【講師】株式会社船井総合研究所 創業者 船井 幸雄
株式会社船井総合研究所の創業者船井幸雄が登壇した1990年代の経営者向け講演会から、「人財の7条件」と「人財に育成する方法」に関する箇所を抜粋。
人財づくりの話で、吉田松陰の話をお伝えしましたが、それほど難しくないです。私はこう考えています。区別しない、すべてのものが自分の子供だと思って、子供に対して接するように生きる、どのようなものにでもです。犬であろうと、何でも、全部自分の子供のように思ってです。子供に対しては無私の愛ですから、母親が自分の子供に対するような気持で生きる、差別しない、これがまず一つです。二つ目は、人間は長所を見つけて作って伸ばすことです。三つ目は、自分自分の周辺に誇りを持つ、四つ目は勇気を持つ、お互いに自信を持たせると人財になります。これらは非常に簡単だと思っています。
人財とはどういうものか、今日はそういう話も出てくるかもしれません。人財とは何回もお話しましたが、自分にプライドのある人、今の日本人にプライドがあるかどうか考えてみてください。二つ目に国や仲間にロイヤリティがある人、三つ目に自主性がある、謙虚である、しかも勤勉である、勤勉とは働くことと学ぶことが好きなことです。その上日本人ですから互助、助け合う精神がある、しかもお互いに信頼し合える、これが人財の7条件だと私は言ったと思います。そのような条件を備える人財を作るためには、吉田松陰さんなどが言っている五つの方法があります。
しかもどのような環境だったら人財ができるかということを考えました。それは非常に簡単です。人財を作るためにはまず縛られない環境、身分格式に縛られない環境、つまり自由な環境です。それから安心できるほうが人財になります。不安心なところでは人財はできません。また希望が持てるという方が人財になります。しかも自信が持てる、このような環境を作ってあげて、先ほど言ったような方法で行うと案外簡単に人財ができます。人財こそ決め手であるというのが、私が去年から今年にかけて確信した大きく言って四つ目のことです。