1.はじめに
IPOに関して、正確な情報がないまま「ハードルが高い」「難しい」と判断され新規上場自体をあきらめているとしたら、貴社にとって大きな機会損失になっている可能性があります。まずは、「IPOに対する先入観」を無くした上で、正しい情報を入手し、自社にとってIPOを目指すべきか否かを確認していただきたいです。IPO検討中、IPO準備中の経営者との経営相談の中から、よく聞かれる質問をピックアップして解説します。経営者の方がIPOに関して素朴に疑問に思っていることが解消できます。
2.経営者が思うIPOに関する疑問
ここでは経営者が思うIPOに関する疑問の一部を解説いたします。
・「そもそもIPOとは?」
IPOとはInitial Public Offeringの略語で、日本語では「新規公開株」や「新規上場株式」と呼ばれます。一般的に「IPO準備」は上場準備と呼ばれます。
・「自社でもIPOできるのか?」
マザーズ市場への新規上場企業の売上高の中間値は概ね20億円、経常利益の中間値は概ね1.5億円~2億円です。(2016年~2020年の各年の新規上場企業の売上高、経常利益の中間値)そのため、売上高20億円、経常利益2億円がマザーズ上場を目指す企業様の上場タイミングの1つの目安となります。ただし、ここで大事なのは「今」の売上や経常利益ではないという点です。あくまでも「IPO時」の売上や経常利益ですので、IPO準備を始めたタイミングの売上や経常利益はどのくらいだったかを理解する必要があります。
・「IPOのメリットは?」
IPOのメリットを上場企業の経営者様にお聞きすると一般的には次の4つです。
- ①資金調達の多様性
- ②知名度や信用力の向上
- ③社内管理体制の強化
- ④役員、従業員へのインセンティブの付与
あくまでも一般的なものですので、会社ごとの特性や状況によりとらえ方は異なってきますので、自社にとって、と落とし込んでメリットを考える必要があります。
・「IPOのデメリットは?」
デメリットとして上場企業の経営者様にお聞きすると一般的には次の3つです。
- ①上場(維持)のための費用
- ②ステークホルダー対応
- ③風評リスクの増加
・「IPOに必要な費用は?」
IPOに具体的に必要な費用は、3000万円から5000万円、年間見ていただく必要があるかと思います。
特にIPOを準備の段階、また実際にIPOするタイミング、上場した後で費用は異なりますが、
概ね、毎年年間これぐらいかかるという風にイメージしていただければと思いますが、
もしこの費用をもったいないという風に思う会社さんは、上場を目指さない方が良いかもしれません。
むしろ、この費用を払ってでも、先に記載のメリットを享受できるだろう
というふうにお考えの会社さんが目指されるのが良いでしょう。
なお、TOKYO Pro Marketを目指す場合は、若干費用感異なってきており、
1500万円から3000万円ぐらい年間見ておくと良いかと思います。
ここではごく一部のよく聞かれる疑問を記載しましたが、このほかにも様々な疑問を持たれている経営者様が少なくありません。
上記以外にも、証券会社や監査法人の違いは?どのようなメンバーをIPO準備担当者にするのが良いか、自社はどの市場(取引所)だと上場できる?社外役員の一般的な報酬はいくらくらいか、IPO準備はいつから始めるのが良いか、などよく聞かれることがあります。
3.なぜIPOの疑問を解消できないのか
ではなぜIPOの疑問を解消できないのでしょうか。弊社とお付き合いのある企業の経営者様は勉強好きの方が非常に多く、様々な知見をお持ちです。しかし、IPOに関しては年間100社程度と数も少なく、既上場企業でも4000社弱と日本に存在する企業のわずか0.1%程度にとどまります。そのため、IPOに関する情報が出回っておらず、情報収集を試みてもうまくいかないことが理由としてあげられます。
4.疑問を解説するために
そこで疑問を解決するための手段として、IPOに精通している専門家に相談することを推奨します。高校受験や、大学受験を経験した人は少なくないかと存じますが、情報収集の手段として、親や兄弟、学校の先生など様々な人に相談したと思います。IPOにおいても同様で、IPOを経験した人材に相談することが疑問解決の第一歩なのです。そのため、IPOの専門家に相談し、正しい情報を得たうえで判断をすることが非常に重要です。
弊社ではIPOに関する疑問解決のためのセミナーをご用意しております。年間100社を超える経営者様との打ち合わせの中でよく聞かれるIPOに関する疑問を解説いたしますので、是非お申し込みください。