賃貸仲介店舗がデジタルで行うこと
まず「賃貸仲介店舗がデジタルで行うこと」というタイトルで書かせていただいておりますが、こちらの三つのウェブ上の立地で一番立地を取ることが非常に重要になります。その三つのウェブ上の立地を左から紹介します。リスティングはリスティング広告のことで、MEOはグーグルマップ対策のことで、SEOは自然検索対策と言われるものになります。例えばお客さんが「○○市 賃貸」などで検索をした場合に自社のサイトが何番目に出てくるのかというようなものがSEOになります。この三つのウェブ上の立地で一番立地を取ることが非常に重要になります。
優先順位といたしましてはやはり短期的に対策ができるものから長期的に対策ができるものに分かれておりますので、まずはしっかり短期的なところから中期的長期的といったところに着手をしていくのが良いかなと思います。
その中で非常に重要なこと、そもそもこれがないとできないということがありますが、それは自社サイトを作っていただくということです。自社サイトがないと先程のリスティング広告もなかなかかけられないですし、グーグルマップについては店舗を出店できますが、そこがホームページと連動していなかったり、来店予約と連動していなかったりというような課題感が出てきます。また、SEOはもってのほかですけれどもサイトがなければ上位に表示されることもありませんので、まずは自社サイトを作っていただくということが非常に重要になります。
大体、全国の賃貸仲介をやっている会社さんを見ていきますと、名前がわかる会社ですが、6、7割ぐらいは自社ホームページを持っていらっしゃるのではないかなと思います。そして、ただ持っているというのでは今回の講座の中では良いサイトとは言えないかなと思っております。良いサイトとはどういうことなのかというところですが、まずお客様の視点に立ってサイトを構築していくことが非常に重要になります。良いサイトと良い流入と書いておりますが、サイトを作るだけでは実際に求めているユーザーが正しく来てくれるかどうかがわかりません。正しく来てくれなければ実際に問い合わせに繋がることもないので、良いサイトと良い流入をどちらも獲得していくということが大前提になります。
また、良いサイトの条件を四つ書かせていただいています。まず一つ目に、ほしいものが載っているということです。今回は賃貸仲介の店舗がやっていただくことになりますので、当然ではありますが賃貸物件が載っていることが前提条件です。更にその上で、ほしいものというところなので、その賃貸物件がいかにユーザーにとって必要とされるものなのかといったような賃貸物件自体の商品力も非常に重要になってくるかなと思います。
二つ目に、わかりやすい/使いやすいということになりますが、こちらはぱっと見でわかるようなもの、そしてユーザビリティが高いようなものというのを指しています。
三つ目はユーザーがそのサイトに入ったメリットがあるということです。通常、SUUMOさんやHOME′Sさんなどのポータルサイトで探されるのが一般的ではありますが自社サイトに入ったことによるメリットというのは何なのかをしっかり訴求できないと良いサイトとは言えないかなと思います。
四つ目は問い合わせが簡単にできるかどうかです。
次に良い流入のポイントに移ります。一つ目に検索すると上に出てくるということです。これは先程のSEOの観点と同じになりますが自然検索をした際に上に出てくると、より良い流入が入ってくると言われております。二つ目、地図検索で上位に表示されることや、三つ目、他人からオススメされるレコメンドというものが非常に観点としては重要になっています。四つ目は複数回流入されるということで、これらがお客様にとっての良いサイトと良い流入になります。
では、これを踏まえて自社はどのように進めていけばいいのかということをご紹介します。
それがこちらになります。まず良いサイトの一つ目、取り扱い物件が全て載っていることです。基本的にはポータルサイトは枠を買ってそれで掲載しているので入れ替えるなどということが発生してくると思いますが、基本的には自社サイトには全ての物件を掲載してください。量を一番に優先するといったところをアピールポイントにしていただけるといいのかなと思います。
二つ目にスマートフォンに最適化していることです。これは後ほど説明をしますが現在多く使われているのはスマートフォンでの検索になりますので、スマホでいかに探しやすいかというのが重要になります。
三つ目にユーザーの興味に合わせて調べやすいことです。これは先程のユーザーが求めている商品があるかどうかというところの判断軸になってきています。
四つ目にキャンペーンが設置されていることです。こちらは先程の見たメリットがあるかどうかといったところと紐付いています。
そして五つ目に導線が整理されていることです。問い合わせの導線ということです。お客さんが問い合わせしたいなという心理になった時にいかに問い合わせの導線が敷かれているかということが非常に重要になります。
次に良い流入を獲得していくためにということでお話いたします。一つ目にSEO対策で上位に表示させることです。二つ目にリスティング広告等を活用して上位表示することが挙げられます。三つ目にMEO対策で上位に表示をさせることです。四つ目に口コミを獲得して更に獲得した口コミに対して返信を行っていくことです。五つ目に一度入った流入に対して再度リターゲティングという形で追客をしていくことです。これが良い流入を生んでいきます。
