令和7年12月のデータによれば、「道の駅」の登録数は1,231駅となりました。
新規の登録(設置)数は微増の状態が続きます。一方でグラフに示したように、20年~30年と経過した「道の駅」が増え、存廃についての議論、さらには継続するならばどのようにリニューアル(再整備)を目指すかを真剣な議論が始まっている地域も多くなってきています。
船井総研では全国の道の駅の調査・分析を進める中で、上記の存廃の議論や新設・リニューアルに係るアドバイスを求められる機会にも恵まれ、これまでに多岐にわたり道の駅の御支援を行ってまいりました。
今回はこれまでの経験に基づき、特に年月が経過した道の駅が存廃するかどうか、またはリニューアル(再整備)をするにはどうしたらよいのか、について押さえておくべきポイントを3つにわけて紹介いたします。
まず、、、少し不思議なことをはじめに言いますが、道の駅のリニューアルが現状の立地ではなく、より諸条件(対面交通量、商圏人口、類似店舗の存在など)の良い立地への移転を伴い、なおかつ施設・売場の面積・駐車場が拡大するのであれば、売上・利用者はほぼ確実に増加します。
そして売上・利用者の増加を成功とするならば、失敗することはほとんどありません。
また同じ立地であったとしても、正しい計画作り(前回のコラムで詳述)を行い、適正面積で施設を整備すれば、これもまた確実な業績が見込めるものとなるでしょう。
ただし、せっかく売上・利用者が大きく増えたのに、思ったより利益が出ない、スタッフが足りないなどの要因で好調を維持できず、じり貧となるケースは一定数あります。
上記のような悲しい結果にならないために、押さえておくべきポイントは以下の3つになります。
ポイント1.収益構造・ルールを変える
ポイント2.新たな人材を採用する
ポイント3.機能を付加(集約)する
【ポイント1.収益構造・ルールを変える】
ポイントの一つ目は、収益構造・ルールを見直すことです。
例えば商品の陳列場所。委託販売をメインにする道の駅では、運営者の判断で商品の陳列場所を変えると、その商品の出荷者とのトラブルになることが少なくなく、売場のレイアウト・商品陳列が硬直化している事例が多くみられます。
本来であればPOSデータ等を活用し、例えば売れる商品はより多く、より良い場所に陳列し、売れない商品は、その逆にするという小売りでは当たり前の改善手法が、なかなか道の駅では難しい。ただ、リニューアルとなれば、売場自体が面積もレイアウトも変わる上、多くの商品(出荷者)の売上が現状より上がりますので、レイアウト・商品陳列を見直すチャンスです。
このリニューアル・チャンスにできればプロもいれて、売場・商品陳列を最適化することをおススメします。そして陳列だけでなく、ルールも同時に見直してください。
例えば、現状の委託販売手数料が低ければ上げ、商品の品質向上のために出荷規格を見直す、再びレイアウト・商品陳列が硬直化しないよう、運営者の権限を今より強くするなど、収益向上・ルールを見直すことがリニューアルで押えておく、などが有効です。
また現状で採算性の低い事業等があれば、あわせて見直してください。
道の駅のリニューアルを伴わず、こうした改革を行うことは出荷者等の理解をえることのハードルが高いですが、リニューアルならそのハードルは大きく下がります。
もちろん事前に関係者に説明し、意見を伺い、よりよい改革を行う、出荷者・運営者、そして利用者にとって三方ヨシの改革としなければならないことは言うまでもありません。
【ポイント2.新たな人材を採用する】
ポイントの二つ目は、人材の採用です。
道の駅に限らず、様々な業種業態で人材不足が慢性化しています。特に長く営業している道の駅等では、スタッフの勤続年数が長いことが多く、その方たちがやむを得ず退職された穴を埋めることが容易ではありません。
仕事を探す側にとっても、勤続年数の多いスタッフの多い勤務場所はハードルが高いと考える人が多いです。
新たにできる道の駅ではスタッフを募集すると、地域の方々を中心に多くの応募があるケースが多いです。リニューアルも同じく新たな人材の採用チャンスです。
リニューアルの場合現状のスタッフがもちろんいますが、多くの場合売上が増加しますので、その分スタッフも増加する必要があります。
道の駅の利用者だけでなく勤務希望者もしっかりマーケティング・調査して、より良い人材を採用する取り組みを行うことがリニューアルで押えておくべきポイントなります。
あわせて当社メンバーが関わった新設の道の駅では、全国から運営責任者候補(社員)を募集し、地域外から多くの応募を集め、有能な人材を採用した事例もあります。
道の駅のブランド力を活かし、広く人材を募集することもリニューアルで効果が高まります。
【ポイント3.機能を付加(集約)する】
最後の三つの目ポイントは、新たな機能の付加又は集約することです。
道の駅は第3ステージに入り、「地方創生・観光を加速する拠点」として、観光・防災・子育て支援、地域産品の加工施設の併設など、様々な機能・役割を持つようになってきています。
道の駅のリニューアルでこうした新たな機能を付加する事例は多いですが、その際検討いただきたいのは、既存の公共施設(機能)の集約です。
例えば、観光や子育て支援施設(機能)は、道の駅と相性が良く、集約によって双方の利用者の利便性が向上し、運営(維持コスト)が抑えられることが期待できます。地域産品の加工施設も道の駅に併設されれば、道の駅が加工品の販路となり、採算が改善することが期待できます。
そして、国がこうした機能の付加、第3ステージ化を推進していますので、補助金のメニューも豊富にあります。
以上が、道の駅をリニューアルする際に、是非とも押さえて頂きたい3つのポイントです。
いずれもリニューアルや新設だからできることです。
売上・利用者の増加だけでなく収益も改善し、十分な人材を確保し、何より行政・出荷者・利用者・運営者にとってなくてはならない、より良い道の駅へのリニューアルを実現ください。
当社は「道の駅」に関して、豊富な実績とノウハウ、多様な専門性を持つコンサルタントを有しておりますので、本コラムの内容はもちろん、「道の駅」に関して何なりと無料でご相談頂けます。是非、ご活用いただき、皆様の地域の道の駅のリニューアル・活性化にお役立てください。

