成長志向の歯科クリニックがおさえておくべき「税理士の選び方」
第一講座は『成長志向の歯科クリニックが押さえておくべき「税理士の選び方」』についてです。
早速ではございますが、皆様は顧問税理士さんにクリニック継続成長のサポートをしていただけていますでしょうか。
会計事務所との付き合い方
クリニック継続成長に必要なサポートを並べてみました。少し読み上げさせていただきます。経営数値の説明、試算表やキャッシュフロー表などを基にして現状の共有や、それに対してどういうアクションを取るべきかということの説明です。決算前検討会での節税提案、決算前検討会というのは決算の2、3ヶ月前に当期の売上着地、利益の着地がどうなって納税金額がどうなるかというシミュレーションを基に、今年は節税対策をすべきなのか、それともあえて節税対策はせずにキャッシュを残しておくべきなのかという打ち合わせを行う検討会です。
それからお金の使い方についてのアドバイス、経理の効率化、経理のアウトソーシング、経理のクラウド化、補助金、助成金などの情報提供から申請のサポート、電子帳簿保存法の改正、インボイス制度などの取り組みを行うことができるよう、インボイス制度などの制度改正の情報提供、それからどのように対応すべきかのサポート、医療法人化シミュレーションから実際の医療法人設立の手続き、銀行融資を受けやすい決算書作り、事業承継対策、相続税対策ということで、実はクリニックの継続成長に必要なことがたくさんございます。これを1から10まで全部自分たちだけでやろうと思うと、到底できそうにありません。診察をしながら、そして職員の方のマネジメントしながらやりきるのは相当難しいと思います。でもご安心ください。これらはすべて税理士さんにサポートしていただくことが可能です。ですが、残念ながらこれらのサポートをしていただけていないというお話を伺うことが多いです。
実際我々が年間300以上、税理士さんに関するご相談をいただいているのですが、「今、税理士さんとどういうお付き合いの仕方をされていらっしゃるのですか」と伺うと、こういうご関係性が多いです。今画面に表示されているように「会計事務所さんに何をお願いされているのですか」と伺うと、「税務会計の部分、例えば自社で入力した会計内容のチェック、そして年に1回の決算申告や確定申告など、これだけお願いしています」と言われます。「では、経理業務や経理の効率化や財務管理というところはどうされてらっしゃるのですか」というと、「それは自分たちで何とか頑張ろうと思っているのですが、なかなか忙しくてそこまでやりきれていないです」といったことをお伺いすることが非常に多いです。ただ、本当は色々とサポートしてくれる会計事務所さんもいらっしゃるということを知っている我々からすると非常にもったいないと感じます。
なぜならば、理想の関係があるからです。画面下からいきますが、経営の効率化のサポートもしてもらえますし、経理業務の部分もやはり先生方が診察もされて、マネジメントもされて、医院の今後のことも考えてということをしながら、会計ソフト入力をしたり、お給料計算をしたりというのはなかなか大変だと思います。こういうところも実は医療に特化した会計事務所様やレベルの高い会計事務所様であれば、「先生方にはクリニック成長に専念していただきたいので私たちがやりますよ」と言ってくれます。
それからお金回りです。クリニックを成長させていくためには投資も必要になってきます。そのためのお金をどう扱っていくのかであったり、場合によっては銀行融資が必要になったりもしますから、そういうときにできるだけいい条件で銀行さんにお金を貸してもらうために、じゃあ借入金をどのようにしていったらいいのか、決算書をどのように締めていったらいいのか、そういうところのアドバイスもいただけます。
また、一番上の相続対策、事業承継の相談ですが、そろそろ必要だなと思ったタイミングでご相談するとなると遅いという場合が多いです。月々の打ち合わせの中から将来的にどうしていきたいのか、ご子息に承継をしていくのか、それとも従業員の方に承継をしていくのか、あるいは第三者の方に引き継いでもらうのか、そういったところを税理士さんに共有しながら、今のうちからそれを考えたときに医療法人化すべきかどうなのか、お金回りをどのように整理をしておいたらいいのかなど、そういったことに年月をかけて対策を進めていくといったことが理想です。こういう話をお伝えさせていただくと、先生方は「それはできればこういうお付き合いの仕方がいいですよね。こういうお付き合いの仕方がしたいです」というようにおっしゃられます。ただ、できていないクリニックさんが大半です。
なぜなのかというと、背景としてはこちらがございます。まず日本の企業様は税理士変更の経験がない企業がほとんどです。日本全国でも年間で税理士変更される方は3%から5%ぐらいです。なので、いくら年月を積み重ねても、やったことがないという方も一定数いらっしゃいます。そしてそうするとどうなるでしょうか。クリニックはどんどん成長していって、先生方や経営幹部のレベルは上がってきているけれども、税理士さんはずっと変わっていないというケースが非常に多いです。そうすると当然クリニックのレベルの差と会計事務所のレベルの差はどんどんずれていくわけなのですが、ただ、今の顧問税理士さんしか知らないので、レベルが合っていないということに気付かずにお付き合いを続けていらっしゃるケースが多いです。
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