船井流経営法の視点
今回は船井流経営法の視点について紹介します。
船井流経営法は名前が非常に有名です。
「名前がつくほど、成功するための形ややり方がある」と思う人も多いです。
船井総研は50年の歴史がある会社です。
様々なノウハウがあります。
これをどう捉えて使うべきか、理解すべきかをご紹介します。
ツキを科学的に考える
船井総研はツキを真面目に研究しています。
創業者・船井幸雄は、
・ツイてる会社、商品、経営者がいる
・ツイてないビジネスや、ツイてたがツキが無くなったビジネスがある
・ツイてない人、企業がある
・ツキを勝ち取り、ツキが離れないようにする
という視点を持ち続けていました。
結果、ツキをしっかりと科学的に考えてみました。
船井幸雄は、
・ツキを持ち続けたら勝ち続けるはず
・ツキには何かの要素があり、この要素を押さえるべき
と考え、ツキの要素を整理しました。
1番わかりやすい説は
「ツイてる人の近くに行けば、自分もツくようになる」
つまり
ツいてる人の近くにいると、考え方ややり方を自分もわかる
例えば有名な政治家や経営者のかばん持ちをする人と
「こう考えたらいいのか、こうすればいいのか」
と考え方や、やり方が身体に染みつきます。
これを人為的に作るのが、ツキを呼ぶことです。
船井流が求め続ける正しい考え方
船井流経営法を大きく3つに分類します。
・乗り方
・やり方
・あり方
1. 乗り方
船井総研は時流適応、原理原則経営を大切にしています。
時流が変わっていく中、上手に時流を捕まえることが中心です。
そのため、図の中央は、時流適応です。
特に小企業や課題を抱えている会社は、まず時流に乗ることが大事です。
これは船井流経営法で一番重要です。
例えば、すごく有能な経営者が、家業の三味線屋をしています。
三味線屋を売上100倍にするのは、相当難しいです。
しかし、ある程度の知識と行動力があれば、IT関係で事業を100倍は三味線屋を100倍にするより簡単です。
最新の市場を知っているか否かで差が出ます。
新技術で、今までコストや時間がかかったことが簡単にできるようになります。
その時、ノウハウを知っている企業と、知らない企業で大きな差が出ます。
時流適応の概念は、この20年で浸透しました。
始めはパソコン通信くらいだった、インターネットが普及しました。
それをビジネスに応用できた会社がネット通販の企業などです。
これが時流に乗るということです。
時流は今年の流行ではありません。
中長期的に続いていく流れです。
上下ではなく潮目です。
正しい流れの上に乗れば、反対の流れに乗るよりも、遥かにゴールにたどり着きやすいです。
要は時流に乗ろうということです。
時流に乗るタイミングは、ライフサイクルの成長期です。
導入期は、エンジンがかかっていないと動かすことが難しいです。
成長期で、これから大きくなるタイミングに乗るほうがいいです。
これから成長が見込めるところを見つけて乗るのが時流適応です。
商売だけではなく、人の動かし方、経営管理の仕方にも通じます。
例えば経営管理では、1980年代の経理は、まだそろばんと電卓を使っている人がいました。
少し目先が利く会社が「マルチプラン」や「ロータス1-2-3」など、後にExcelになる表計算ソフトを使っていました。
電卓は大変です。
いちいち置いて、一度計算したらデータは消え、修正もできません。
これに新しい技術を使うと、時流に乗ることができました。
2.やり方
次に、乗り方を押さえた上での、やり方についてです。
競争に打ち勝って楽に勝てるやり方があります。
船井総研は、様々な原理原則をルール化し、やり方を作ってきました。
業種や企業のポジション、力の規模などに関係なく使えるノウハウが以下です。
①1番化や差別化の数字を武器にする
②シェア理論を理解して効率的にシェアを獲得する
➂自分達の強みを長所として伸ばす
④長所をさらに磨きこみ、独自の長所レベルまで進化させる
