株式会社ミールケア
長野県
幼稚園・保育園「キッズミール」食事サービス、医療・福祉・社員食堂の食事サービス、農業体験レストランの展開等
長野県で給食事業を展開し売上87億円を誇る企業が、今後の事業を見据えて10年ロードマップを策定。利益率の低さや労働集約型ビジネスという構造的課題に対し、外部視点から新たなビジョンと具 体的な道筋を提示したことで意思決定の軸が定まり、次世代への経営改革で 200 億企業を目指す。
10年後の未来を描くロードマップ策定がもたらす事業変革と意思決定の軸
現代の企業経営において、不確実性の高い時代を生き抜くためには、単なる過去の延長線上にある予測ではなく、未来の理想の姿から逆算(バックキャスティング)して今何をすべきかを考える思考法が求められます。その経営戦略を具現化するための強力なツールとなるのが、「ロードマップ策定」です。
特に事業が一定の規模に達し、さらなる飛躍を目指すフェーズや、次世代へ事業承継を行うタイミングにおいては、全社が共有できる明確なビジョンと中期経営計画が不可欠となります。
今回は、ロードマップ策定を通じて利益率ほぼ0%という構造的な限界を打ち破り、「食のインフラ企業」としての新たな一歩を踏み出された株式会社ミールケア様(長野県)の成功事例をご紹介します。
同社がいかにして厳しい現状と向き合い、ロードマップ策定を通じて組織の意識を変革し、圧倒的な利益創出と新規事業開発を実現したのか。当社の視点からそのプロセスを解説いたします。
なぜ今、長期的なロードマップ策定が必要なのか
株式会社ミールケア様は、創業から約36年にわたって保育園や幼稚園、病院、介護福祉施設への給食提供(BtoB事業)を主力とし、売上87億円、従業員1,700名超を抱える、地域社会に不可欠な企業です。同社はさらなる成長を見据え、会社として「売上200億円」という壮大な目標を掲げておられました。
しかし、その目標から逆算して現状を分析した際、経営陣は受託給食ビジネス特有の「利益が出にくい事業構造」という壁に直面することになります。
慢性的な人手不足や労働集約型という特性から、現場のスタッフがどれほど懸命に働いても、グループ全体の営業利益率は実質ほぼ0%という厳しい状況が続いており、BtoC領域である直営の飲食店舗事業においても赤字が恒常化していました。
このように、日々の業務に追われる中で生じる構造的な限界は、短期的な戦術や目先の改善だけで打ち破ることは困難です。
現状の延長線上で積み上げる事業計画ではなく、10年後の自社がどうありたいのか、そのためにビジネスモデルを根本からどう変革すべきかを見据える「ロードマップ策定」が、同社には必要でした。
ロードマップ策定がもたらしたのは「数字の達成」だけではない
その後、本格的なロードマップ策定がスタートしましたが、その過程で得られた最大の成果は、数値目標の設定や中期経営計画の作成にとどまりませんでした。
それは、自社の「存在意義の再定義」と、自社の強みを活かした「新事業の創造」です。
外部の客観的な視点から自社の強みと弱みを分析することで、課題が浮き彫りになりました。
それと同時に、長年培ってきた「園の運営ノウハウ」という自社独自の強力な強みも再発見されました。
この強みを最大限に活かし、単に食材を調理して提供するだけの給食会社から脱却し、定員割れに悩む幼児施設のサポートや、給食運営のコンサルティング事業へと領域を昇華させていく方向性が示されました。
そして議論を深める中で、自社を「我々は給食を作っているだけでなく、食を通じて地域社会を根底から支える『食のインフラ企業』である」と再定義するに至ったのです。
また、BtoC事業のロードマップ策定においては、既存のレストランにスイーツバイキングやカフェ機能を強化するだけでなく、遊具施設や観光農園といったレジャー施設を拡張併設し、人が集まる巨大な場を創り出す「ビレッジ構想」が描かれました。
ロードマップ策定を通じて自社のアイデンティティが明確化され、長野市の人口増加や地方創生にも繋がるワクワクするような事業構想が次々と形になっていったのです。
経営者の「ブレない意思決定の軸」が明確になる
ロードマップ策定の絶大な効果は、経営トップの「意思決定の質とスピード」にも劇的な変化をもたらしました。
かつては霞んで見えていた「200億円」という目標と、目の前に山積するバラバラの課題が、ロードマップ策定によって「一本の線」として繋がり、10年後に売上186億円、営業利益12%という着地見込みや、それを実現するための人材採用・育成計画が、根拠のある数字として明確に示されたとき、関社長は「目の前の霧が晴れるような感覚」だったと振り返ります。
この精緻なロードマップを手にした関社長は、代表取締役就任後の1年間で果敢な経営判断を下されました。その最たるものが「完全委託プランの適正な価格改定」です。
これまで「子供たちのため」という大義名分のもと、コスト高騰分を自社で被ってうやむやにしてきた部分にメスを入れ、BtoB事業における取引先との価格交渉を力強く推し進めました。
「頑張っても利益が残らない構造は必ず変えられる」というロードマップ上の数値シミュレーションが裏付けとなり、トップとしての自信と行動力に繋がったのです。ロードマップ策定は、「今行おうとしているこの施策は、自社の未来のビジョンに繋がるのか」というブレない意思決定の軸をトップに与え、組織全体が同じ方向を向くための強力な求心力となりました。
地域コングロマリット企業への挑戦
栄養士の資格を持ち、外部でのライター経験も併せ持つ関社長にとって、今回のロードマップ策定は単なる事業計画書の作成ではなく、前社長(現会長)からの「未来へのバトン」を受け取るプロセスでもありました。
「この地図があるからこそ、今後も迷わずに走っていける」という絶大な安心感とともに、現在も着実に収益体質の改善と組織改革を推し進められています。
そして、同社が目指すのは「売上200億円」という単なる規模の拡大ではなく、給食における子供たちのアレルギー問題をなくし、ビレッジ構想を通じて地域人口の増加に寄与し、食とレジャーを通じて地域社会に多大な貢献をもたらす「地域コングロマリット企業」へと進化していくことです。
経営において、目先の数字を追うだけの短期的な事業計画では、激変する経営環境の波を乗り越えることは難しく、持続的に成長し続けるためには、10年後といった長期の視点で会社の姿を描き、そこからバックキャスティングして今何をすべきかを考えることが不可欠です。
ロードマップ策定はその壮大な挑戦のための指針となります。
このような経営者様におすすめです
・売上目標を掲げているものの、具体的な道筋が描けていない経営者様
・既存事業の抜本的な変革を検討している経営者様
・中長期的な経営戦略を立てたい経営者様
・次世代メンバーと共に10年後の未来を描きたい経営者様
株式会社ミールケア様がいかにして利益率0%の構造的限界に立ち向かい、食のインフラ企業としての明確なロードマップを描き切ったのか。関社長が語るリアルな葛藤や、経営者としての決意の全貌は、下記のお客様の声ページにてご覧いただけます。
