を指します。日本国内の企業の実に99.7%が中小企業であり、雇用の約7割を占めるなど、まさに日本経済の土台を支える存在です。
しかし、SMB市場への営業活動は「非効率で手間がかかり、一社あたりの売上規模が小さい」とみなされがちでした。そのため、最先端で優秀なサービスやソリューションは大手企業へ優先的に提供され、中小企業まで行き届かないという「受給のすれ違い」や壁が存在していました。
近年では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れや深刻な人手不足、業務効率化の急務といった課題に対し、高機能なソリューションが低価格かつ低い導入ハードルで利用できるようになってきています。これにより、SMB市場は新たな成長フロンティアとして注目を集めています。
船井総合研究所がSMB市場支援に取り組む理由
株式会社船井総合研究所(舩井総合研究所)は、1970年の創業以来、50年以上にわたり中小企業とともに歩んできたコンサルティング会社です。
グループ全体で10,000社以上の顧客ネットワークを持ち、経営者が抱えるリアルな悩みや課題を熟知しています。
同社がSMB向けマーケティングやセールスのノウハウを発信する最大の目的は、良いサービスを持ちながら中小企業へ届けられていない供給側(サプライヤー)と、生産性向上を求める中小企業との間のすれ違いを解消することにあります。
双方を適切に橋渡しすることで、中小企業の成功・成長を促し、ひいては日本全体の生産性を向上させるサイクルを作り出すことを目指しています。
大手企業向け営業と中小企業向け営業の違い
大手企業向けの営業手法をそのまま中小企業に適用しても成功しません。両者には意思決定や重視するポイントにおいて大きな違いが存在します。
■大手企業向け営業
ニーズが既に顕在化していることが多く、社内稟議や複数社での機能・スペック・価格の比較評価を前提とします。
オーダーメイドでの提案が求められ、営業コストや時間はかかりますが、一社あたりのリターンが大きいのが特徴です。
■中小企業向け営業
経営者(社長)が即断即決するトップダウン型です。
社長は業務を兼務して多忙を極めるため、複雑な操作や長期間の検討には向きません。
機能の網羅性よりも「導入してどんな成果・ROI(投資対効果)が得られるか」「目前の業績改善やキャッシュフローにすぐ効くか」という即効性と実効性を最も重視します。
SMB市場で成果を出すための「4つの戦略」とプロダクト設計
SMB向け営業を成功させるためには、すべてのプロセスをSMB向けに再設計する必要があります。具体的には以下の4つの戦略歯車を意識することが推奨されます。
1.ターゲティングの明確化
細かい「業種・業界」に絞り込み、その業種特有の課題に特化した解決策を提示します。
2.マーケティング戦略(反響型営業体制の構築)
一社ずつ飛び込み営業をするのではなく、顧客側から問い合わせが来る仕組みを作ります。
3.ソリューション設計(課題解決型ソリューションの提示)
単なる機能説明ではなく、「いくら投資していつリターンが得られるか」というストーリーを伝えます。
4.営業計画(緻密な営業プロセスの設計)
あらかじめ型化されたパターンオーダーを活用し、効率的に営業を展開します。
特にプロダクト設計においては、中小企業が迷わず使えて即座に成果が出る「一点突破のパッケージ設計」が重要です。
「簡単・手軽」「専門特化」「即効性」「明確な投資対効果」の4要素を満たすことで、完全オーダーメイドでなくても十分に選ばれる商品となります。
成功事例の連鎖が日本全体の生産性を変える
中小企業の経営者は「事例主義」で動く傾向が強く、同業他社での成功事例(センターピン)を知ることで「あの会社でうまくいったなら自社でも導入しよう」と判断します。
そのため、SMB市場を開拓する最も確実なアプローチは、むやみな手当たり次第の営業ではなく、「確実に成果が出る1社の成功事例を作ること」です。
1社で強固な成功事例を作り、それをモデル化・発信して同業他社へ波及させていく「連鎖型市場」のメカニズムを活用することで、営業効率は飛躍的に向上します。良いソリューションが適切な形で中小企業へ普及し、業界全体、ひいては日本全体の生産性向上につながる好循環をともに作っていくことが期待されています。