現場の最前線で直面する、地元企業の「非連続な成長」を牽引する壁
人口減少や地域経済の縮小が叫ばれる中、多くの地域金融機関が「地元企業の成長支援」を最重要の経営課題に掲げています。しかし、現場の最前線では「ビジネスマッチングや融資の提案にとどまり、企業の非連続な成長を牽引しきれていない」「事業承継の手続き支援で終わってしまい、その後の成長戦略を描けていない」といったジレンマを抱えていないでしょうか。既存の延長線上にある支援だけでは、地域経済を力強く牽引するような中核企業の創出は困難と言わざるを得ません。
こうした中、一部の先進的な地方銀行が外部のコンサルティングファームとアライアンスを組み、地元の有力企業を集めて「売上100億円企業」を目指す画期的な取り組みを開始しました。本コラムでは、実例から読み解ける地域金融機関の新たな法人営業戦略とエコシステム構築のヒントを探ります。
「100億企業創出」に向けた常陽銀行や北國FHDの先進的な取り組み
近年、地域の中堅・中小企業を「売上100億円企業」へと引き上げるためのプロジェクトが、有力な地方銀行の間で本格化しています。例えば、常陽銀行は「100億企業創出」に本腰を入れ、独自の基準で選定した157社に対し、企業価値向上に向けた包括的な支援を提供するプロジェクトを始動させました。また、北國フィナンシャルホールディングス(北國FHD)傘下のCCイノベーションは、船井総合研究所などとアライアンスを組み「100億円企業化プロジェクト」を立ち上げ、地域の有力企業向けに事業計画の策定から実行までを伴走支援する体制を構築しています。
これらの取り組みは、単なる一過性の座学セミナーではありません。地元で成長意欲の高い有力企業を選抜し、コンサルティング会社が持つ専門的なノウハウや全国の最新成功事例を直接インプットしながら、事業の多角化(地域コングロマリット化)や経営管理体制の高度化を継続的に支援する実践的なプラットフォームです。金融機関の「地域ネットワーク・資金供給力」と、外部専門家の「成長ノウハウ」を掛け合わせることで、圧倒的なシナジーを生み出しています。
伴走支援の高度化に立ちはだかる「自前主義」の罠と独自視点
私たち船井総研は、こうした金融機関とコンサルティングファームのアライアンスが、今後の法人ビジネスの在り方を示す「試金石」になると捉えています。金利競争が激化し、従来の融資業務だけでは中長期的な収益確保が難しくなる中、企業価値の向上に直接コミットする伴走型のソリューションが不可欠です。
しかし、多くの金融機関が陥りがちな罠として、全てを内部リソースだけで解決しようとする「自前主義」や、外部の専門家を紹介するだけの「単発のソリューション提供」にとどまってしまうことが挙げられます。これでは金融機関自身にノウハウが蓄積されず、多種多様な業界の専門知見を網羅してスピーディーに支援することは容易ではありません。
重要なのは、地域金融機関自身が「プラットフォーマー」となり、成長意欲の高い企業群を巻き込む求心力を持つことです。そのためには、最新の業界動向を牽引できるコンテンツ力と、企業を惹きつける圧倒的な成功事例が求められます。これらを自前主義のみで用意しようとすれば、膨大な時間とコストという壁に直面すると考えられます。
外部の専門知見を掛け合わせる「アライアンス」の有効性
地域を牽引する100億円企業を創出するという壮大なビジョンを実現するためには、自前主義から脱却し、外部リソースを戦略的に活用する「アライアンス」が有力な選択肢となります。船井総研は、全国の中堅・中小企業に対する圧倒的なコンサルティング実績と、業種や経営テーマごとに細分化された最先端の成功事例を有しています。
金融機関の皆様が長年培ってきた「強固な顧客基盤と地域での信用力」に、私たちが持つ「専門知見の補完」「スピーディーな実行支援」「成功事例の横展開」を掛け合わせることで、地域経済に大きなインパクトをもたらす協業スキームを構築できます。今回ご紹介した常陽銀行様や北國FHD様のような「経営者向け研究会の共同開催」や「包括的な企業支援プロジェクト」をはじめ、次世代リーダー育成、DX推進支援、新規事業の立ち上げなど、貴行の課題感に合わせた柔軟なアライアンスの形をご提案することが可能です。単なる紹介業務や外注を超え、地域企業の非連続な成長を共に実現する強力なパートナーとして、新たなビジネスモデルを構築しませんか。