ですので、良いサイトと良い流入をお客さんの目線に立ってまずは考え、そして自社ホームページに置き換えたときにどういう状況なのかということがパッと見えるようにしていただければと思います。まずこの前提を押さえていただいて、今回事例という形でお聞きいただければと思います。
自社HPを活用して集客をするメリット
そもそものところ、「自社ホームページを活用して集客をしていくメリット」というタイトルになっていますが、まずポータルサイト上で今反響を取っていくことに依存をしている会社さんがほとんどかなと思います。そういったポータルサイトで依存をしている会社さんが陥りがちな課題というのが主に三つあるかなというところです。
まず一つ目に反響を獲得する前の課題というところで、ポータルサイトを見ている人にしか自社の物件が表示されていないという課題があります。お客様はポータルサイトに入る前に検索というフェーズを踏んでいますので、検索というフェーズに自社の媒体が入ってこないというのは、この一次情報の段階でロスをしているということになってきます。
二つ目に反響を取ってから来店獲得というところですが、当然ポータルサイトにはたくさんの物件が載っていますのでいろいろな物件に問い合わせをしていく中で今来店をするのが躊躇されています。大体1人当たり1.5店舗回っていますので、2店舗は回らないことになります。その中でポータルサイトの競争が加速していく中で自社に来店してもらうハードルが少しずつ上がってきているというようなところが全国的には見受けられます。ですので反響はたくさん来るようになったけれども反響からの来店率が低下してしまっている、こういった課題というのは非常に多くの会社さんで起きている課題かなというところになります。
三つ目に来店を獲得してから申し込みを取っていくというところですが、こちらも同じような形で複数の店舗からアポイントの連絡が飛んできています。仮に自社の見た物件が良くなければ考慮するというような結論に至りますので、この申し込み獲得といったところも少し差が出てくるのかなというような状況になっています。
そこにおいて自社ホームページを活用していくメリットを、それに対応する形でですが書かせていただきました。
まず一つ目にポータルサイト以外にホームページの集客経路があるというところが非常に重要になります。ですので、例えばポータルサイトが値上げをしてこようとしたというような状況が皆さんの会社さんでもあるのではないかなと思いますが、そうなった際に実際に自分の持っているこの媒体では今の反響コストはこれぐらいですよというようなところをしっかりと提示することができれば、コストを上げずに済むことができるというのも私のご支援先の中で確認した例がございます。
実際に反響を取ってからというところのメリットの2番になりますが、自社の物件に対して問い合わせが来てくれますので読み込みというのが非常に楽になります。当然自社に載っている物件ということであればそのメリットというのはかなり高くなってくるでしょう。
最後に三つ目のメリットです。来店を取ってから申し込みというところですが、これはホームページの構築の段階から書いておいていただきたい部分なのですが、ユーザーがまず自分の強みや会社の特徴みたいなところを理解をして問い合わせをしている、サイトを見たメリットというようなところだったり、キャンペーンみたいなところ、そういった自社で実際自社サイトから問い合わせをしたからこそ得られているメリットをしっかりと享受できる、これが自社ホームページを活用して集客できるメリットかなというところになります。
自社HPを活用した集客のKPI
少し矢継ぎ早に説明をしてきておりますが、自社ホームページを活用した集客のKPIを1度押さえておこうかなと思います。まず第1講座では、SUUMO、HOME′Sを活用した、いわゆるポータルサイトの大手2社さんの反響単価、来店単価、成約単価を押さえていただいたかなと思います。では一方で、自社ホームページを集める場合というのはどうなのというところで、今回は反響単価、来店単価、成約単価ということで広告でかけている部分と自然検索で取っている分というところをかけ合わせながら実際に集計していければと思います。
まず業界平均といたしましては大体SUUMOと同じぐらいになるかなというところで、4、5,000円ぐらい、エリアによって少し差が出てくるかなというところになります。大体業界平均で自社ホームページからの来店率が50%ということで、大体ポータルサイトが35%というところ、30%から40%ぐらいとすると、5%か10%ぐらい高いんじゃないかなというところになります。
そして来店から来店成約率も50%ということで反響からの成約率は25%となります。単価に直してみますと来店単価が8,000円から1万円、成約単価が1万6,000円から2万円となります。広告費に関しては1店舗当たり大体月15万円ぐらいかけていただくのが理想的かなと思います。業界トップクラスになってきますと反響単価で大体1,000円から2,000円ぐらいで1反響を獲得できてくるということになります。また、来店単価も1,500円から3,000円という形で反響来店率が70%ぐらい、7割ぐらいが来店するというような数値になります。そして・・・