本日の目次
本日の私の講座の目次です。、賃貸・仲介管理業界の時流と賃貸・仲介業界に起きている変化、賃貸・仲介店舗がデジタル化していくために行っていくことの三点でお話を進めていきます。
1.賃貸仲介・管理業界の時流―賃貸仲介・管理業界への提言
一つ目の賃貸仲介・管理業界の時流について最初に少し提言として記載させていただきました。今の時流としてはwithコロナとAfterコロナの二つのキーワードと賃貸協会の成熟期、DX革命の三つが混沌としており、賃貸仲介・管理業界の転換点にきていると見ています。
その中で特に皆様の中核の事業である特に店舗を持っての賃貸仲介事業の生産性が上げづらい実態があると思います。経営者様や経営幹部の皆様からは、「果たして利益が上がりにくい構造のままで良いのだろうか」、管理・仲介のリーダーの方から「どうやって業績を上げつつ利益も出せる構造にできますか」と相談を受けています。
今後、コロナが明けていく中で本当に以前のやり方でいいのかと賃貸仲介店舗としてこの先を生き残っていく上で新しい利益構造を作っていくにはどうしたらいいかについて今回はその中でも着手しやすい賃貸仲介の自社ホームページをまだ使えてない企業様が多いので有効活用していくためにはどうしたら良いかをお伝えするためにセミナーを開催させていただいています。
コロナ禍における賃貸仲介市場の変化
真ん中の行には首都圏平均を記載しており、右側が我々のご支援先や研究会会員の皆様や勉強会の会員の皆様の数値を入れています。実際に5%から10%ほど反響数伸びていますが、来店数を見ていくと飛び込みがほとんどなくなったこともあり、反響数は増えているが実際に呼び込みにつながらない事態が起きています。
反響率に関しては、今まで通りの呼び込み率では我々は5年ほど前までは50%を平均値としておりましたが、今だと呼び込み率は30%ほどが平均となっています。そのため、反響が増えて現場の営業を呼び込むためのアクションは増えている一方で来店に繋がっていかない循環が生まれている場合もあります。
そして、契約数は2020年にコロナが蔓延し始めた当初や蔓延中の今と終わりかけの今とで比較すると正直、契約数の差はありますが、慣らしてみると首都圏は10%から20%減、会員様でも平均すると5%ほど落ちているのが実態です。
当然私のご支援先の東京の会社様やそれ以外のエリアの会社様も120%や130%伸びている会社様もございますが、平均してみるとこのような実態になっています。逆に退去数に限っては首都圏に特に動きがなかったのも関係して例年に比べて5%ほど退去数が少なかったです。
その分入居も決まりづらく、退去も多くなかったため、全国の平均での入居率は2%から3%減、我々の会員様では0.5%ほどが下がっています。そして学生需要としては学生にもリモート授業が増えたことも関係して10%から20%減、法人も同じく10%から20%減、外国人の方に限っては半分以下になっています。我々の会員様の中では学生や法人様ではほとんど変わらなかったと共有は受けていますが全国で見るとそのような変化がありました。
賃貸仲介における集客モデル値(地方・家賃5万円商圏)
賃貸仲介における自社ホームページの活用においては集客がポイントになってきます。改めて反響単価、来店単価、成約単価を媒体別で見ていただきたいと思います。実際に来ている反響数やそれに対して呼び込めた数を把握できる会社様は増えてきていますが、反響1件につき広告料がどれほどかかっているのかを正確に把握している会社様はまだまだ少ない状況です。
今回はA社様とB社様の二大媒体を載せさせていただいていますが、やはり賃貸仲介業界の集客においてポータルサイトサイトの活用は切っても切り離せないのが実態だと思います。今後もいいお付き合いの中でしっかり活用しているのが良いと思いますが、我々のお客様の実績を見ながら大体の数値を取っていくとこのような平均数値になっています。A社様では1件の反響単価を4,000円から5,000円ほど、来店単価が1万円から1万4,000円の間になります。成約単価は2万5,000円前後が今の実態です。我々は仲介の平均単価は10万円をしっかり超えてくださいと話をしていますが業界平均の単価を8万円でおくと2万5,000円という金額は25%から30%以上を占めてしまいます。
B社様に限っては、反響単価が5000円から7,000円、来店単価が1万4,000円から2万円、成約単価が3万円から高いとこだと4万円です。管理事業を中心に置いていると管理を伸ばすために賃貸仲介事業を始めた会社様も多くいらっしゃると思いますが、やはり賃貸仲介でも利益を出して管理でも利益を出していくのが正しい姿だと思いますので、ここに限ってはA社様よりB社様の方がコスト高となる傾向にあるのが実態かと思います。
