【解体工事会社向け】公共工事ビジネス

概要
公共工事ビジネスは、国や地方公共団体が発注する工事を受注し、社会インフラの整備や維持を行うビジネスです。 人口減少が進む中で、経済、防災、教育、環境、国防といった社会の基盤を強固にするためには、技術力と経営力を備えた企業が公共工事を受注し、地域ニーズに応える仕組みが必要とされています。
公共工事は、民間工事と比較して単価が高く、粗利率も20%~30%以上と高いため、安定した経営が見込めます。 また、地域でブランドを構築することで信頼を獲得でき、融資枠の拡大や民間工事の受注にも有利に働きやすいというメリットがあります。 さらに、公共工事を請け負うには、財務体制の整備や資格取得といった組織の向上が求められるため、企業の成長にもつながります。
しかし、公共工事ビジネスには、売上の見通しが立てづらい、資格保有者の確保が必要、許可書の取得が必要といった参入障壁も存在します。 また、実績作りには計画的な準備と対策が必要となります。
公共工事に参入するためには、まず建設業許可を取得する必要があります。 建設業許可は、元請会社として4500万円以上の工事を下請会社に依頼する場合に取得が必要な「特定建設業」と、それ以外の場合に取得する「一般建設業」の2種類に区分されます。 許可を取得するには、経営業務の管理責任者、専任技術者、財産的基礎等の要件を満たす必要があります。 また、許可を受けるには、破産者、許可取消処分を受けた者、禁固以上の刑に処せられた者など、欠格要件に該当しないこと、そして不正や不誠実な行為をする恐れがないことが求められます。
建設業許可を取得した後は、経営事項審査を受け、会社の規模や技術力、社会性などを点数化します。 この点数は公共工事の入札資格に関連し、会社の競争力に直結します。 さらに、発注者ごとに行われる競争参加資格審査を受ける必要もあります。
公共工事は、価格競争と総合評価の2つの方式で入札が行われます。 価格競争は価格重視の方式ですが、総合評価では価格だけでなく、施工実績や技術力、環境対応力なども評価されます。
公共工事ビジネスは、社会貢献性の高いビジネスであると同時に、企業の安定成長にもつながるビジネスです。
公共工事業界の動向
日本の公共工事市場は、国土交通省の「建設投資見通し」によると令和3年度で約22.8兆円の規模となっています。 しかし、建設業の就業者数と許可業者数は減少傾向にあり、平成7年のピーク時と比較すると許可業者数は20%減少しています。
公共工事における人材不足も深刻化しており、特に技能職は2002年の431万人から2023年には307万人まで減少しています。 高齢化と若年層の参入不足が主な要因として挙げられます。 一方で、設計や工程管理を担う技術職は2023年には38万人と回復傾向にあります。
今後の公共工事市場は、老朽化するインフラの修繕・補修需要と増加する災害への備えにより、市場拡大が見込まれます。 多くの公共インフラが建設後50年以上経過しており、2040年3月までに道路橋は約75%、トンネルは約53%が老朽化すると予測されています。
企業が公共工事に参入し、業績を向上させるためには、実績を積み重ね、信頼性を高めることが重要です。 また、応札金額を向上させるためには、応札数の増加と入札単価の向上がポイントとなります。 特に、技術者の採用は経審の点数向上、入札案件の増加、売上の拡大に繋がるため、人材紹介の活用など、戦略的な取り組みが求められます。
公共工事ビジネスの安定性と成長性に関しては、以下の点が挙げられます。
●公共工事は国や地方自治体によって発注されるため、民間工事と比べて景況の影響を受けにくく、安定した需要が見込めます。
●日本はインフラの老朽化が進んでおり、今後、修繕・更新の需要がさらに増加すると予測されます。
●近年、自然災害の頻度と規模が増加しており、防災・減災のための公共工事の需要も高まっています。
これらの要因により、公共工事市場は今後も安定的に推移し、成長が見込まれる分野と言えるでしょう。
社会貢献性という点では、公共工事は地域の安全性や利便性を高め、災害時の被害軽減に寄与するなど、社会にとって重要な役割を担っています。
そのため、公共工事ビジネスは、企業の収益だけでなく、社会への貢献という大きな意義も持ちます。
公共工事ビジネスを成功させるには、実績を積み重ね、信頼性を高めることが重要です。
また、応札金額の向上、技術者の採用など、戦略的な取り組みも必要となります。
公共工事ビジネスの具体的な流れ
◆Phase1:公共工事の実績作り
⇒エリアを増やし、100万未満の工事を受注して実績を作る。
◆Phase2:経営審査事項のランクアップ
⇒経営審査事項をC以上にし、数百~1,000万単位の受注を行う。
◆Phase3:数千~億の工事受注
⇒経審のランクをB以上にし、有資格者の採用も含めて実施していく。
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