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企業情報
- 会社名 株式会社唐津カーセンター
- 設立 昭和54年12月20日
- 従業員数 375名(グループ全体)
- 事業内容 新車・中古車の販売 / 自動車整備(車検・修理)鈑金塗装 / 唐津損害保険サービス / 不動産事業 他
支援で得られた成果
・中古車販売事業の成長 グループ全体売上100億円突破
・事業多角化(M&A含む)、新規事業立ち上げと収益化
・後継者育成、さらなる成長の組織構築
・新卒採用の制度構築、学生の人気企業に
1.プロジェクトの概要
プロジェクト開始前の課題
・中古車販売店事業の頭打ち、商圏の縮小
提供したソリューション
・中古車販売事業の拡大
・M&Aの提案、実施支援
・後継者育成と活躍できる場の整備
・新卒採用制度構築
・ホールディング化
導入後の効果
・売上100億を超える地元の有力企業に成長
・2022年の新卒採用が32人、地元の人気企業に
・新規事業の「ローコスト住宅」で唐津市シェア1位獲得
・さらなる成長を目指した「新たな事業を興しやすい組織」の構築が完了
2.プロジェクトの詳細
①中古車販売業としての成長
唐津カーセンターは1974年に佐賀県の唐津市で創業し、中古車販売や車検・修理といった自動車整備を行ってきました。
船井総研との付き合いが始まったのは2005年で、時代の変化に伴いこれまでの形では利益が出にくくなってきたこともあり、今後の事業の可能性について経営者も思案しているときでした。
創業者で代表取締役の岡野俊治氏が船井総研のセミナーに参加したのをきっかけに、支援が開始しました。
船井総研が提供する様々な手法を実践したことで中古車販売業は利益の出る形を作ることができ、そのほかにも事業を拡大し、2018年にはグループ全体の売上100億円を達成、その後も売上をさらに伸ばし、2022年は130億円になっています。
②後継者育成、ご子息の入社
事業の規模が拡大するのに伴い組織も整える必要が生じ、特に会社を支える幹部社員の必要性が高まっていきました。
船井総研が提案したのは、創業者の岡野氏のご子息に入社してもらうことです。ご子息の長男は地元を出て働いており、次男の岡野晃士氏は佐賀銀行で働いていました。
岡野氏の了解のもと、晃士氏に対し、船井総研は「まず会社の状況を知ることから始めませんか?」と働きかけました。毎月のコンサルティングを銀行が休みの土曜日に変更し、晃士氏にも参加してもらう形を整備。毎月の場で会社についての理解や現状の把握を繰り返したのちに、晃士氏は2006年、25歳のときに入社しました。
晃士氏が入社した翌年、自動車ディーラーの店舗4つを譲受してもらえないかと話が持ちかけられました。船井総研も同意し、M&Aが実現しましたが、ネックとなったのは採用です。
それらの店舗には合計で55人の社員がいましたが、ほとんどは2年以内に譲渡側の会社に戻る条件が付いていました。
そのため至急代わりとなる人を集めましたが、急いで採用したので素行不良の人がいたり、定着率が悪いなどの問題が生じました。
〈岡野 晃士 氏〉
そのような中でも、定着率が高い傾向だったのが、新卒で採用した人たちです。新卒は育成に時間がかかるけれども、以前の会社のやり方など、今の会社では必要ないものなどもなく、会社の方針を素直に吸収してくれる。そのような経験から、同社は採用の中心を新卒にシフト。採用する学生と年齢が近かった晃士氏が、新卒採用の中心となって進めていきました。 船井総研の採用コンサルティング部門が「採用体制の整備」「インターンシップの企画」「リクルートページの新設」「企業から学生にオファーをするOffer Boxの活用」といったことを支援しました。
新卒採用体制の整備により、新卒で入社する学生の数は年に2、3人ほどから、その後増え2019年は7人、2020年は17人、2021年は16人になっています。
※グループ全体
「経営者として一番うれしい変化は『店長になりたい』という向上心のある学生が増えたことです」
晃士氏は語ります。
そのような大きな変化の一因は、自社の採用の拠点を福岡に移したことです。同社の拠点である佐賀県の学生の多くは福岡県で就職することから、佐賀で働く人も福岡で募集するほうが応募者の総数を増やせて効率がよいとわかり、そのようにしています。
また、後述する事業の多角化を進めるにあたり、幹部候補生と考える学生に「一緒に事業を立ち上げよう」と社長が直接働きかけているのも、優秀な学生が集まるようになっている大きな要因です。
「地元でも一番レベルに優秀な大学を卒業した学生が『経営者になりたい』と入社してくれました。『してあげよう』と言ってしまいましたから(笑)、嘘にならないように事業を拡大していきたいと考えています」(創業者の岡野氏)
④多角化、住宅事業の展開とM&A
唐津カーセンターは順調に成長を続けていましたが、商圏やその後の自動車販売業界が成熟を迎えたこともあり、その後の成長の方法を模索するようになりました。
同社が力を入れたのが、M&Aです。2017年、縁あって地元の中村建築という工務店をM&Aしました。同社は年間着工棟数が4棟前後で、売上が2億円程度の企業でした。当初はグループ各店のリノベーションや修繕などを付加するだけで黒字化し良しとしていましたが、船井総研は建築事業で売上を上げていくことを提案しました。
中村建築の行う事業として船井総研が提案したのが、全国で80社以上の会社で成功していた「超ローコスト住宅」というビジネスモデルです。自動車とローコストな戸建住宅は「ありがとうと言って買ってもらい、新たに顧客候補を紹介してもらう」点では親和性が高く、中古車の購買層と顧客属性が似ていることから、同社でも成果が出ると考え、その実現までを支援しました。
