治療院・整体院の成功を導く「商圏分析」と「オープン販促」

整骨院・整体院の新規出店や経営をご検討されている皆様へ。
船井総研では、整骨院業界における出店成功のためのノウハウと実践的な情報を提供しています。
近年、整骨院業界では出店数の増加により競争が一段と激化しており、ただ施術の技術に自信があるだけでは集患が難しい時代となっています。特に新規出店では、いかに「計画的に」「効率よく」患者様を集めるかが、成功か失敗かを大きく分けるポイントです。
こうした背景を踏まえ、船井総研では整骨院の新規出店において「商圏分析」と「オープン販促」の徹底を最重要戦略として位置づけています。本稿では、この2つの視点から、整骨院の出店を成功に導くための考え方と具体策をご紹介します。
整骨院出店の成功を左右する2大要素:「商圏分析」と「オープン販促」
整骨院の新規出店を成功させるためには、開業準備段階から戦略的な取り組みが必要不可欠です。
船井総研では、準備期間として最低でも3ヵ月を確保することを推奨しており、この期間に以下の施策を段階的に進めていきます。
● 出店エリアの選定と商圏調査
● スタッフの採用と教育
● 店舗レイアウトや動線設計
● 提供メニューや料金体系の構築
● 集患計画の立案と各種販促ツールの制作(ホームページ・チラシ等)
特にホームページやチラシといった集患ツールの制作には、「構成設計」「原稿作成」「デザイン依頼」「修正対応」といった工程が伴うため、できるだけ早期の着手が重要です。
また、整骨院の出店成功には競合と明確に差別化された魅力が求められます。
船井総研では、以下の「差別化の8要素」に基づいて、整骨院としての強みを明確化することを推奨しています。
1. 立地力
2. 店舗規模
3. ブランド・ネーミング(ロイヤリティ)
4. 施術メニューの質(商品力)
5. 集患力(販促力)
6. 接遇・接客対応
7. 価格戦略
8. 固定客化力(リピート・通院継続)
なかでも「立地」と「販促力」は、新規開業時において患者様の来院動機を左右する極めて重要なポイントです。
このような差別化戦略を土台に、「商圏分析」と「オープン販促」の2大プロセスを適切に設計・実行することが、整骨院出店成功の鍵となります。次章からは、それぞれの具体的な進め方について解説します。
Ⅰ.整骨院出店における商圏分析の基本と具体例
整骨院の出店成功には、「商圏を正しく把握すること」=集客可能な範囲の可視化が極めて重要です。
駅前型・ロードサイド型・郊外型など、立地形態によって商圏の広がりは大きく異なり、それに応じて取るべき戦略も変わります。
商圏の基本的な捉え方
船井総研では、日常的な移動手段を前提に「お客様が10分で移動できる最大距離(R)」を基に商圏半径を設定します。
移動手段 | 目安距離 |
徒歩 | 約800m |
自転車 | 約2.5km |
市街地の車 | 約3.3km |
郊外の車 | 約5km |
この半径Rから面積(商圏面積)を求め、さらに自治体の人口密度データを用いて、該当エリア内の人口=「確定商圏内人口」を算出します。
売上から逆算する集患計画
商圏分析では、出店する整骨院のビジネスモデルとの整合性も非常に重要です。
例えば:
● 平均単価:5,000円/回
● 月平均通院回数:1回/人
● 目標月間売上:300万円
であれば、必要な延べ来院数は 300万円 ÷ 5,000円 = 600名となります。
次に、「商圏内人口 × 整骨院利用率(13%) × シェア率(7%)」という指標で、現実的な来院予測を行います。
試算例:大阪市で自転車圏商圏(約6.25㎢)に出店する場合
● 商圏人口:約7,520人(大阪市の人口密度を基に算出)
● 整骨院利用率:13%
● 自院の想定シェア率:7%
→ 7,520人 × 13% × 7% ≒ 685名
これは必要集患数600名を上回るため、十分な集客ポテンシャルがある商圏であると判断できます。
船井総研が重視する商圏分析の3つの視点
1. 顧客視点
→ エリア人口は充分か、ターゲット層が多く含まれているか
2. 立地視点
→ 患者・スタッフ双方にとって通いやすい場所か(アクセス・駐車場など)
3. 競合視点
→ 競合店舗数・サービス水準・価格などから自院の差別化可能性を分析
これらの観点から、マクロデータ(人口統計・交通事故件数など)とミクロデータ(競合調査・商圏内サービスレベル)を組み合わせた総合的な診断を行います。
