令和7年6月、「道の駅」の登録数は1,230駅となりました。新規の登録(設置)数は落ち着いてきた一方、20年~30年と経過した「道の駅」が増え、リニューアルを目指す道の駅は増加傾向にあります。
船井総研では、全国の道の駅の新設・リニューアルから、既存の道の駅の経営分析・改善のご相談など、多岐にわたり道の駅の御支援を行っており、毎年、新設・リニューアルされる道の駅については、当社が関わったもの以外にも研究の一環で調査・分析・レポート化を行っております。
これまで多くの道の駅に関わってきましたので、新設・リニューアルされた道の駅を見に行くと、成功の要素・失敗の要素等の色々なものが見えてきます。
新設はもちろん一度きり(リニューアルもそう何度もできません)ですが、リニューアルもまた「道の駅」の成功(黒字)を実現する最大のターニングポイントとなりますので、是非とも成功させたいと誰もが思うところです。
では、「道の駅」新設・リニューアルを成功させる鍵とは何か。
大きく2つだと考えられます。
・地域の多くの人を巻き込むこと(前向きにすること)
・計画的に行い、作り込むこと
「ヒト・モノ・カネ」は企業経営に不可欠な3つの資源ですが、道の駅の経営においても同じく不可欠です。新設(リニューアル)でどんなに立派な施設や設備が揃っても、働く人・出荷する人、販売する商品やサービスが伴わなければ宝の持ち腐れとなります。
<地域の多くの人と巻き込むこと(前向きにすること)>
「道の駅」で働く人・出荷する人、そして販売する商品やサービスも、いうまでもなく「道の駅」は地域の皆さんが主役となります(それが「道の駅」の魅力となります)。
人不足や商品不足にならないためにも、地域の人に多く参画頂くことが大切です。もちろん参画するだけでなく、前向きに、一緒になって「道の駅」を盛り上げてもらうことが重要になります。
そのためにも、多くの地域の皆様に「道の駅」の新設(リニューアル)を知ってもらい、参画したいと考える人の期待感を高めるプロモーションを行う必要があります。
効果的なプロモーション(周知だけではない)を行うことで、優秀な人材・出荷者、地域の魅力あふれる商品を集めることができるだけでなく、地域の利用者(ファン)を増やすことに繋がりますので、開業前の広報PRにお金と時間をかけるより、その前に地域内の皆さんに行うプロモーションにお金と時間をかけることをおススメします。
<計画的に行い、作り込むこと>
新設でもリニューアルでも、多くは2~3年以上(計画からだと5年以上)の時間がかかります。まだまだ時間があるから、とゆっくりしていて、直前でバタバタ。いざ開業というときに、計画していた(やりたかった)ことができず、準備不足となることは往々にしてあります。
計画・準備は重要ですが、明確なゴールを設定せずに議論をする、ああでもないこうでもないとダラダラと続けると、肝心な商品開発やスタッフの教育に時間がとれなくなってしまいます。それでも「道の駅」の開業・リニューアルは話題になるので、多くの利用者が来られます。来られますが、2度3度と来られる方がなく、どんどんと売上が減っていき、気が付けば経営が厳しくなる。こうなると、なかなか取り返しがききません。
新設・リニューアルの計画時はその「道の駅」の売上(利益)を左右するターニングポイントになります。あとから修正できることは限度がありますので、できることは計画的に早めに行い、商品やサービス(ヒト・モノ)の作り込みに時間をかけることが重要です。
また、新設(リニューアル)はついつい大風呂敷を広げがちですが、後でできることは投資も含めて後に回し、まずはできることをしっかりやる(作り込む)ことから始めることをおススメします。大風呂敷を広げすぎると、投資も時間も大きくかかり、肝心なことも色々中途半端になってしまい、結果、思うようにいかなかった。誰のせい?何のせい?ということが多々ありますので気を付けましょう。
しかし、言うは易く行うは難し、の通りで、我々が関わる道の駅の新設・リニューアルにおいても時間に追われてしまうこともあります。
ですが、一つ言えることは、事前の想定がしっかりしているほうが失敗は減り、計画的に実行することができるようになります。
これから「道の駅」の新設(リニューアル)を行う(検討する)皆さまへ
「道の駅」の新設・リニューアルが地域で2度目、3度目という方、特に自治体の職員さんでは、ほぼいらっしゃらないと思います。だからこそ、是非、そうした実績のある人(企業)から、できるだけ早い段階で巻き込み、ノウハウを得ることを強くおススメします。「実績」は、地域のステークホルダーの皆様に対しても、説得力がありますので、地域を巻き込み、計画的に準備を進める上でも役に立ちます。
実績・ノウハウのある人を採用するのも一手ですが、採用することはリスクも伴いますし、開業して経営が軌道に載れば(利益さえ出れば)、あとは自前で何とかなるものです。よい人が見つからなければ、我々へのご相談、そして時限的な支援もご一考ください。
当社は「道の駅」に関して、豊富な実績とノウハウがあり、時間・ご予算に応じた様々なご支援プランをご用意しておりますので、是非何なりとご相談・ご活用ください。
今年の12月24日(クリスマスイブ)に、シティプロモーション自治体等連絡協議会の第3回セミナーが開催される予定です。岐阜県揖斐郡大野町の「道の駅パレットピア大野」の開業時の苦労や成功の秘訣などを、当時ご担当の町の職員さまにもご登壇頂いて、開催します。地域の方々の巻き込み方、地域内への効果的なプロモーションとその成果について、成功事例をご紹介いたしますご興味ある方は是非ご参加ください。