その結果、中村建築は唐津市でローコスト住宅を2020年に30棟受注、提案をしてから1年で、唐津市内のシェアナンバーワンの数字を達成しています。
住宅事業での成果を手にしたことから、同社はその部門を強化すべく、地元の銀行から話をもらった地元ゼネコンのM&Aを検討します。業歴が90年以上あり、無借金経営の企業でした。
その話の相談を受けた船井総研は、以下のような話をしました。
その会社は社長が70歳代、社員は40~60代ばかりで、20代も30代の人材もいない会社です。業務内容は橋や県庁を造るといった昔からのものばかりで、新卒採用で若い人の入社が増え、平均年齢が低い唐津カーセンターとは合わないのではないかと。
地元経由のM&Aに反対した船井総研は、別のM&Aを提案します。神奈川県の企業で、場所は離れていますが、唐津カーセンターの社風や目指すところと合うと話し、受け入れてもらいました。
買収から1年ほど経っていますが、唐津カーセンターの手法を導入してシナジー効果が生まれているのを、岡野氏は感じています。
「船井総研のアドバイスがなかったならば、私は地元のゼネコンを買収していた。そのほうが苦労していたでしょう」
岡野氏は語ります。
⑤「移」「食」「住」をトータルで提供する企業を目指して、ホールディング化
M&Aや多角化を進め、事業を拡大する唐津カーセンター。今後のさらなる成長を目指すうえで必要になったのが「リブランディング」です。
新卒採用を進めるにあたり、会社の将来を担う学生に対し、さまざまな事業を展開している会社であることを知ってもらうための形を整える必要が生じました。
また、業種・業態ごとに売上や利益、人員の数や給与体系などもそれぞれですから、一元で管理するのは限界があります。
船井総研はすべての事業を統括するホールディング会社を設立することを提案「ヒューベストホールディング」を立ち上げました。
晃士氏が代表取締役社長に就任し、創業者の岡野氏が代表取締役会長に就きました。
唐津カーセンターや中村建築などは、ヒューベストホールディング傘下の事業会社となります。
ホールディング化したことで、新たな事業会社を立ち上げるのが容易になり、今後「経営者になりたい」「新しい事業を興したい」と考える学生に組織やポジションを用意しやすい形を整備しました。
同社が目指すのは「地域の「移」「食」「住」をトータルで提供する企業」です。「食」に関しても農業事業を立ち上げており、今後の収益化を目指しています。
船井総研は新規事業を興しやすい組織の形や運営の方法などをアドバイスし、ホールディング化実現のためのあらゆることをサポートしています。
3.船井総研を選んだ理由
唐津カーセンター創業者の岡野氏は、以下のように語ります。
「私が中古車販売業に将来を描けなくなっていたときに、船井総研のセミナーのDMをもらい、話を聞いてみて、一理あると思い、コンサルティングをお願いしました。
それまでは販売した中古車に関してクレームをいただくことがよくあったのですが、コンサルティングを受けるようになってから、クレームが激減しました。成果を感じたことから、その後もいろいろなことをお願いするようになり、今に至っています。
船井総研からは、会社が成長するに伴い、息子が入社したほうがいいとアドバイスをしてもらい、勉強会という形で、そのレールを敷いてもらいました。実際に入社も決まり、社長として会社の新しい形を創っていってくれていて、そのきっかけを作ってもらった船井総研には深く感謝しています。
船井総研とは毎月『10年後のわが社のあるべき姿』というタイトルで話し合いをしています。
身の回りに起こったことを提示すると、船井総研が持ち帰り、実現できるための方法を考える、これはやめておこうと言ってもらう。それが助かっています。
その都度の客観的かつ専門的なアドバイスを受け続けられる距離感を持ち続けたいと考えています。
船井総研の主催する研究会にも参加させていただき、全国の会社さんと仲良くさせてもらっていて、見学に行ったり、また当社に来てもらったりして、情報交換を行っています。
私は会長になりましたが、息子への後継が、また息子のその次への後継がしやすい形を作らなければならないと考えています。
そして息子への完全な後継が済んだのちも、彼が船井総研と一緒に相談しながらやっていくだろうと考えています」
4.担当者コメント
「唐津カーセンターは元々、失礼ながら日本中のどこにもあるような一般的な中古車販売店でした。
創業者である岡野氏の『中古車店の経営をよくしたい』という思いは、いわば経営者の『私欲』で、経営者個人の欲は、規模の大きくない会社の原動力として欠かせないものです。
その後会社の規模が拡大し、企業の買収を持ちかけられたり、スポーツチームの支援を頼まれたりするようになって、その地域の有力企業へと成長しました。
そこまで大きくなると、会社はもはや経営者の『私欲』のみで成り立つものではなくなります。
『地域をよくしたい』『人口が減る街にも新たな雇用を生み出す』『若い人に将来への夢を持ってほしい』
会社成長の原動力は、そのような『公欲』へと変わっていきました。
そして、息子さんやグループに入った会社の社長など、公欲を担う人の数も増えています。
事業を拡大し、ホールディング化もするなどして公欲の実現のために成長の歩みを続けるヒューベストホールディングを、これからも船井総研は支援していきます」
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