スライドの右側では業界トップクラスの指標として載せさせていただいています。A社様では1件当たりの成約単価は1万円ほどですが、トップクラスの会社様では5,000円から多くて7,000円ほどの間で成約できています。
スライドの下部には反響来店率、来店成約率、ポータルサイト反響成約率を入れさせていただいています。先ほども申し上げた通り反響の呼び込み率の平均が30%前後で、トップクラスだと50%まで伸びている会社様もございます。ここは営業努力で改善できる部分ではありますが、実体の数字を平均値として見ながら自社がどれほど伸ばせるか今の現在地はどこなのかを見ていただきたいので、こちらの単価やそれぞれの成約に至るまでの指標を記載させていただきました。自社の数字をベースに見直していただいて改善点を見つけていただきたいと思います。
コロナ禍における賃貸仲介市場の変化
続きまして、コロナ禍における賃貸仲介市場の変化についてご説明いたしますと、一つ目は反響数が増加するが来店躊躇による来店率低下が一つ目です。二つ目にデジタル集客の浸透ですが、ポータルサイトサイトの有効活用をエンドユーザー様ができるようになっていることによって飛び込みは大きく減りました。具体的には私の体感ですが50%ほどは減っていると思います。代わりにそれが呼び込み数に移行していたりはしますので、来店数自体は先ほど申し上げた通り平均5%ほど減っています。三つ目がポータルサイトサイトの掲載競争が加速して反響コストが増えていることです。10年前は1件あたりの単価がもっと安かったと思いますが、様々なポータルサイト上の機能や競争が加速したことによって、コストが増えているのが実態です。四つ目は社員さんの業務が増え接客以外の業務で疲弊していることです。これは相対的に働く時間も減っていると思います。完全休業の店舗が出てきていたり、残業がなくなったり、残業禁止と言われて残業していない店舗もそもそも労働時間が減っている中で反響数が増えているので、実際に来店した人の追客や反響の人を呼び込むためのアクションをしていることもあって、実際に接客以外の業務で疲弊が起きています。
その結果、賃貸仲介では生産性が上がりにくい実態になってますので、営業の労力が成果に繋がっていない、コストをかけた販促費が成果に繋がっていないというのもあり、生産性に大きな変化がなく、成約率は上がるが、来店率が低下してしまうなどの事象が起きています。
コロナをきっかけに急加速する業態変換・DXの進化
そのような観点でいうとDXはデジタルトランスフォーメーションの略になりますが、業態転換が賃貸仲介業界では起きづらい実態があると思います。例えば書店業界や動画配信やデリバリーなど様々な業態がある中で、DXの段階をversion1.0、2.0、3.0、4.0と区分した場合に皆様もWEBやアプリでの検索購入は当たり前になっていて、その中で購入したお客様にレコメンド機能でお勧めやマッチングの紹介をしています。これが追客というよりも次の紹介を自動でしていて、サブスク業態やオリジナルサービスを展開していく部分にまで、今までの本を一冊買いに行くかたちから徐々に変わっているので、そのような意味ではデジタルトランスフォーメーションによって業態が変わっていく中で顧客体験の圧倒的な向上が起きていますが、賃貸業界においては他業界に比べてまだまだWEBアプリでの対応接客などは全然起きていません。先ほど申し上げた日本エイジェント様が完全オンラインでの賃貸仲介業態まではたどり着いていますが、例えば顧客管理の中でこちらの物件がお勧めですとマッチング程度で起きていても、デジタルで確かにサポートを受けていますが、業態自体が変わるまでの変化が起きていません。ここから先はデジタル集客をベースにデジタル集客もままならないまま業態が変わっていくということは起きづらいのが実態なのでWEBサービスやアプリの導入にシステムを入れるだけで終わるのではなくて、今後バージョンの新しい賃貸業界のサービスがどうなっていくのかを見せながら戦略を練っていく必要があります。
賃貸仲介の業界の課題とは?
そのような意味での賃貸仲介業界の課題はポータルサイト依存が加速していることです。販促費は増大傾向にあり、広告費は今まで大体10%ほどでしたが、20%まできています。広告費の目安がどのようなものかと言いますと、売上総利益が大体粗々利の10%ほど、売り上げの30%が基本的な業界全業界の指標にはなっていますが賃貸業界で行くと大体これが20%前後まで増えているので10%違うだけで利益10%異なりますので、このようになかなか利益が出づらい構造になっています。
そして、ポータルサイトサイトは基本的に他社も載せている媒体なので、基本的に競争が起きてしまう構造になっています。
また呼び込みについて我々で定義しているポイントが三つあります。スピード、回数、内容です。我々は様々な会社様の反響調査や反響対応を見ていますが、返信の内容では正直大きな差はなく、大手だから内容が凄いということはないです。どちらかと言うと違いが出るのは・・・