治療院経営を成功に導く【リピート率最大化】初診対応コンサルティング

整骨院の経営において、安定した業績を築く鍵は“リピート”にあります。
船井総研では、整骨院が厳しい競争環境の中でも成長し続けるための支援を行っており、本プログラムでは、リピート率向上に直結する「初診対応」の重要性と具体的な改善ポイントを解説します。
初回の対応が、その後のリピート来院を左右する——整骨院経営におけるこの基本を、成果に繋がる形で実践するためのノウハウをお伝えします。
治療院経営を取り巻く現状と課題
近年、柔道整復師の施術所数は増加の一途をたどり、5万件を超える状況です。しかしその一方で、柔道整復療養費は減少傾向にあり、一店舗あたりの療養費も同様に減少しています。厚生労働省の統計からも、その傾向は明らかで、2010年をピークに療養費は減少し続けており、2020年には大きく落ち込みました。
さらに、新規集客の状況も厳しさを増しています。弊社の広告運用額は年々増加しており、PPC広告の平均クリック単価も上昇傾向にあります。2023年のクリック単価は2022年と比較して1回あたり7円増加しており、これは全体で見ると大きなコスト増となります。
つまり、新規患者様一人当たりの集客コストが上昇していると考えられます。
加えて、広告規制の動きも無視できません。「整骨院」という名称の使用制限など、今後広告に関する規制はますます厳しくなると予想されます。医療広告ガイドラインの整備が進む中で、従来の集客戦略の見直しは喫緊の課題です。
このような状況下では、新規患者様に依存するビジネスモデルからの脱却が不可欠であり、リピート率を最大限に高めていくことが極めて重要となります。
施術所数の増加、集患コストの高騰、療養費の減少という三重苦の中で、新規患者様をどれだけ集めても、それが直接的な売上向上に繋がりにくいのが現状です。
だからこそ、一度来院された患者様に継続して通院していただき、治療院のリピート率を向上させることが、安定した売上確保と業績向上への鍵となります。
売上向上を実現する「リピート率」という視点
整骨院の売上を安定的に伸ばすためには、「リピート率の改善」が最も重要な施策の一つです。
船井総研が提唱する整骨院経営の基本方程式——「売上 = カルテ枚数 × 平均通院回数 ×客単価」——において、リピート率は以下の2項目に直接的な影響を与えます:
● カルテ枚数の増加
初診患者の離脱を防ぎ、リピート患者として継続的な来院を促進
● 平均通院回数の向上
通院指導を適切に行い、月間の来院数を増加
とくに通院指導の強化は、新たなコストをかけずに即実行できるため、整骨院経営における「リピート強化」の中核施策となります。
実際、整骨院における2回目来院のリピート率が90%の院と50%の院では、その後の累積売上に数十万円単位の差が生じることも珍しくありません。こうした機会損失を防ぐためにも、「初診時から始まる適切な通院指導」がリピート率を高める上で不可欠です。
高いリピート率を生み出す「初診対応」の重要性
業績を継続的に伸ばしていくためには、高いリピート率に繋がる初診対応を確立することが重要です。弊社の研究会会員様の2022年の実績値を分析したデータによると、
● 客単価の中央値: 3,302円(約81%が2,000円台~4,500円台)
● 平均通院回数の中央値: 3.2回(約80%が2.0回~4.5回未満、特に2.5回~3.5回未満が多い)
● 離反率の中央値: 24.5%(約80%が10%~30%未満)
これらのデータから、多くの患者様は3か月から5か月程度継続して来院していると考えられます。興味深いことに、単価と平均通院回数には相関が見られましたが、単価と離反率にはほとんど相関が見られませんでした。これは、単価が上がると月の通院回数は減る傾向があるものの、単価が高いからといって離反しやすいわけではないことを示唆しています。したがって、離反率が25%以上の場合は、技術レベル、通院指導法、そして患者様への対応を見直す必要があります。
このような現状を踏まえ、厳しい経営環境を乗り越え、高いリピート率と収益性を実現するための鍵となるのが、再現性の高い適切な初診対応です。初診対応においては、以下の目標を持続的に達成することを目指します。
