【塗装業界の未来戦略】地域一番店を目指す高収益ビジネスモデルへの転換

現在の塗装業界は、ライフサイクルの成熟期後期から転換点を迎えており、以下のような変化が見られます。
● 市場の変化
成熟期以降のマーケティングが重要になる一方で、大手資本の参入や顧客ニーズの多様化など、業界構造そのものが変化しています。
● 競争激化
大手家電量販店やネット企業など異業種からの参入、リフォーム会社による塗装事業の強化、下請け塗装会社からの元請け化、訪問販売会社の反響型営業への転換により、競争が激化しています。
● 価格競争の激化
新規参入の増加により、品質を訴求しにくい会社は価格競争に陥りやすく、市場は売り手主導から買い手主導へと移行しています。
● 市場規模の停滞
戸建て塗装業界の市場規模は、2030年〜2035年まで横ばいで推移すると予測されています。
● 二極化の進行
積極的に販促投資や多店舗展開を行い、人に依存しないビジネスモデルを構築する高成長企業と、旧来のビジネスモデルに固執し低成長に甘んじる企業との二極化が進んでいます。
● 集客コストの増加
他業界からの参入や新規事業者の増加により、一件あたりの集客コスト(CPA)が高騰傾向にあります。
このような状況下において、塗装業で地域一番店を目指し、増収増益を達成するためには、最新の時流に適応したビジネスモデルへの転換が不可欠です。
特に、ショールームを活用した集客方法は、顧客との接点を強化し、信頼感を醸成する上で重要な戦略となります。
来店型塗装専門店という新たな選択肢
成熟期を迎えた塗装業界において、増収増益を達成しながら地域一番店を目指すための最新ビジネスモデルを詳細に解説します。従来の訪問型塗装店とは異なる、「来店型塗装専門店」というビジネスモデルに焦点を当て、その具体的な戦略と実行方法を深く掘り下げます。
来店型ショールームモデルの概要
主要なビジネスモデルは、「来店型塗装ショールームモデル」です。その特徴は以下の通りです。
● 組織体制: 職人・玄人集団ではなく、営業・素人集団を中心とした組織を構築します。
● 展開エリア: 1拠点広域型ではなく、20〜30万人商圏に1拠点を地域密着で展開し、将来的な多店舗展開を目指します。
● 提供商品: オーダーメイドではなく、高付加価値な屋根・外壁塗装パッケージを中心とします。
● 集客方法: 口コミ・紹介に加え、チラシ、WEB、そしてショールームを積極的に活用します。
● 営業スタイル: 訪問型商談から来店型商談への転換、来店を軸とした即決顧客の獲得を重視します。
地域一番店戦略:商圏発想と地域一番化発想
地域一番店になるためには、以下の2つの発想が重要です。
● 商圏発想: 成熟した塗装業界においては、以前よりも商圏をコンパクトに設定し、その商圏内で圧倒的な一番店になることを目指します。塗装モデル商圏を20〜30万人と設定し、一番店となるための売上目標を具体的に算出しています。
○ 売上目標の試算例: 商圏人口20万人の場合、一人当たりの年間消費支出金額(MS)を3,450円とし、その26%のシェアを獲得することで、約1.8億円の売上高を達成可能です。
● 地域一番化発想: 重要なのは売上規模だけでなく、商圏内シェアを高め、その商圏でNo.1になるという意識を持つことです。1拠点で1.5億円〜2億円の売上を創出し、一番シェアを獲得できれば、2店舗目の出店を検討し、1拠点あたりの売上を維持しながら店舗展開を行うことが成長戦略の鍵となります。
増収増益を実現するための要素
増収増益を達成するためには、以下の要素が重要です。
● 付加価値商品開発: 顧客ニーズに応じた「屋根・壁塗装パック」「防水塗装パック」「高耐久塗装パック」などの付加価値商品を開発することで、競合との差別化を図り、収益性を高めます。20万円以下の小工事も積極的に取り扱うことが重要です。
● マーケティングシステム: 来店型WEB集客、来店型イベント、そして来店型塗装ショールームを組み合わせたマーケティングシステムを構築します。ショールームは顧客の信頼を獲得し、契約率を高める上で非常に有効な集客方法です。WEBサイトやイベントを通じて顧客をショールームへ誘導し、実際の施工事例や塗料の質感などを体験してもらうことで、成約に繋がりやすくなります。
● セールスシステム: 劣化診断システム、SR(ショールーム)クロージング、1現場複数見積りシステムなどを導入し、効率的かつ高成約率の営業体制を構築します。特に、ショールームにおけるクロージングは、顧客の疑問や不安をその場で解消し、契約を促す上で重要な役割を果たします。