Ⅱ.整骨院出店成功に向けた「オープン販促」の戦略と実践例
商圏分析によって出店予定エリアのポテンシャルを明確にした後は、「開業初期に集患最大化を図る」ためのオープン販促戦略を構築する必要があります。
このタイミングは、整骨院の経営において最も強力な集客チャンスです。
オープン販促の目的と考え方
開業直後に新規患者様を多く獲得できれば、継続通院につながるリピート率も高まり、安定経営の基盤が築けます。そのため、「まず一度来院してもらう」という体験設計が重要です。
船井総研が推奨する主要販促施策とKPI目安
施策 | 目標・KPI |
プレオープン企画 | 回数券成約率30%、来院数300名達成 |
ポスティング | 1日500枚を目安に実施、集患の7割に寄与 |
HP作成 | 集患全体の1割を担う設計を目指す |
PPC広告 | 集患単価3,000円以内を目標に運用 |
チラシ配布 | 反響率目安:地方0.3%、都市部0.15% |
Facebook運用 | 「いいね」やリーチ数で地域認知度向上 |
ドアコール | 開業2〜3週間前から実施し集患の2割を狙う |
法人営業 | 1日30件程度の近隣事業所へ挨拶訪問 |
店頭のぼり | 2週間前から設置し視認性を確保 |
拡大ポスター | 店前に設置しキャンペーンの可視化 |
ブラックボード | 商業施設内での店頭訴求に活用 |
チラシ配布と集患設計の計算例
たとえば、月間目標売上300万円・平均単価5,000円の場合、必要な来院数は600名。
来院率70%を前提にすると、403件の問合せが必要です。
都市部の反響率0.15%とした場合、必要な配布枚数は約268,857枚にのぼります。
このように、目標売上や集患数から逆算してチラシの配布量を設計することが、費用対効果の高い販促に繋がります。
チラシ制作時の必須要素
● キャンペーン期間の明記
● 最寄り駅や目印からの所要時間
● メニューと価格、体験内容の明示
● 院の強み・コンセプトの訴求
● 地図・電話番号・ネット予約案内
● 限定条件(例:「○名限定」「完全予約制」)
オフライン×オンラインのハイブリッド戦略
ポスティングやのぼりといったリアル接点の告知手段と、ホームページ・WEB広告などのオンライン戦略を連動させることが重要です。
● HPはプレオープンの1ヶ月前には公開し、キャンペーン詳細や予約導線を整備。
● PPC広告は「○○市 整骨院」などの地域名で出稿し、口コミ評価や立地情報を補足。
● SNS運用(Facebook等)では、出店地域に住むユーザーへ情報拡散と信頼構築を目指します。
成功する整骨院出店は「仕組み」と「連動」が鍵
これらの販促施策は、単独ではなく「掛け算」で効果を最大化します。
商圏に合ったチャネルを選び、同時並行で展開することで、出店初期に一気に集患ブーストをかけることが可能です。
船井総研への経営相談のススメ 〜整骨院出店を成功させるために〜
整骨院や整体院の開業は、夢や理想を形にする大きなチャレンジです。しかし、理想のスタートを切るためには、避けて通れない“現実的な課題”も数多く存在します。
今回ご紹介した「商圏分析」や「オープン販促」は、整骨院経営において特に成功を左右する重要な要素です。開業初期の集患が安定経営のカギを握るからこそ、戦略的な準備と実行力が求められます。
とはいえ、限られた時間・人員で以下のような対応を一手に担うのは容易ではありません:
● 適切なエリア選定と人口動態の分析
● 効果の出る販促物の制作・配布設計
● WEBを活用した効率的な集客設計
● リピートへ繋がる通院導線の設計
これらを成功させるためには、整骨院業界に特化したノウハウと経験が不可欠です。
〈船井総研はこんな方におすすめです〉
● 開業資金を無駄にせず、集患効果の最大化を目指したい
● 自分の整骨院の強みや特色を活かし、競合と差別化したい
● 「商圏分析」「販促設計」「リピート戦略」など、プロの視点で総合的に判断してほしい
● 経験豊富な専門家に伴走してもらい、計画的な出店と軌道に乗せるまでの支援を受けたい
船井総研では、整骨院・整体院に精通したマーケティングコンサルタントチームが在籍しており、数百を超える出店・集患支援の実績を活かして、あなたの整骨院経営を全力でサポートいたします。
出店はゴールではなく、経営のスタート地点です。
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