● 2回目のリピート率:90%以上
● 5回目のリピート率:65%以上
● 回数券(プリカ)成約率:60%以上
● 離反率:25%以下
【船井総研が提供する】効果的な初診対応のステップ
効果的な初診対応を構築する上での前提は以下の3点です。
1. 施術者主導:施術者が主導権を握り、治療を進めていく
2. 明確な治療目的・ゴール:患者様と施術者双方で治療の目的とゴールを共有する
3. 全員が再現できる:どのスタッフが対応しても一定の品質を保てるようにする
これらの前提を踏まえ、患者様自身が通院する意味を理解することを意識しながら初診対応を設計する必要があります。具体的な初診対応のステップとポイントは以下の通りです。
(1) 前提:スタッフへのマインドセット
整骨院でリピート率を高めるためには、単に施術技術に頼るのではなく、患者様との信頼関係を築き、通院の必要性を納得していただく仕組みが重要です。そのためには、以下の3つの要素を院全体で徹底することが不可欠です。
● (A) 自費治療のコンセプト明確化
「再発しない身体作り」や「根本からの改善」といった自費治療のコンセプトを明確に打ち出し、整骨院として提供する価値を患者様に伝えます。これにより、単発の施術ではなく継続的な通院の必要性を理解してもらいやすくなります。
● (B) 患者様ごとの目標設定(ゴール)
初診時や初期カウンセリングの段階で、患者様の症状や生活背景をもとに、明確な治療ゴールを設定します。「何をいつまでにどう改善したいのか」を共有することで、通院の意義が明確になり、リピート率向上に繋がります。
● (C)「通院の意義」を院内で共有・徹底
スタッフ全員が「なぜ継続通院が必要なのか」を理解しておくことが大切です。整骨院としての治療理念や方針が統一されていることで、どのスタッフが対応しても一貫した説明・提案が可能となり、患者様の安心感と信頼感に繋がります。
(2) 問診(検査):ニーズの把握と信頼関係の構築
● 問診の目的
問診票の確認に加え、患者様の治療のゴールを共有する(=相手のニーズを聞き出す)ことです。このニーズを、後の治療提案における自費治療の説明に繋げます。「どのような姿になりたいか?治ったらどのようなことがしたいか」など、痛みの奥にある患者様の願望を引き出します。痛みに焦点を当てすぎず、「痛みを取ることでどうしたいのか」というニーズにフォーカスすることが重要です。患者様の日常を深く理解することが鍵となります。初回にニーズが明確にならない場合は、2回目以降も継続して確認します。
● 質問方法
オープンクエスチョンを基本とし、患者様が自由に話せるように促します。はい/いいえで答えられる質問だけでなく、「なんの仕事をされていますか?」など、患者様が説明する必要のある質問を織り交ぜることで、親密な関係を築きやすくなります。
もちろん、必要な確認事項はクローズドクエスチョンでも構いません。ただし、患者様の悩みを長時間聞きすぎないように注意しましょう。
● 検査のポイント
検査は単なる情報収集ではなく、プレ施術として位置づけ、ビフォーアフターを見せることで患者様の信頼を獲得することが重要です。
患者様自身が視覚、聴覚、体感覚を使い、治療効果を実感できるような検査を行います。お悩みの内容に合わせたプレ施術を行うことで、施術への信頼感を示すことができます。
効果を実感させた後、その部位を今後どのように治療していくかを説明することで、患者様のニーズに応え、施術者が主導権を握ることができます。
● 検査内容の具体例
ビフォーアフターが明確にわかるようにします。患者様自身が目で見て、感じて理解できる内容であり、実際の施術内容と関連性のあるものを選びます。
正常な状態との比較や説明(例:ペインスケール、可動域チェック、姿勢写真、検査機器の導入など)を行います。検査項目は、治療に関わる部分に絞りましょう。
● 検査後のフィードバック
痛みの根本原因を、患者様にわかりやすい言葉と視覚的なツール(紙芝居、骨模型、姿勢写真、ホワイトボードなど)を使って説明します。
単に痛みを治すだけでなく、再発を防ぐための根本的な治療の必要性を伝えます。例えば、「この痛みをとっても、原因である○○を改善しないとまた再発する可能性があります。
