
企業情報
- 会社名 アスザック株式会社
- 本社所在地 〒382-8508 長野県上高井郡高山村大字中山981
- 設立 1946年(昭和21年)4月
- 資本金 6,350万円
●従業員数
○単体: 465名 (男性300名、女性165名) (2024年5月時点)
○グループ計: 945名 (国内のみ) (男性435名、女性510名) (2024年5月時点)
●売上高
○単体: 102億円 (2024年3月期)
○連結: 226.8億円 (2024年3月期)
●事業内容
○ファインセラミックス事業部: ファインセラミックスの製造・販売
○アルミ事業部: アルミ建材・エクステリアの製造・販売
○インフラエンジニアリング事業部: コンクリート2次製品・景観石材の製造・販売
○P&D事業部: 電子機器・産業機械の製造・販売
1.ご支援前の課題
●マシニング加工機へのワーク供給・排出工程
オペレーターがワークをセットして、平面・並行出しを行い、プログラムを呼び出してスタートして、加工後に加工個所の寸法を測定し、補正値を算出して入力後、補正作業を行っていました。
内段取り時間が多く掛かり、終わるまで他マシニングの段取り作業ができず、人手によるワーク供給から排出までが大きな負担となっていました。
●工具組立交換作業
20台のマシニングセンターの工具交換を1名の作業員が専任で担当しており、昼夜2交代制で対応していました。
●図面情報管理
顧客から提示された図面と類似する過去の図面を探し出す作業に時間がかかっていました。
過去の図面情報と、それに紐づく営業情報や加工情報などを効率的に検索できる仕組みが必要とされていました。
特に、以下の項目を検索できるようにしたいという要望がありました。
品名/客先・社内図番/全長/幅/厚み/材質
●バリ取り作業
加工後のバリ取り作業に、多くの時間がかかっていた。
また、技能者によってバリ取り作業の質に差があり、品質にばらつきが生じていました。
2.ご支援内容と結果
アスザック様へは、以下の4つのテーマについてご支援をおこないました。
●マシニング加工機への供給・平面並行出し・補正・排出の自動化
●工具組立・ばらし交換作業の自動化
●類似図面検索システムの導入
●自動バリ取りロボットの導入
以下にて、ご支援内容とその結果について、ご説明します。
●マシニング加工機への供給・排出の自動化
○支援内容
ロボットによるパレット搬送システムの構築を支援。加工前のワークをパレットにセットしておき、ロボットがパレットごとマシニング加工機に搬入・搬出するシステムを構築。
○支援定性効果
ストッカーにワークをセットしてスタートさせると、最大で2日間1人のオペレーターがフリーとなり、他のマシニングの段取り作業が出来るようになりました。土日連続の無人加工を実施しています。
○支援定量効果
●工具組立交換作業の自動化
○支援内容
自動倉庫機能を備えたマガジンラックの設置や、工具交換作業の自動化システムを提案。ホルダー、シャンク、ツールをあらかじめ予約選択しておき、ホルダーとシャンクは自動倉庫から搬送、ツールは作業者が治具にセットすることで、交換作業自体の自動化を図る構想を提案。
○支援定性効果
外段取り化で他の業務が出来るようになりました。工具の組みバラシ作業は重労働でしたが、自動化により負担がなくなりました。
○支援定量効果
●類似図面検索システムの導入
○支援内容
AIを活用した類似図面検索システムの導入を支援。図面の特徴をAIが学習し、類似する図面を自動的に検索するシステムを構築。
○支援定性効果
システムの導入により、客先での概算回答が可能となることでレスポンスが向上しました。
類似製品の見積りや加工表の転用による工数削減で、見積り回答のリードタイムが短縮されるほか、加工プログラムの転用によって、プログラム作成工数やミスが削減されました。
新規品では過去の不適合情報を活用して不適合の未然防止に寄与しています。
○支援定量効果
新規品の類似率を5%、1分あたりの労務費70円と仮定すると、見積もり作成、加工表作成、加工プログラム作成、不適合防止による効果は計416,855円/月。年間500万円の工数を削減。約1年半で投資回収をおこなった好事例。