⑤経営資源を効率的に使うために圧縮付加の考え方を使いこなす
ツイてる商品とツイてる価格
さらに、ツキの原理についてお伝えします。
一番わかりやすいのは、ツイてる商品とツイてる価格です。
今売れている商品があります。
例えばテレビで話題になるものです。
数年前のタピオカティーや、昔のクレープなどです。
当時はそれらの値段もツイてました。
ツイてる商品のツイてる価格は売れやすいのです。
価格帯については船井総研も研究しています。
同じ商品でも売れる価格と売れない価格があります。
例えば29万8,000円の軽自動車は、売れる価格です。
29万8,000円という数字が大事です。
33万8,000円では売れません。
売れる価格の良い例が、チェーン店の価格設定です。
ユニクロは、1,980円や1,480円の商品がたくさんあります。
しかし、1,530円の商品はありません。
つまり、売れる価格というものがあります。
980円も売れます。
・お客様が予算的に気楽に出せる価格を押さえる
・思わず買いたくなる商品をお客様に提示する
この2つが、ツキの管理では大事です。
包み込みの理論
それから、「包み込みの理論」もあります。
商品や取り組みなどを広く深く包囲網として持つことです。
競合相手の商品を全て持ち、相手が持っていない商品も持ちます。
絶対に勝てます。
競争戦略では、包み込みの理論を使いこなすことが大切です。
親身法
それから親身法です。
競合や競争に打ち勝つためになぜ親身法が大事なのか、疑問に感じるでしょうか。
しかし、親身になるのは大事なことです。
「孫子の兵法」は、兵士や社員の士気を高める方法が書いてあります。
1.組織に忠実になる
2.組織の目標を実現させて力を発揮する
3.やる気になる
と書かれています。
親身法が大事なのです。
お客様に対しても親身法です。
適当な粗悪品を売りつけたり、不似合いな商品を売りつけると、
「全然私のことを考えてくれない。」
「親身に相談に乗ってくれないし真面目に考えてくれない。」
と、逃げていきます。
親身法は競争戦略上でも非常に大事な考え方です。
親身な営業マンと親身でない営業マンがいます。
お客様はどちらを選ぶでしょうか。
当然親身な営業マンを選びます。
これらは、船井総研の書籍やセミナーからも学べます。
基本×業種特性のコンサルティング
業種ごとのコンサルティングの中には、
「その業種の中で時流も少し加味しながら他の業種でも使える」
やり方があります。
普遍的なやり方と、業種固有のやり方になります。
これは、業種別のコンサルティングを得意とする船井総研の特徴の1つです。
やり方の部分は、言葉は別としても色々な経営の手法があります。
経営の手法は、世界中の様々なコンサルティング会社が開発しています。
業種ごとの特性が、ある程度管理されたやり方になってしまうのです。
これを押さえた、時流適応や業種の特性を加味したやり方も、船井総研はまた深く踏み込んで作りこんでいます。
・基本的なやり方のルール
・原理原則
・業種のやり方
を押さえることができればばっちりです。
基本的なノウハウに関しては書籍が沢山出ています。
そちらをご覧になると、概要がわかるはずです。
3.あり方
最後に、あり方についてです。
これは船井総研の経営スタイルで、とても重要なことです。
コンサルティング会社の多くは、やり方までで終わります。
「こういう経営管理のやり方がすごく効率的です。」
「成果が生まれやすいです。」
「営業マンの時間管理や行動管理をすると効率的です。」
と言って終わります。
一方、船井流経営法のあり方は、「人として」を問うことです。
船井幸雄は、成功の3条件である
・素直
・プラス発想
・勉強好き
これに加えて
・自主グセ
・働きグセ
を5つのクセ付けと名付けました。
これは基本的に、社員や経営者が目指すべき姿です。
このような組織は、社内のごたごたで物事が進みにくくはなりません。
さらに、新しい時代の情報やノウハウを吸収しながら変化し続けられます。