○○を中心に治療していくことで、再発しにくい体を目指しましょう」といった説明を心がけます。
(3) 治療提案:ニーズと治療コンセプトの握り合わせ
ここでは、患者様のニーズを満たすためには、当院の治療コンセプトが不可欠であることを理解していただきます。
船井総研が主導権を持ち、患者様にとって最適な治療メニューを提案します。
患者様にメニューを選択させるのではなく、「患者様にとって一番良いメニュー」を提示する姿勢が重要です。
痛みの原因を論理的かつ視覚的にわかりやすく説明し、その原因のために患者様の目標が達成できていない状況を明確に伝えます。
「痛みを取ってくれる人」ではなく、「自身のゴールを叶えてくれる人」という立ち位置を確立します。この共通認識を持てた上で、具体的な治療提案と料金の説明を行います。
料金にばかり意識が向かないよう、ゴール達成のために施術が不可欠であることを強調します。
具体的な手法としては、ビジュアルプレゼンテーションを積極的に活用します。
誰が説明しても同じ時間で同じ内容を伝えられるように標準化し、ツール、図解、骨格模型、ホワイトボードなどを活用します。
口頭のみの説明では、患者様の理解は深まりません。症状別や治療別のツールがあれば、さらに効果的です。紙芝居ツールは、原因と結果の関係を視覚的に説明するのに役立ち、施術者の説明スキルに左右されず、患者様に納得してもらいやすくなります。
紙芝居ツールの内容には、当院のコンセプト、治療内容(手技、治療機器、症状改善のステップ)、その他(骨盤、関節、姿勢など)を含めます。説明の際には、問診ルームへの移動など、場所を変えることで患者様の集中力を高めることも有効です。
また、患者様が初回に期待する症状改善のレベルと、初回の治療で提供できる効果のレベルを事前に明確に説明しておくことも重要です。
(4) 治療(再検査):効果の実感と安心感の提供
治療中は、治療による身体の変化を視覚、聴覚、体感覚を通じて患者様に伝えます。どのような小さな変化も見逃さず、言葉で伝えることで、治療効果を実感していただきます。身体に触れる際には必ず事前に声かけをし、「今、何をしているのか」を実況中継するように説明することで、患者様に安心感を与えることができます。
初診対応の段階では、患者様のプライベートな話題には深入りしすぎない方が良いでしょう。先生としてのプロフェッショナルな立場を保ち、まだ親密な関係が築けていない段階では、個人的な質問は避けるべきです。
治療後には、治療によって得られた変化を患者様に実感してもらい、信頼を得ます。視覚、聴覚、体感覚を最大限に活用し、効果を実感していただきます。例えば、首の可動域が広がったことを実際に患者様に体感してもらうなどです。もし期待される変化が見られない場合は、その理由や、変化が現れにくい状況であることを丁寧に説明します。治療計画の説明段階では、患者様のゴール達成のために、今後どのような治療が必要となるかを具体的に伝えます。
効果提供の考え方として最も重要なのは、本質的な価値として高い効果を提供できる治療内容であることです。患者様によって効果の感じ方が異なること、患者様が感じる効果と施術者が客観的にわかる効果が異なることを理解し、個々のケースに合わせた丁寧な対応が求められます。
どのような効果がある治療なのかを、時間軸・期間軸(通院回数)も明確に示しながら説明し、今後の通院へと繋げます。具体的な効果提供の例としては、施術中に積極的に変化を伝える(例:「先ほど〇〇だったのが△△になりました」)、ペインスケールなどの数値を用いてビフォーアフターを確認する、変化したことを施術者の見解として客観的に伝えるなどが挙げられます。
初回の治療効果と、今後の治療によって提供できる効果を分けて説明し、継続的な通院の重要性を理解してもらうことが大切です。
(5) 治療計画:ゴールまでの道筋を示す
ここでは、根本的な改善に向けた全体の流れと具体的な治療計画を患者様に提示します。患者様のゴールを改めて確認し、その上でどのような治療を行っていくかを明確に説明します。治療後の変化がどのような治療によってもたらされたのかを伝えること、今後の治療の必要性を再認識していただきます。
治療期間について視覚的に共有し、患者様に納得していただくことが重要です。例えば、回復の過程をグラフなどで示すことで、治療のイメージを持ちやすくなります。