●自動バリ取りロボットの導入
○支援内容
カメラを活用し、ティーチングレスの自動化を実現。
技能者が台の上にワークを置くだけで、ロボットが加工位置を判断し、バリ取りをおこなうシステムを構築。
○支援定性効果
レーザー後の工程は面取り・ドロス除去作業で、自動化により面取り作業のみとなり、ドロス除去用に電着を組み替える作業もなくなり、面取りのみに集中できるので、1日の生産枚数が増加しました。
画像認識による加工により、製品毎のロボットの稼働プログラムの作成が不要です。
○支援定量効果
3.船井総合研究所を選んだ理由
船井総研を選んだ理由は、「自社の各メンバーとプロジェクトを組み、リーダーシップを取って自動化を進めていただけると感じたから」です。
アスザック株式会社では、2010年代後半から自動化推進に取り組んでいましたが、社内での取り組みには限界を感じていました。
自動化には、電気、機械、現場作業などの、多岐にわたる専門知識が必要となります。社内にそれぞれの分野における高い専門性を持った人材はいたのですが、各メンバーをまとめ、リーダーシップを発揮できる人がいませんでした。その為、担当者同士が協力して進める事ができずに、チームがバラバラになってしまったこともありました。
またその他にも、プロジェクトを進めていると、「できない理由」が出てきてしまい、納期通りに進まない問題が発生したり、仕様を確定した後になって、新たな仕様や要求が出てきたことから、結局は費用がかさんでしまうケースが多く見られました。
社内で自動化、DX化を進めていても一向に進まないため、不安もありましたが、船井総研にコンサルティングを依頼しました。
4.船井総研に頼んで良かったこと
船井総研にコンサルティングを依頼してから4年目になりますが、船井総研に頼んで良かったことは以下の3つです。
1つ目は、「基本的に仕様と納期、金額が明確になり、ほぼ納期通りに自動化を推進できたこと」です。様々なメーカー・SIer・商社に協力していただきながら、ほぼ納期通りに自動化を進めることができました。2024年は、前年比10%増の売上を上げることができましたが、生産増の中でも、少ない人員で対応することができました。
2つ目は、「“自動化を進めている”という対外的なアピールができたこと」です。工場を見学していただいたお客様には、先進的な改善がされている、とお褒めの言葉をいただいております。自動化やDXを進めていることが信頼獲得の一因となり、新しい案件をいただけるようにもなりました。これは非常に良かったです。
3つ目は、「自社の自動化戦略策定の精度を上げることができたこと」です。1つ1つの行いたい施策に対して、その効果の有無をコンサルタントの方が判別してくれるので、自社の自動化戦略を決める上で非常に助かりました。
当初、社内で自動化を進めた方が安いね、という議論もありましたが、仕様変更、改良、作り直しなどが発生することを考えると、トータルで見てコンサルティングをお願いして良かったと考えています。
5.今後おこないたいこと
アスザック株式会社では、今後も継続的な自動化推進により、更なる生産性向上と働き方改革を目指しています。
私どもの業界は今後も成長が見込まれていますが、その業界の進歩について行き、安心してご発注頂けるBCP体制が必要です。自動化改善だけでなく、DX戦略やMA・SFA・CRMの活用などを進めていきたいと考えています。
6.担当者(支援者)コメント
アスザック様は地元でも有名な優良企業ですので、そのような優良企業のDX・自動化推進に携われたことはコンサルタントとしても非常にありがたいと感じております。また、私はアスザック様が位置する長野県出身で、部長をはじめ専務、担当者の方々にも非常によくしていただいて、皆様の協力もあって納期通りの自動化が進められたと考えております。
現在では、さらなる自動化の推進やAIの活用、さらにはZohoを活用したCRMの構築まで多岐にわたって、全社の自動化についての研究を進めていきたいと考えております。アスザック様の成長を、DXを通して実現できるよう邁進してまいります。
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