日本語学校業界の現状:母数の減少と競合の増加によって直面する壁
現在の日本語学校業界は、中国人留学生の募集において、かつてないほど厳しい壁に直面しています。
具体的には、以下のダブルの逆風が強まっています。
1.母数の減少:中国において留学適齢期の人口が急激に減少しています。一時的に出生数が増加した時期がありましたが、2015年以降、出生数が急激な減少傾向にあり、中長期的に留学適齢期の人口が減ることを意味します。
2.競争の激化:日本語学校の施設数は、コロナ禍で一時減少したものの、令和3年度以降は再び右肩上がりで増加しており 、今後も学校数は増える見通しです。
日本の留学生受け入れは中国人留学生に大きく依存してきた経緯があるため 、従来の募集活動では通用しなくなります。この構造的な変化への対応は、貴校の経営において重要な課題となります。

業界の動向と今後について
貴校の強みやリソースに合わせて、実務的な日本語学校 SNS 経路設計をカスタマイズしてご提案します。特に成果が期待できる3つの戦略的経路設計をご紹介いたします。
経路設計1:<小規模校におすすめ>口コミ中心戦略
広告費に多額の予算を割けない小規模校でも、留学生の確保は可能です。小規模校ならではの個別対応力を強みとして、広告費に依存しない口コミ中心の募集戦略を構築します。
この設計により、広告に頼らず、信頼性の高い情報に基づいて入学希望者との接点を持つことが可能となります。

経路設計2:<進学実績が強い学校>目的別プラットフォーム活用戦略
進学実績や教育内容の質に自信がある学校様には、学生の意思決定プロセス(認知→理解→決定・信頼)に合わせてSNSを使い分ける、緻密な戦略をご指導します。
貴校の強みである「進学に強い」という魅力を、学生が情報収集を行う各段階で的確に伝えられるよう、コンテンツ戦略を策定いたします。
意思決定段階 | 活用プラットフォーム | 提供する情報と目的 | 船井総研の支援内容 |
認知 | DouYin (抖音) | ショート動画で学校の存在や楽しそうな雰囲気を広く知らせる。 | 魅力的なショート動画コンテンツの企画・制作支援 。 |
理解 | 理解 Bilibili (哔哩哔哩) | 授業の動画や教育の質を伝え、学校への理解を深める。 | 信頼性を高める授業動画コンテンツの構成策定。 |
決定・信頼 | Rednote (小紅書) | 在学生のリアルな口コミや体験談を確認してもらい、信頼を担保する 。 | 口コミ創出のための施策実行支援(前述のファン化戦略)。 |
個別相談 | 個別相談 WeChat (微信) | WeChat (微信) 個別相談や出願手続き支援など、最終的なコミュニケーションを行う。 | 個別対応を効率化するためのコミュニケーション設計。 |
経路設計3:<地方校におすすめ>長期コミュニティ育成戦略
地方に立地する学校が負う物理的なハンデを、早期のファン作りを通じて克服する戦略です 。すぐに出願しない層との長期的な関係構築を目的とし、貴校を留学生にとって「第一想起」の存在にするための戦略です。
この戦略は、数年先を見越した日本語学校 SNS 経路設計であり、貴校を留学生にとって最も身近で信頼できる情報源と位置づけることで、競合に左右されない安定的な募集基盤を築きます 。
ステップ | 実施内容 | 目的・効果 |
日本の文化ファン向けコミュニティ運営 | 学校の宣伝を目的としない、日本の文化ファン向けのWeChatチャットグループなどのコミュニティを運営します。 | 早期に接触を果たします(早期接触)。 |
地方の魅力発信 | 地方特有の魅力(物価の安さ、豊かな自然、落ち着いた学習環境など)をVlogや写真で継続的に発信します。 | 学校の魅力を発信します(魅力発信)。 |
長期的な信頼構築 | 数年かけてコミュニティ内で価値提供を続け、留学生の「最も身近な相談相手」となります。 | 強固な信頼関係を築きます(信頼構築)。 |
留学生確保のための5つの戦略
現代の中国人留学生、特に10代・20代の若者は、日本の学校選びにおいて従来の行動パターンから大きく変化しています。中国人留学生の「教育」の選ばれ方が「公式広告」から「リアルな口コミ」へと変容している現状を踏まえ 、以下の5つの戦略的ポイントに基づき、貴校の募集活動を再構築いたします。
1.一気通貫したアプローチの実現
└中国人留学生は、認知から最終決定までの各段階で、異なる複数のSNSを使い分けることが常態化しています。
└単一のプラットフォームでのアプローチは通用しないため、複数のSNSプラットフォームを連携させ、学生の意思決定プロセス全体をスムーズにサポートする設計が重要です。
2.口コミによる信頼構築の最大化
└今の中国の若者は、学校側の広告よりも、在学生や卒業生が発信するリアルなコンテンツ(口コミ)を重視しています。
└例えば、「rednote(小紅書)」では、信頼できるユーザーの体験談が学校への興味や憧れを喚起します。
3.プラットフォーム特性に合わせた情報最適化
└中国の若者は平均して6.5種類のソーシャルメディアを目的別に使い分けているため、各SNSの独自の文化とユーザーの期待に合わせる必要があります 。
└例として、認知拡大にはDouYin(ショート動画)、理解促進にはBilibiliやrednote、最終決定・個別対応にはWeChatといった役割分担を明確にします 。
4.「人」を前面に出した親近感の醸成
└学校という「組織」からの堅い情報発信だけでは、若年層との心理的な距離は縮まりません。
└在学生や教職員といった「個人」の視点から情報を発信し、「人」を前面に出すことで、ユーザーとの親近感を醸成する戦略をご指導します。
5.長期的な関係構築による信頼の深化
すぐに結果を求めるだけでなく、長期的な視野を持つことが重要です。
船井総研がお手伝いできること
日本語学校の留学生募集において、出生数減少と競合増という構造的な逆風を乗り越え、持続的な成長を実現するためには、デジタル時代の変化に対応した抜本的なSNS 経路設計への転換が不可欠です。
船井総研では、まず貴校の現状の募集チャネルや中国国内での認知度、リソース配分に関する課題を詳細にお伺いする「無料経営相談」をご提供しております。
無料経営相談では、貴校の状況を踏まえた上で、類似の課題を抱えていた学校での成功事例や、中国の若年層のSNS 利用動向に関する最新情報をお伝えし、競争力のある留学生募集のための具体的なアクションプランのイメージを明確にお伝えいたします。
是非、お気軽にご相談ください。