● 原価コントロールシステム: 材工分離発注、指値工事発注、工程・品質管理を徹底することで、原価をコントロールし、粗利率を向上させます。
売上目標の達成に向けた具体的な数値目標も提示しています。例えば、月間売上1,250万円(見積件数17.3件×契約率60%×平均客単価120万円)、粗利475万円/月(粗利率38%)といった具体的な数値を目標として設定しています。20〜30万人商圏・1店舗あたり売上1.5億円・粗利5,700万円(38%)というモデルケースも紹介しています。
高収益塗装ビジネスモデルに欠かせない4つの数字
高収益塗装ビジネスモデルを実現するために、特に重要な4つの数字は以下の通りです。まずは貴社がこれらの数字をどれだけ達成できているかを確認することが重要です。
● 販促効率: 1件の集客にかかるコスト(目標:6万円代)
● 成約率: 集客数に対する成約割合(目標:60%)
● 生産性: 営業マン1名あたりの年間売上高(目標:6,000万円)
● 粗利率: 受注粗利率と完工粗利率のズレがない割合(目標:35〜40%)
最新事例:株式会社ロードリバース様の成功
競合過多の塗装業界でも増収増益を達成している最新事例として、株式会社ロードリバース様の取り組みを紹介します。元下請け職人から元請け化し、わずか4年で元請け比率を75%超まで高め、売上も利益も急上昇させています。その成功のポイントは以下の通りです。
● チラシ×HP×ショールームを組み合わせた集客戦略:
○ 月に10万枚以上のチラシ配布による短期的な知名度向上
○ 塗装専門HPによる口コミ獲得とWEB集客の安定化
○ 立地の良い場所への移転と来店型ショールームへの転換による集客・営業効果の最大化(ショールームは業績UPの要)
● 圧倒的な認知力向上: 地域内で圧倒的な認知を獲得するためのバス広告(フルラッピングバスや側面掲載)の積極的な実施
● 営業の仕組み化: 毎週の営業会議やロープレの徹底による、営業・業界未経験者でも売れる営業体制の構築と高い成約率(70%キープ)の維持
株式会社ロードリバース様の事例は、塗装業において、ショールームを中心とした集客方法がいかに効果的であるかを示す好例と言えるでしょう。
まとめと今後のアクション
解説したように、成熟期の塗装業界において地域一番店を目指し、持続的な成長と高収益を実現するためには、従来のビジネスモデルから脱却し、来店型ショールームを中心とした新しいビジネスモデルへの転換が不可欠です。ショールームを核としたWEBやチラシとの連携による効果的な集客方法、高付加価値商品の開発、効率的なセールスシステムと原価管理体制の構築、そして重要指標の継続的な改善が、成功への鍵となります。
船井総研への経営相談のお勧め
もし、貴社が「地域一番店になりたい」「これからも売上や利益を伸ばしていきたい」とお考えであれば、まずは【自社の現状】をご確認ください。ご紹介した内容で、一つでも取り組めていない・達成できていないことがあるようでしたら、【今すぐ】行動に移していただくことを強くお勧めいたします。
地域一番店モデルの構築には時間と投資がかかります。もし、その時間を早めたいとお考えでしたら、ぜひ一度船井総研にご相談ください。弊社は、全国100社以上の地域一番店を目指す塗装会社様をご支援しており、国内最大級のコンサルティング会社として、多くの成功事例と『答え』を持っています。塗装業界専門のトップコンサルタントや業界トップクラスの方々の話を直接聞ける機会をご提供し、貴社の状況に合わせた最適な戦略をご提案させていただきます。
また、永続的な企業の存続と地域一番店を目指す「塗装ビジネス研究会」も運営しており、業界トップクラスの企業の取り組みをいち早く取り入れることができます。
成功される皆様に共通する特徴は、「素直、勉強好き、プラス発想」の精神で、すぐに 行動に移すことです。ぜひこの機会を逃すことなく、船井総研にご相談いただき、共に地域一番店を目指しましょう。
詳細は、弊社ホームページ「船井総研 外壁塗装 検索」よりご確認ください。 URLはこちら: https://fhrc.funaisoken.co.jp/tosou
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