基本的な流れとしては、まず本日の治療内容を振り返ります。次に、提案する自費治療メニューの具体的な内容と全体像を説明します。
そして、症状が完全に解消されるまでに必要な期間と通院頻度を伝えます。期間と通院頻度に関しては、具体的な数値を示すなど、客観的な根拠に基づいて説明することで説得力が増します。類似症例の経過例を提示することも有効です。
通院ペースの説明では、施術者の専門的な見解に基づき、患者様の症状、来院目的、予算、そして時間に合わせた最適な治療プランを提案します。
治癒期間は、「どのような治療を」「どのくらいの頻度で」「どのくらいの期間」行うかによって決まります。このうち、「どのような治療を」「どのくらいの頻度で」は施術者が専門家として決定し、「通院ペース」は患者様の希望を考慮します。明確な基準があることを示すことで、患者様の信頼感が高まります。
治癒期間は、施術者の技術力だけでなく、これらの要素の組み合わせによって決まることを丁寧に説明します。
治療計画の説明後には、次回の来院を促すクロージングを行います。
次回来院日の確認と約束(カレンダーなどを活用)、そして次回来院予定日カードの活用などが有効です。活用するツールとしては、当院の通院の目安、順調に回復する患者様とそうでない患者様の違い、具体的な治療計画書などがあります。
(6) 回数券提案:継続的な通院をサポート
患者様のゴールイメージと継続治療の必要性を十分に共有した後で、回数券の提案を行います。価格ではなく、治療によって得られる未来の姿に焦点を当てた説明を心がけます。
施術ベッドのそばで患者様の隣に座りながら、ツール(パンフレットなど)を活用し、改めてゴールイメージと継続治療の重要性を共有した上で、回数券を利用することのメリット(通いやすさ、料金的なお得感など)を伝えます。
最初に回数券の話をしてしまうと、どうしても価格に意識が集中してしまい、本当に提案したい回数券が選ばれにくくなる可能性があります。回数提案の主導権を握るためにも、「夢を叶えるためにはこれくらいの回数が必要であり、回数券を利用することでより通いやすくなります」というスタンスで勧めることが重要です。
具体的なトーク例としては、必要な継続回数を伝えた上で、「通常、1回ご来院いただくと〇〇円ですが、お得な回数券をご利用いただくと△△円で、〇回分の料金で〇回施術が受けられます」といった形で、回数券のメリットを具体的に提示します。
(7) まとめ:初診対応の重要ポイント
効果的な初診対応のポイントを改めてまとめると、以下のようになります。
● 問診
痛みにフォーカスするだけでなく、患者様の日常生活や潜在的なニーズを丁寧に聞き出す。患者様の悩みを長時間聞きすぎず、質問はオープンクエスチョンを基本とする。
● 検査
プレ施術を行い、治療前後の変化を明確に示す。患者様が視覚・聴覚・体感覚的に効果を理解できるような検査を行う。検査内容は、その後の施術内容と一貫性を持たせる。
● 治療提案
痛みの原因を論理的かつ分かりやすく説明し、その原因が患者様のゴール達成を妨げていることを伝える。「痛みを取る人」ではなく「ゴールを叶える人」としての立ち位置を確立した後、具体的な治療提案と料金説明を行う。
● 治療
施術前に必ず声かけをし、施術内容を実況中継するように説明することで、患者様に安心感を与える。初診の段階では、患者様のプライベートな話題には深入りしすぎない。
● 再検査
治療後の変化を視覚・聴覚・体感覚を通じて患者様に実感してもらう。もし変化が見られない場合は、その理由を丁寧に説明する。
● 治療計画
治療によって得られた変化と、今後の治療計画、そしてゴールまでの道筋を明確に伝える。治療期間については、視覚的なツールを活用して患者様に納得してもらう。
● 回数券提案
患者様のゴールイメージと継続治療の必要性を共有した上で、回数券のメリットを具体的に提案する。
これらのステップに基づいた適切な初診対応を実践することで、高い再現性をもって目標とするリピート率や成約率を達成し、不安定な新規集客に依存しない安定した治療院経営を実現することが可能です。
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