はじめに
皆さま、おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。
本講座では、まず歯科業界の動向や変化といったマクロな環境分析から始め、今後求められる歯科医院の姿について解説いたします。
1. 歯科業界を取り巻く環境変化
マクロ環境を捉える「PEST分析」
まず、業界の動向や変化を把握するフレームワークとして「PEST分析」をご紹介します。これは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの視点から外部環境を分析する手法です。日本全体や歯科業界の変化を捉える上で有効であり、地域の状況にも応用できます。
これらの変化に対し、歯科医院としてどのような戦略を練るべきか。このフレームワークに沿って考えることが重要です。
コロナ以降の社会変化と求められる投資
現在、日本社会では大きく3つの変化が起きています。
・人口減少と需要の縮小
人口減少に伴い、働き手と市場の需要そのものが減少しています。これにより、採用コストは増大し、単純に診療数を増やせば利益が上がるという時代ではなくなりました。
・売り手市場への移行
働き手が勤務先の医院を選ぶ時代となり、ただ求人を出すだけでは歯科衛生士の採用もままならない状況です。
・高収益事業の必要性
保険診療は2年ごとに点数が改定されるため、収益構造が安定しにくい側面があります。保険診療を主軸としつつも、いかにして高収益な事業を診療の中心に据えるかを考える必要があります。
これらの変化を踏まえ、今後、歯科医院が投資すべき領域は以下の3つです。
1. デジタル投資(DX、AI)
深刻化する人手不足を補うため、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIといった技術への投資が不可欠です。
2. 組織・人材投資
限られた人員で生産性を高めるため、今いる人材をいかに育成し、優秀な組織を作り上げるかが重要になります。
3. 事業投資
歯科医院という枠にとらわれず、保育や福祉など、新たな領域へ事業を展開する事例も出てきています。
持続的に成長するためには、投資を行う経営体力と、投資を続けることのできる組織体質や考え方が求められます。

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