まず経営者が押さえておくべきITトレンド

経営者がITやシステムの細部を詳細に知る必要はありませんが、大まかな流れや現在のトレンドは押さえておくべきです。
かつての生産管理システムは、AS/400などの汎用機、オフコン、ミニコン、ワークステーションをベースに構築されており、1970年代から90年代までの大きな潮流でした。この時期は、多くの企業がCOBOLやC言語を用いてフルスクラッチでシステムを自社向けにカスタマイズしていました。
90年代にWindows 95が登場すると、パッケージソフトウェアの時代へと移行しました。企業は自社の業務プロセスをパッケージに合わせることが推奨され、非効率な独自の方法ではなく、パッケージに準拠した業務遂行が求められるようになりました。
続いて昨今耳にする「2025年の崖問題」ですが、フルスクラッチで開発されたシステムがサポートできなくなる状況を指します。その理由は2つあります。
1つ目は、IBM、NEC、富士通などの汎用機のハードウェアサポートが終了すること。2つ目は、COBOLなどの古いプログラミング言語をサポートできるエンジニアが減少していくことです。そのため、現在の生産管理システムを置き換える必要性が高まっています。
その中で起こっている問題として、従来は汎用機やフルスクラッチのレガシーシステムを使用し、パッケージに切り替えたものの、期待通りに機能しない、あるいはいまだにExcelで生産管理を行っているケースが多く見られます。
今後の方向性としては、クラウド、ローコード、ノーコードソフトウェアを活用した生産管理が大きなトレンドとなっています。
DXを成功させるポイント:ビジネスプロセスとは何か?

システムを考える際は、ビジネスプロセスを理解する必要があります。OTO(Opportunity to Order)は、商談が発生してから受注するまでのプロセスを指し、この領域はフロントオフィスとも呼ばれます。
P2P(Procure to Pay)は調達から支払いまでのプロセス、OTC(Order to Cash)は受注から入金までの流れを意味します。HTR(Hire to Retire)は採用から退職までのプロセスで、これらの中間領域はミドルオフィスと呼ばれます。
RTR(Record to Report)は、請求書の受取りや伝票の記帳、財務情報への落とし込みを指し、この領域はバックオフィスと称されます。
フロントオフィス、ミドルオフィス、バックオフィスの三段階があり、それぞれのシステムに求められる特性が異なります。
生産管理は、主にミドルオフィスの在庫管理領域に位置し、販売管理システムと密接に関わっています。会計管理(バックオフィス)は多くの企業で類似したアプローチをとるため、既存のパッケージソフトウェアで対応可能です。
一方、ミドルオフィスの領域は業種によって仕事の進め方が大きく異なります。理想的には業種別のパッケージを導入することですが、中小企業の場合、特有のニッチな製造プロセスがあるため、市販のパッケージでは対応できないことがあります。
そのため、ミドルオフィスの領域では、ローコードやノーコードプラットフォームを使用することで、柔軟なカスタマイズが可能になります。
フロントオフィス領域は、会社や個々の業務プロセスによってさらに大きく異なります。パッケージ導入が困難で、カスタマイズにコストがかかるため、多くの場合Excelが依然として使用されています。この領域こそ、ローコードやノーコードツールを活用することが推奨されます。
経営者として押さえるべきポイントは、システムの歴史的な変遷(フルスクラッチ→パッケージ→ローコード・ノーコード・クラウド)を理解し、フロントオフィス、ミドルオフィス、バックオフィスの各領域の特性を考慮して、最適なシステムを選定することです。
Zohoとは何か?

その中でZohoとは何なのか? Zohoは、全世界で1億人以上のユーザー、75万社以上の導入企業、50以上のアプリケーションを持つプラットフォームです。
Salesforce.comも同様に世界的に大規模な企業ですが、導入企業数は50万社程です。Zohoが圧倒的に利用されており、直近5年間で20%以上の成長を続けており、世界有数のローコード・ノーコード・プラットフォームとなっています。
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