そのような人が集まれば、自分自身で考えて働きたいという社員が増えます。
最終的に、人に迷惑をかけずに自分のことは自分でするという組織ができあがります。
そうすればその組織は強いと思います。
自分が空気のように仕事を楽しむ感覚が、船井総研には昔からあります。
人も同じです。
人をこのように動かして、労力を引き出したり、やる気を持たせたりしてきました。
やる気がある人とない人では、成果が格段に違います。
科学的に証明されています。
心理的安全性もですが、何かを心配して上司の目を気にして仕事をしていたら、中々仕事はできません。
・こういう組織
・こういう人間
・こういう経営者
でありたいという理想像、あり方を持つことが大事です。
また、経営者自身が歳を取って、ふんぞり返る場合もあります。
そのようなことをせず、気持ちのいい社内環境を作っていくのが、あり方において大切です。
船井流経営法についてのまとめ
船井幸雄の考え方
この記事では、船井流経営の
・乗り方
・やり方
・あり方
について解説しました。
船井幸雄は晩年、経営コンサルタントを引退し、思想家として有名になりました。
結果、船井幸雄ファンがとても増えました。
それは、あり方部分の考え方にシンクロする人が非常に多いからです。
船井幸雄の考え方は、以下です。
・人として正しい生き方をする
・損得よりも善悪、自然の摂理に基づいて考える
・地球上で生ある存在として、人間としてどうするべきかを重視する
この考え方は、自分たちが持続的に幸せを維持し、社会を安定させるために不可欠です。
船井幸雄は、
「他人のことを考えずにお世話になってばかりいたり、迷惑をかけたりするのではなく、
自分のことは自分でして正しい道を自分で研究していくのがいいよね。
そしたら立派な人間になれるよね」
と話していました。
船井総研でも、この考え方を大切にしています。
成功の3条件とクセづけ
船井総研のコンサルタントは常に勉強し、常にプラス発想です。
調子が良いときにプラス発想は、いくらでもできます。
考えずともプラス発想になっているからです。
真価が試されるのは、もう駄目だというときにプラス発想する場合です。
これには練習が要ります。
さらに、クセと書いてあるところがポイントです。
クセは後天的なものです。
・素直
・プラス発想
・勉強好き
・自主グセ
・働きグセ
は環境さえあれば誰でも身につけられます。
1番効率的なのは、クセづいてる人たちのいる環境に身を置くことです。
採用するときには、素直、プラス発想、勉強好きの人を採ります。
そのような人は伸びやすいし、競争にも打ち勝ちやすいので採るようにしましょう。
会社として用意するべきものは、自分のことは自分でやるという精神です。
また、やみくもに長時間労働ではなく、上手に効率よく働くことを楽しむ環境を作ります。
すると、会社も良い状態になります。
このようなことがあり方の部分です。
これらについては、思想的なものが強いです。
正しい経営
船井総合研究所では、やり方と乗り方とあり方をお客様に提示しています。
目標は、正しい考え方を持って正しい経営をすることです。
難しいのは、正しいとは何か、を考えることです。
お金を稼ぐのが正しいと考える方がいるかもしれませんが、狭義の正しい考え方です。
もっと大きな視点で
・世界から称賛される
・日本の中で圧倒的な魅力を持つ
企業を作るために、正しさを求めます。
正しくない経営より、正しい経営のほうが持続可能性は高いです。
その意識を持つことが大切です。
もちろん、船井総研は即時業績向上にこだわります。
しかし、船井流経営法が最終的に目指していることは、2点です。
・正しい経営をし続けること
・代が変わろうと年月が経とうと、ずっと邁進できる体質と社風を作っていくこと
だからこそ、長期的な視点で正しい経営を目指していくことが非常に重要です。
ほかにも創業者船井幸雄の言葉や船井流についてご紹介していく予定です。
楽しみにしていてください。